イエローフォール

イエローフォール


【日時】 2006年2月12日(日) 日帰り
【メンバー】 三名
【天候】 雪

【山域】 裏磐梯
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 イエローフォール・いえろーふぉーる・1180m・なし・福島県
【コース】 裏磐梯スキー場より
【地形図 20万/5万/2.5万】 福島/磐梯山/磐梯山
【ガイド】 雪と遊ぶスノーシューテクニック&フィールドガイド
【料金】 リフト代 300円×2
【温泉】 川上温泉イチロー荘 500円

【時間記録】 6:30 新潟=(磐越自動車道、猪苗代磐梯高原IC、R.115、R.459 経由)=9:05 裏磐梯スキー場〜9:27 発=9:53 リフト上部―10:05 銅沼―10:34 イエローフォール〜12:33 発―13:06 ゲレンデ迂回路―13:45 裏磐梯スキー場=(往路を戻る)=16:50 新潟

 イエローフォールは、磐梯山と櫛ヶ峰との鞍部の下部に、冬の間だけ現れる氷瀑である。火山性の成分を含んでいることから黄色く染まっている。裏磐梯スキー場の上部から、イエローフォールを目指して、爆裂火口を眺めながら歩くコースは、スノーシュー歩きの代表的コースとして人気が高い。

