黒森山

黒森山


【日時】 2006年2月11日(土) 日帰り
【メンバー】 二名
【天候】 雪

【山域】 会越国境
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 黒森山・くろもりやま・560.2m・三等三角点・新潟県、福島県
【コース】 熊沢より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/野沢/徳沢
【ガイド】 なし
【温泉】 津川高原保養センター 500円

【時間記録】 7:15 新潟=(磐越自動車道、津川IC、R.49、川谷、屋敷経由)=8:30 熊沢集落手前の坂下〜9:02 発―9:15 消防団建物―10:00 尾根取り付き―11:58 黒森山〜12:38 発―13:03 尾根取り付き―13:38 消防団建物―13:49 熊沢集落手前の坂下=(往路を戻る)=16:30 新潟

 黒森山は、新潟と福島との県境上の、目指山と一等三角点ピークの土埋山との間に位置する山である。山頂下を磐越自動車道が貫いており、このトンネルの名前は黒森トンネルと呼ばれている。登山道の無い山であるが、最終集落の熊沢からトンネル入口へ通じる車道を利用することによって、雪の季節にもアプローチがしやすくなっている。
 所属する山の会の3月の会山行を引き受けることになり、この黒森山を選んだ。黒森山は、2002年2月23日に登っているが、歩行時間も手頃であり、また目指岳を以前案内したこともあり、その続きともなる。事前の偵察のために登っておきたかったが、今年は雪が多く、なかなか出かけられなかった。ここらで登っておこうかということで出かけた。
 天気予報は、曇り時々雨か雪というものであった。新潟を離れると雨になり、津川で高速を下りると雪に変わった。県境を越える頃には、本降りの雪となり、国道を離れて屋敷の集落を過ぎると、道路を雪が覆うようになった。急坂を登るところで、タイヤがスリップして上がれなくなった。積雪量は、20センチ程であった。雪山へのアプローチには、やはり四駆が欲しいところである。スコップでタイヤの下の雪を掻きだしたがだめで、バックして路肩に車を寄せて停めた。GPSで位置を確認すると、歩き出しの熊沢集落手前の坂の下のようであった。ここからでも問題は無いので、歩き出すことにした。
 坂を登ると集落内に入った。緩やかに下っていき、沢に掛かる橋を渡った先の消防団の建物の前が、除雪終点である。先回は、車で問題なくここまで入ることができたが、この日は新雪が多く、轍もできていなかった。集落からこの除雪終点まで坂を下ってきてしまうと、登り返せなくなったかもしれず、集落手前の坂が登れなかったことは、幸いであったかもしれない。
 雪の上に登ってからスノーシューを履いた。今回は、林道歩きがあるということで、スノーシューにイクステンションを付けた。今履いているMSRのスノーシューと同時に買っていたのだが、付けたり外したりが面倒で使っていなかった。面積が広くなっただけ、雪への沈み込みは少なくなり、歩きやすくなったが、テールを踏みやすく、平行に足を進めるように意識する必要があった。新雪もあり、膝下までもぐるラッセルが続いた。雪は重かったが、ある深さまで踏みしめると固まるので、歩く上ではまずまずのコンディションであった。
 しばらくは、鬼光頭(きこうづ)川沿いの林道歩きが続く。歩き始めは、道路脇の崖からの落雪が見られたが、その後は、問題のない道であった。右手に屋根に厚く雪が積もった小屋が見られたが、ここが柞畑のようである。地図では、柞には「たな」とふりがなが付けられているので、「たなはた」とでも読むのであろうか。林道の周囲には、山間の畑を覆う雪原が広がっている。
 山間部に分け入ったにもかかわらず、車の騒音が近づいてくると、磐越道を見下ろすようになる。黒森トンネルを出た車が、短い地上区間を過ぎて、龍ヶ嶽トンネルへ吸い込まれている。新潟方面への車線には、管理施設があり、枝分かれした車道がそこに続いている。そのまま林道を直進し、トンネル上部を過ぎると、尾根の取り付き部を探しながらの歩きになる。
 最初に落ち込んでいる尾根は、切り通し部が急で、その次の尾根が取り付きになる。尾根の脇から杉林を登りだし、尾根上を目指す。尾根上に出ると、直に雑木林となるが、それもすぐに終わって、雪原の斜面が目の前に広がる。
 谷を挟んだ向かいの斜面は、雪が割れて、いつ崩れるか判らない状態であった。登りの斜面の尾根も、尾根筋がはっきりしなくなった。一面の雪原で、小雪の降る中、起伏が判断しにくかった。雪崩の危険性を避けるため、尾根筋を伝いながら登り続けた。
 急斜面になるのと同時に雪も深くなった。腰の深さで、雪原と相対することになり、まずは膝で雪を崩してから足を上げるということの繰り返しで登り続けた。急斜面ではワカンの方が有利という者もいるが、この状態では、沈み込みの少ないスノーシューの方がラッセルには有利であったように思えた。
 急斜面の雪原を突破して、標高450m付近まで上がると、ナラやブナの雑木林が広がるようになる。傾斜は緩くなっても、その分体力も消耗しており、辛い登りが続いた。540m標高でようやく山頂到着かと思うが、尾根状の地形を辿った少し先である。250m程の標高差を登るのに2時間かかって、ようやく黒森山の山頂に到着した。先回は、1時間であったので、倍の時間がかかったことになる。次回の本番では、雪も締まってきており、大人数になるはずなので、ここまではペースダウンはしないと思うのだが。
 黒森山の山頂は、雪原となっていた。山頂付近は林が広がっているが、山頂の縁に出れば、土埋山や御神楽岳方面の展望が広がっている。あいにくと、雪は降り続けており、展望は閉ざされていた。斜面の縁にスコップで窪地を作り、ツェルトを被せて、休憩所を作った。
 下りは、雪が重すぎるために、どこでも歩けるというわけにはいかず、トレースを忠実に辿る必要があった。そのため、足にも負担がかかって息がきれたが、あっというまに、林道まで下ることができた。下りは30分で、登りの四分の一であった。
 林道を戻る途中、木のわかんとつぼ足の足跡が、川端にある小屋に向かっているのに気が付いた。地元の人が、小屋の見回りにでもやってきたようである。遊びで付けたトレースが、地元の人に少しでも役に立ったのなら良いのだが。
 車に戻り、濡れて冷えた体を温めるため、津川の温泉へと急いだ。
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