古城山

古城山


【日時】 2006年2月5日(日) 日帰り
【メンバー】 二名
【天候】 雪

【山域】 櫛形山脈
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 古城山・こじょうさん・283m・なし・新潟県
【コース】 箱岩より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/新発田/菅谷
【ガイド】 なし
【温泉】 貝屋温泉さくらの湯 500円

【時間記録】 7:40 新潟=(R.7、貝屋、七社 経由)=9:10 箱岩〜9:20 発―9:50 箱岩峠―10:10 登山口―11:00 古城山〜11:30 発―11:55 箱岩=(往路を戻る)=14:30 新潟

 櫛形山脈は、日本海沿いに広がり、胎内川と加治川によって両端が切りおとされる、全長約13キロメートルの山塊である。25000分の1図に山脈と記されている唯一の例といわれ、日本一のミニ山脈と呼ばれている。北部の白鳥山から鳥坂山、櫛形山を経て大峰山に至る縦走路は、良く知られているが、それより南部の箱岩峠に至る縦走路は、良く整備されているにもかかわらず歩く者は少ない。古城山は、箱岩峠の北1kmにあるピークである。
 昨年の12月3日に、スノーシュー歩きの偵察を兼ねて、箱岩峠から大峰山を往復した。夏道は、稜線通しから微妙に外れる所があり、雪山ではそれを辿れないとはいえ、そのコースを知っておく必要がある。
 この週末は、雪の予報が出ていたが、悪天候用のコースとして古城山に出かけることにした。車二台が用意できたので、箱岩峠から大峰山までの縦走の計画としたが、場合によっては、古城山までとも考えていた。直前に、道路の凍結と除雪作業を考えて、集合時間を遅らせたことによっても、縦走の時間的余裕が無くなっていた。
 新潟を出る時は青空が出ていたものの、新発田を過ぎると、吹雪が始まった。昨晩もまとまった雪が降ったようで、国道を離れると、除雪車が活躍中であった。大峰山の登山口へ通じる寺沢林道に進むと、貝屋駐車場の脇で除雪は終わっていた。以前は、冬でもさくら公園の駐車場まで除雪されていたが、最近は除雪が手前で終わっているようである。歩く距離が長くなって入山者が減ると、スノーシュー歩きには好都合なのだが。
 激しい吹雪になって、縦走は無理だろうかと迷うことになった。山の上で晴天に合い、車を置いておけば縦走できたものをと後悔したくなかった。結局、予定通りに車一台を置いて、箱岩に向かった。七社の交差点からは、一本道と思ったが、吹雪で見通しが利かずに、いつのまにか、茗荷谷に向かっており、引き返しになった。
 除雪は、箱岩の集落を過ぎ、地図で箱岩川が二俣に分かれる所で終わっていた。ここから箱岩峠までの県道545号線は、菅谷と国道7号線を結ぶ近道として利用者も多い道であるが、冬は冬季閉鎖になっている。除雪終点部は、方向転換も困難な状態であったため、少し戻った採石所かなにかの屋外施設の入口脇の路肩に車を停めた。
 車道には、深い雪が積もっており、体力が必要な歩きになった。谷が広がると、吹き溜まり状態で、一歩ずつ足を出す状態になった。ラッセル交代をしながら歩いて箱岩峠に到着した。ここからは、大峰山の北にあるマイクロワーブ中継基地へ通じる林道へと進む。この林道も雪が深く、吹き溜まり部は、波打っている所もあった。
 長く感じる林道歩きの後に、大峰山登山口に到着した。登山口の標識は、かろうじて頭を雪の上に出していた。林道から尾根上へは、丸太の階段で整備されているのだが、雪の急斜面になっていた。すぐに傾斜も緩やかになって、雑木林に囲まれた尾根道になった。
 248.3m三角点手前で、夏道は稜線通しから外れて少しトラバースした後に折り返して稜線に戻る。どのように通過しようか迷ったが、稜線通しは木立が密であったため、夏道に進んだ。トラバース道は、雪の斜面となっていたが、雪も柔らかいため、滑落の心配はなかった。雪で倒れた木の枝が覆い被さり、くぐると頭から雪を被ることになった。ここらで折り返しと思ったが、雪が深く、数メートルを上がるのに苦労した。帰宅後GPSの軌跡を以前のものと比べると、少し手前で折り返してしまったようだが、さらにトラバースを続けるのは実際には難しかったので、コース取りとしては間違っていない。
 この先で、雪の小広場になったが、ここは三角点の脇にベンチが置かれた見晴らしになっている。丁度青空がのぞいており、日本海の海岸線を望むことができた。古城山の山頂が、目の前に迫っていた。
 古城山の山頂一帯には、名前の通りに、山城があったと思われる地形が見られる。夏道は、トラバースしながら山頂下を通過していくため、稜線通しに進む。土塁のような短いが急な斜面を登ると、台地の一画に到着する。空堀状の溝を乗り越すと、台地状の古城山の山頂に到着した。この山頂は、木立に囲まれて展望はない。ここで、縦走を続けるかどうか考える必要があったが、吹雪が激しくなり、ここで引き返す決心はすぐについた。このペースなら、大峰山までは、2時間半から3時間といったところか。時間的にはなんとかなるが、それも雪がこれ以上深くならず、体力ももったとしての話である。悪天候の中、無理はしたくなかった。
 山頂は風が冷たかったため、切り通しに戻って、風あたりの弱い斜面に回り込んで腰を下ろした。雪がばさばさと落ちてきて、広げたお昼の食料がすぐに真っ白に染まった。
 誰も来ないと思っていたら、単独行が登ってきて驚かされた。言葉を交わすと、箱岩の車を置いた所から始まる尾根を登ってきたという。トレースもあるから、辿ると良いと教わった。単独行は、もう少し先まで行くようなことを行って進んでいった。
 下山は、単独行のトレースに従って、山頂台地の南のはずれから南西に延びる尾根に進んだ。知らない人の言葉に従うのは危険なこともあるのだが、地図を見て、この尾根なら問題ないだろうと思ってのことである。歩きやすい尾根で、古い赤布が連続して付けられていた。夏道があるのかどうかは判らないが、冬道としては、メインルートのようである。古城山にあったはずの山城を考えると、箱岩峠からでは、里との関係が薄れてしまうが、この尾根を使えば箱岩集落の裏山となる。山城への表参道は、この尾根といって良いであろう。偶然とはいえ、良いコースを教えてもらった。
 高度を一気に落としていくと、谷間の車道が迫ってきて、最後は車の脇に下り立った。30分もかからない下りであったが、登りには、それなりの時間と体力が必要であろう。
 車の回収に大峰山登山口に戻ると、6台ほどの車が停められていた。思ったよりも少ない車であった。青空が広がり、下山を早まったかなと思ったが、すぐ近くのさくらの湯へ移動する間にも吹雪が始まり、諦めがついた。

山行目次に戻る
表紙に戻る