 最近、スノーシューのコースとして、イエローフォールの名前を良く聞くようになった。インターネットの検索でも多くがヒットするが、地図上でどこにあるのかはっきりしなかった。ガイドツアーで歩かれているようで、自分で地図を見て歩いてはいないというのが理由であろ。多くの人間が歩いているはずなので、現地に行ってみれば、トレースもついていて判るだろうとも思うのだが、雪山を地図でコースを事前に確認もしないで歩きたくはない。幸い、「雪と遊ぶスノーシューテクニック&フィールドガイド」に、イエローフォールへのコースが紹介されているのを見つけた。この本に記載されている地図からコースを読み取ってGPSにルートを落とすことができた。準備も整ったので、イエローフォールに出かけることにした。
 スノーシューでのランチタイムのメニューとしては、「雪の上でオシャレに味わうチーズフォンデュ」と良く書かれている。雪の上にテーブルを作っての昼食は楽しい。ただし、春の陽気になっての話である。冬のさなかでは、チーズフォンデュができあがる前に、体が凍えてしまう。しかも天気予報を見ると、当日は寒気が入り込むという。テントを張れば良いということで、4,5人用テントを持っていくことにした。ついでに、バレンタインデーも近い事から、チョコ・フォンデュもデザートとして加えることにしてもらった。
 昨日は、平地では雨、山間部で雪という天気だったが、夜の間に冷え込みも厳しくなっていた。高速道も凍結しており、時速50kmの、のろのろ運転が続いた。会津盆地に入っても、小雪が続いた。高速を下りて裏磐梯へと向かう国道も、停止した後の発進にタイヤが空回りする状態であった。坂の途中で停止するとやっかいなことになると、神経を使う運転が続いた。檜原湖の湖畔から、裏磐梯スキー場への道に入ると、圧雪された雪道になった。坂道を勢いを付けて登っていき、なんとかスキー場のレストハウス前の駐車場に入ることができた。車の運転だけで疲れてしまった。
 レストハウスの入り口には、銅沼は渡れるとのインフォメーションが書かれていた。窓ガラスにイエローフォール探勝と書かれたバスも停まっており、人気の高いコースであることが判った。下りのリフトも乗れるようであったが、当然、下りは歩く予定であった。リフトの券を二枚買って、リフト乗り場に向かった。スノーシューは、履かずにザックにくくりつけてリフトに乗った。
 リフト二本を乗り継いだゲレンデ上部で、スノーシューを履いた。行く手には、櫛ヶ峰が、雪雲の中からうっすらと姿を見せていた。振り返ると、ゲレンデが下っていく先に、凍結した檜原湖が広がっていた。
 雪原を南に向かって進んだ。はっきりしたトレースが続いており、赤旗も連続的に付けられていた。雪質も堅雪の上に軽い粉雪が積もった状態で歩きやすかった。背の低い灌木帯を抜けていくと、思ったよりも早く、銅沼(あかぬま)の湖畔に到着した。登山を始めた1991年6月29日に磐梯山を登る際に、この沼に寄っているが、それ以来ということになる。勿論冬は初めてである。一面が凍結しており、グループが氷上歩いているのが見えた。櫛ヶ峰もピラミッド型の山頂を見せており、足を止めて、写真撮影タイムになった。青空も一部に見えていたのだが、雲は完全には消えてくれなかった。
 どこが沼の終点かも判らないままに雪原を歩いていくと、右手の崖から噴煙が上がっているのが目にとまった。風向きの関係か、一瞬であるが、硫黄の臭いもした。
 少し急な坂が現れ、これを上がると、周囲に岩がころがる地形になった。前方には、櫛ヶ峰の火口壁が、切り立った岩壁を見せていた。岩壁に向かって歩いていくと、黄色い氷壁が見えてきた。その下には団体が集まっており、イエローフォールであることが判った。近づいていくうちに団体も戻ってきてすれ違った。20人の団体であった。
 目的のイエローフォールに到着した時は、幸いにも、他の登山者はおらず、気兼ねなく記念写真に興ずることができた。黄色い氷壁の上に白い雪が被った様は美しかった。すぐ左隣には、ブルーフォールと呼ばれるらしい氷壁もあったが、こちらは人気はないようで、後から到着したグループの記念写真の対象にはなっていなかった。写真を一通り撮った後、テントを張る場所を探して、移動した。下りのトレースを300m程下った所の窪地にテントを張ることにした。
 風は冷たかったが、テントに入って火を付けると暖かくなった。チーズ・フォンデュにチョコ・フォンデュをゆっくりと楽しんだ。外を見ると、粉雪が舞うようになっていた。風も強く、雪のテーブルで食事などできる状態ではなかった。休んでいる間にも、通り過ぎていく登山者の声が聞こえていた。
 テントを撤収して歩き出した。はっきりしたトレースが続いていたので、これに従ったが、1159mピークに向かっていた。ガイドブックのコースとは違っていた。後で、レストハウスで手に入れたイラストマップを見ると、下山のコースは、ガイドブックにも書かれていた川上温泉へのコースに進んでからゲレンデ下部に向かう北よりのコースと、この1159mピークから窪地沿いに1108m点の東に向かうコースの二種類があるようである。
 1159mピークからは、火口壁の眺めが広がった。迫力のある岩壁は眺めることはできたが、櫛ヶ峰の山頂は、隠されたままであった。灌木帯の中の下りは、トレースが幾本も付いており、迷子とまでいかないまでも、どちらに向えばいいのか判りづらかった。GPSと地図を用意してあり、いざとなったら自分でコースを確認して下る自信はあったが、初心者は現在位置が判らなくなって不安を覚えるかもしれない。雪山に慣れていないものは、リフト終点から往復するのが安全かもしれない。
 ゲレンデの飛び出すと、そこには「噴火口1.2km、裏磐梯登山口3.1km、磐梯山頂3.5km」と書かれた夏の登山標識が立てられていた。ゲレンデ下部までの距離は書かれていない。lpmpスキーコースは、リフト終点から1108m点の東へと迂回してきた初心者用コースのようであった。再び林に入って下りを続けた。ほぼゲレンデに沿っての下りであった。急なところもあったが、新雪の上を歩けば問題はなかった。途中で、ガイドに連れられたグループも追い越した。
 ゲレンデ下部に下りて、駐車場に出ると、そこにはレストハウスがなかった。一段下の駐車場に下りてしまったことに気が付いた。スノーシューを脱いで、車道歩きで車に戻った。
 イエローフォールは、歩行時間は短かったが、その分昼食に時間をかけることもでき、景色も良く楽しめるコースであった。ガイドツアーに参加すれば、簡単であるが、地図を見ながら自分であるけば、それなりのコース判断も必要で、充実感もある歩きとなる。
 帰りも、裏磐梯一帯での路面の凍結や、県境付近での吹雪で、神経の使う車の運転になった。
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