猿毛岳

猿毛岳


【日時】 2006年1月8日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 加茂丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 猿毛岳・さるけだけ・326.7m・二等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/加茂
【コース】 猿毛登山口より
【ガイド】 なし

【時間記録】 8:30 新潟=(R.49、R.403、加茂  経由)=9:20 猿毛集会所〜9:40 発―11:07 猿毛岳〜11:20 発―11:32 見晴らし―11:43 スキー場跡登山口―12:30 猿毛集会所=(往路を戻る)=14:00 新潟

 新潟平野の縁に沿って広がる加茂丘陵の南東の角に位置し、加茂川右岸の猿毛の集落の背後にある猿毛岳は、、この一帯の最高峰にあたる。猿毛岳とR.290を挟んで向かい合うように、最近閉鎖された冬鳥越スキー場があるが、猿毛岳にもかつてスキー場があり、山中にその跡が見られる。少し前までは、「新潟の低山薮山」にも取り上げられているように、薮漕ぎの山であったが、平成10年から11年にかけて登山道が整備され、現在ではハイキングの山になっている。
 猿毛岳は、これまで三回登っているが、わかん歩きはしているものの、スノーシュー歩きは行っていない。昨年の12月10月にも登っているが、雪は少なく夏道の確認で終わった。猿毛岳は、スノーシュー向きの山であるので、スノーシューで歩かなければと思っていた。
 雪山でのまず最初の問題は、駐車場所になる。三連休の初日は笠峰に登ったが、その帰りに、猿毛岳登山のための駐車場所の確認を行った。加茂川左岸の県道沿いには駐車スペースは無く、日吉橋を渡った先の駐車スペースは雪に覆われていた。結局、最初の登山の時にも利用した、猿毛集会所の前に車を置くのが良いであろうということになった。
 寒気は緩んだが、加茂の周辺も例年になく雪が多くなっている。加茂側にある猿毛橋を渡って猿毛の集落内に進むと、バス停が置かれている猿毛集会所前に出る。ここまでは、市民バスの路線となっているので、道幅も十分で、除雪もされている。広場にもなっているが、バスの回転場所でもあるので、車の置き方には注意が必要である。
 登山口の日吉神社までは、集落内を通り抜ける必要があるため、スノーシューをザックにくくりつけて歩き出した。雪が止んだため、集落内では、各所で雪下ろしが行われていた。「山に行くのかい」という声があったので、どこからと見渡すと、二階のベランダの除雪を行っている男性から話しかけられていた。「どこから登るの」というので、「神社から」というと、「沢沿いの道は危ないよ」と言われた。確かに、スキー場跡から沢沿いの林道を下ってくるのは、不安に思っていたので、「往復にします」とうと、「車道を下って来れば良い」と教えてくれた。お礼を言って別れたが、雪下ろしに飽きていたところで、かまわれたようである。
 猿毛岳ハイキングコースの登山口は、加茂川沿いにあるが、集落内から日吉神社を直接めざした。民家の脇で除雪が終わっており、スノーシューを履いた。すぐ先で鳥居をくぐると、神社の境内に出た。
 社殿の奥から、登山道が始まっている。少し前のわかんの跡も、境内で終わっており、一面の雪原が広がっていた。登山道を山勘で辿る必要があった。テープが連続的に付けられているので、助けになった。雪の状態も、ほどほどにしまって、スノーシュー歩きに適していた。
 杉林の中を登っていくと、右手に竹林が広がるようになり、傾斜が増す。255m標高点を越すと、傾斜も緩くなって、歩きにも余裕が出てくる。杉林が終わって、雑木林の尾根歩きになると、粟ヶ岳方面の眺めが広がった。前日登った笠峰も見分けることができた。雪には、兎の足跡が多く付けられていた。動物も吹雪が止んで喜んでいるのか。傾斜が緩んでから山頂までは、少し長く感じられる尾根歩きが続く。
 猿毛岳の山頂は、三角点標柱の木の杭が僅かに頭をのぞかせていた。雪原に腰を下ろして、ひと休みした。西には、新潟平野と角田山から弥彦山の眺めが、東には、粟ヶ岳山塊の山裾が広がっていた。冬鳥越スキー場を見下ろすことができ、ゲレンデに多くのスキーヤーが点在していた。リフトは運行していないはずだが、そり遊びの家族連れには、手頃な遊び場として親しまれているようである。
 風が冷たいため、休みを切り上げて歩き始めた。山頂から少し下ったところに、リフト終点の廃墟がある。昭和三十八年にリフトも備えたスキー場として開場したが、雪が少なく、昭和五十年台に閉鎖になったようである。左へとカーブしながら尾根歩きをしていくと、見晴らしが開ける。ここにはベンチが置かれているのだが、雪に埋もれている。ハイキングコースの標識が雪の上に頭を出していた。ここでコースは来た方向に戻るように、方向を変える。杉の植林地の中で、コースが判りにくいが、テープが一定の間隔で付けられているので、注意しながらそれを辿る。トラバースをしながら、高度を下げていくことになる。最後に杉林を抜けると、スキー場跡の谷間に出る。
 雪が少なければ、沢沿いに続く林道を下ればよいのだが、スキー場連絡車道を歩くことにした。谷を挟んだ反対側にかつてのロッジの土台であるコンクリート造りの廃墟と、木造の廃屋がある。車道はその廃屋の前から始まっている。雪原を少し登る必要もあり、息が切れた。その先は、雪に埋まった車道の歩きになった。昔は、新潟からも直通バスも出ており、スキー客を運ぶ車が行き交ったのだろうが、現在では想像も難しい。
 最後は、集会所脇に出て、周遊コースは終わる。沢沿いの歩きよりは少し時間はかかるが、猿毛岳自体が、それほど時間はかからないので、スノーシュー歩きを長く楽しむためにも、スキー場連絡道歩きで下山するのも良いであろう。日吉神社からの往復よりも周遊コースの方が面白いが、下山は杉林の中のトラバースがあって、コースを見失いやすいので、夏道を歩いて、コースの下見をしておくことを勧める。

山行目次に戻る
表紙に戻る