大山

大山


【日時】 2006年1月29日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 守門岳周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 大山・おおやま・484.3m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/守門岳/光明山
【コース】 大谷ダムより
【ガイド】 なし

【時間記録】 6:40 新潟=(北陸自動車道、三条燕IC、R.289 経由)=8:10 大谷ダム堰堤下道分岐〜8:43 発―8:53 大谷ダム堰堤―10:23 下降尾根分岐―10:49 大山〜11:45 発―11:53 下降尾根分岐―12:36 大谷ダム堰堤下道分岐=(往路を戻る)=15:00 新潟

 下田村から会津の只見へ抜ける国道289号線が、景勝地八木鼻を過ぎていよいよ山間部に入ろうとするところに、大谷川をせきとめてできた大谷ダムがある。大山は、この大谷ダムの左岸にたたずむ山である。山域としては、守門岳の北に位置する山であるが、大谷ダムを挟んで川内山塊と向かいあっており、絶好の展望台になっている。
 ひさしぶりに天気予報に晴マークがついた。貴重な晴であるので、どの山に登ろうかと、頭をひねることになる。展望の良い山ということで、大山を選んだ。2001年3月3日に登っているが、その頃は地図読みが充分でなく、歩いたコースも行きあったりばったりという感じがあった。スノーシュー向きの山であるが、コース説明のために、再度歩いて、ベストなコースを確かめなければならない。
 今回は、地図を見て、桂沢橋手前から西に延びる尾根を使うことにした。距離も短く、下りはあっという間になるので、下山は、420m標高から北東に延びる尾根に進み、ダムの堰堤下に通じる道の分岐部へ下ることにした。
 昨日の雷山は、雪が意外に少なかったが、下田に近づくと、路肩の雪も多くなった。大谷ダムの堰堤脇が、国道289号線の除雪終点になる。5、6台の車が停められていて、団体がスノーシューを履きながら歩き出す準備をしていた。まさか同じく大山を目指すのではないだろうかと、不安が湧いてきた。車道終点部付近の脇は、雪崩防止柵が設けられている崖になっている。柵の上には、雪が厚く積もっており、気温が上がれば、雪のブロックが落ちてこないともかぎらない。下山を考えて、大谷ダム堰堤下へ通じる車道の分岐地点へ車を移動させた。
 車道脇は、2m以上の壁になっており、山を下ってきてから、車道に下り立つのに苦労しそうであった。うっかり飛び降りでもしようものなら、怪我をする。スコップを取り出し、雪壁を崩して階段状に整備した。
 車道を歩いて戻り、雪の上に上がってからスノーシューを履いた。スノーシューを履いていると、鉄砲撃ちの二人連れが到着し、鉄砲打ちが先に進んでいるかどうか聞いてきた。団体が歩いていると告げたが、どうも犬を連れているかが問題のようであった。鉄砲撃ちは、二匹の犬を連れてきており、放した犬が喧嘩をしては困るということのようである。
 団体が歩いたため、しっかりしたトレースができていた。とりあえず、楽な歩きをさせてもらった。大谷ダムの水面は、白く雪に埋まえい、静まりかえっていた。桂沢橋手前に、駐車場があり、ここから遊歩道が始まっている。雪に埋まっていたが、トイレの屋根と、大谷山村広場の案内板が姿を見せていた。団体のトレースは、車道の先へと続いていた。大山を目標のグループでなかったことにほっとした。誰もいないであろうと思ってやってきた山で、団体には会いたくない。しかし、どこを目指しているのだろうか。適当な目的地が思い浮かばない。車道を歩いて風景を眺めて終わりというのかもしれない。
 昨日の暖かい陽気のせいで、雪は柔らかく、膝下まで潜る状態であった。駐車場脇の雪原を登っていくと尾根が現れ、雑木林の尾根の登りが始まった。雪が重く、体力が必要な登りになった。そのかわりに、滑落の心配は無い。300m標高付近で尾根の傾斜が増したので、左手の雪原に逃げて、浅い谷を詰めたところで尾根に戻った。休み休みの歩きになった。ラッセル交代要員が欲しいところであった。天気は、この先に良くなるはずなので、先を急ぐ必要はなかった。
 400m標高に到着すると、一帯に杉林が広がるようになった。この付近から下山予定の尾根が始まるのだが、杉林で見通しは利かなかった。杉林を抜けると、浅い谷を挟んで、右手に尾根が平行に走るようになる。山頂は、右手の尾根の延長戦にある。高度を落とさないようトラバースして谷に下りて、登りを続けた。
 谷を詰めていくと右手の尾根が段差を減らしてくる。尾根に上がると、背の低い杉の植林地が広がっている。山頂手前で植林地も終わり、雑木林の中を緩やかに登っていくと、大山の山頂に到着した。番屋山を前景に、守門大岳から守門岳にかけて広がる火口壁が荒々しい姿を見せていた。川内山塊方面の眺めは、昼食を取りながらゆっくりと楽しむことにして、まずは、646mピークを眺める場所を探すことにした。カメラだけを持って、南に尾根を下ると、雪原に出て、眺めが広がった。鋭角的なエッジを持ったピラミッド型の646mピークの遮るもののない展望が広がった。内の倉と地元では呼ばれていると聞いたことがあるが、地図に名前が記載されていないのが惜しい。一見の価値のある眺めなので、登り返しが必要になるが、南の雪原まで足を延ばすことを勧める。
 山頂に戻り、下降点に腰を下ろした。一本岳を従えた粟ヶ岳と白根山、烏帽子岳。青里岳と矢筈岳が左右に並んでいる。万太郎山から光明山へと稜線が続いているが、光明山は、背後の毛無山と重なって、双耳峰のように見えていた。福島県との県境稜線は、長々と横に広がっていた。飽きることのない眺めであった。登る者はまれなようであるが、静かに展望を楽しむには好都合である。
 大休止を終えて下りを始めると、すぐに杉林に到着し、ここからは、北に向かう尾根に進んだ。杉林が広がり、尾根がはっきりしないため、コースが難しかった。少しずれたと思ったら、右手に沢形が入って、修正できなくなった。少し登って沢形をトラバースして尾根に乗った。コースを確認すると、この尾根も違っており、少し登って右に方向を変えた。標高400mから350m付近までの下りは難しく、GPSを持っていなければ、下りだけのコース取りは相当難しい。
 正しい尾根には、トレースがあり、カモシカの足跡かと思ってみると、スノーシューのものであった。下から登ってきた者がいたようであるが、杉林の中で、コースから逸れた時にすれ違ったようである。
 その先は、雑木林の尾根の下りが続いた。350m標高で尾根は二手に分かれる。直進しても下れるのだが、北に続く尾根に進んだ方が楽そうである。トレースも北から上がってきていた。
 260m標高で、トレースは北に向かっていたが、事前のコース設定通りに東に方向を変えた。最後に、尾根を北に外して下ると、事前に作った階段脇に出た。見ると、スノーシューのトレースは、ここから北東尾根との間の谷間に進んでいた。スノーシュー歩きの持ち主の車が、私の車の後ろに停めてあった。ここから登るのは、下るよりは迷う心配はないとはいえ、距離が長くなって、今日のような雪の重い日には、大変なのではないだろうか。車を置いて、除雪壁の取り付きを作ってあることから、このコースに引きずり込まれてしまったのでないと良いのだが。登りには、堰堤先の駐車場から登る方が距離が短くて楽だと思う。
 青空が広がるようになり、真っ白な粟ヶ岳を後にして、家路についた。

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