蒲萄山

蒲萄山


【日時】 2006年1月2日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り後雪

【山域】 蒲萄山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
蒲萄山・ぶどうやま・795.4m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/勝木/蒲萄
【コース】 蒲萄スキー場より
【ガイド】 なし
【温泉】 あさひまほろば温泉 410円

【時間記録】 6:30 新潟=(R.7、蓮野IC、R.113、荒井浜、R.345、神林、R.7 経由)=8:25 蒲萄スキー場駐車場〜8:45 発―9:20 第一リフト終点―10:07 第二リフト終点―10:54 蒲萄山〜11:06 発―11:19 第二リフト終点―11:41 第一リフト終点―12:05 蒲萄スキー場駐車場=(往路を戻る)=14:40 新潟

 新潟県北部の山形県境近くに、日本海に沿って南北に連なる蒲萄山塊がある。蒲萄山塊の最高峰は、一等三角点の置かれている新保岳(852.2m)であるが、山地名や地形図名は、集落の名前から蒲萄が取られている。蒲萄山の山頂には中継施設があり、周辺の山から良く見分けることができる。山麓にはスキー場が開かれており、ゲレンデ終点から山頂までは距離も短く、手軽に雪山を楽しむことができる。
 年も改まり、山も新たなスタートとなる。年の初めから中退となっても縁起が悪いので、確実に登れそうな山を考えた。正月のテレビを見ながら、スノーシュー歩きに向いている山を地図を眺めながら考えていたが、北の方から見ていったため、蒲萄山の名前が目にとまった。
 蒲萄山には、1998年3月28日に登ったが、この時は、スキー場はすでに閉鎖になっており、ゲレンデ上部まではつぼ足で歩き、そこから山頂まではわかんでの歩きになった。ゲレンデ上部から山頂まではなだらかな尾根が続き、特に難しい所もなく、スノーシュー歩き向きと思える。
 村上を過ぎて、蒲萄山塊の麓を走るようになると、車道脇にも除雪の壁が続くようになった。例年に比べても雪は多かった。蒲萄スキー場下の郵便局脇の駐車場は狭い。到着してみると、スキーヤーが車を寄せた状態で駐車していた。ゲレンデ脇の駐車場はスキーヤーにゆずって、新潟よりに設けられている大駐車場に移動した。こちらには、車は一台も停まっていなかった。のんびりと朝食をとって、出発の準備をした。
 駐車場から除雪された道を歩いていくと、ゲレンデ下に出た。スノーシューを履く準備をしていると、出勤してきたスキー場の従業員から、声をかけられた。スノーシューが珍しいようで、説明を少しした。再び履く準備をしていると、今度はパトロールが目の前に立った。ゲレンデ外への登山を咎められるのかと思ったら、これもスノーシューが珍しくて、声を掛けてきたようである。パトロールの詰め所にでも顔を出して、ひと言ことわる必要があるかと思っていたところなので、丁度良かった。蒲萄山まで登ると告げて、登山届けのようなものが必要かと聞くと、縦走のようなものなら別だが、蒲萄山までの日帰り往復なら、必要はないとのことであった。
 リフトは動いていたのだが、登山に来ているということで、歩いて登ることにした。圧雪されたゲレンデの歩きは、足が取られるようなことはないものの、えらく息が切れた。年末から正月にかけての食べ過ぎで、体が重くなっている。ゲレンデの登りは、見通しが利きすぎるために、距離感が失われて、ペースが早く成りすぎるようである。
 息を整えるために足を止めて振り返ると、蒲萄の集落を眼下に見下ろし、その向こうには、山に囲まれた池ノ平をうかがうことができた。朝日連峰も見えるはずだが、霞んでいた。天気予報では、曇り後雨というものであったが、天気は悪くなろうとしているようであった。
 ゲレンデのスキーヤーは少なく、ゲレンデをのんびりと歩くことはできたが、リフトからは、物好きなという目で見下ろされていた。第一リフトの終点まで登ったところで、リフトに乗らなかったことを後悔していた。第二リフトが遠くの高みに続いていた。ひと息いれて、登り続けた。草臥れてくるにつれ、ゲレンデで流される音楽が、耳につくようになってきた。今時のスキーヤーは、中高年がかなり多く、流している若者の向きの音楽はサービスになっていない気もする。まあ、演歌でないだけ良いと考えよう。クラシックを流すゲレンデはないものだろうか。ウィンナーワルツならうまく滑れると思うのだが。
 ゲレンデ上部までは、1時間20分程の歩きで到着した。これは先回のつぼ足歩きと変わらない時間であった。スノーシューを履いていたにしては、まずまずの歩きである。
 ここから登山も本番となる。雪が降り出して展望は閉ざされてしまった。ゲレンデ終点の左上の小ピークへまず上がる。雪は、少し潜るものの、歩きやすい状態であった。小ピークから僅かに下ると、尾根の登りが続くようになる。木立の中に白いベルトが続いており、スノーシュー歩きの良いコースになっている。雪の無い時の状態を知らないのだが、ゲレンデ上部から幅広の管理道が通じているのではないだろうか。
 歩く速度は落ちたものの、ゲレンデ登りのように息が切れることもなくなった。次第に風も強くなり、本降りの雪になった。山頂に突き当たった所で、尾根の延長線は傾斜がきつくなった。左手に落ちてきている尾根に、雪庇の切れ間から登り、右に方向を変えると、ひと登りで蒲萄山の山頂に到着した。中継施設の建物は、すぐ先の窪地の中にあったが、アンテナは頭上高くに聳えていた。木立にもエビの尻尾ができていた。
 風を避けて、少し下った所の窪地に腰を下ろした。スキー場の音楽も届かず、風の音が聞こえるだけであった。
 尾根の下りは、大股で一気に下ることができた、短時間でスキー場まで戻ることができたが、その先のゲレンデの下りで、思わぬ苦労をした。雪が堅いため、スノーシューの踵部はもぐらない。そのため前傾するので、体を後ろに倒し気味にする必要があるのだが、プラブーツの後縁は、曲がってくれない。足は前傾で体は後傾という不自然な体勢となり、足が痛くなった。ゲレンデ脇の雪の柔らかい所を選んで歩いた。
 第一リフト終点からは、登ってきたコースではなく、傾斜の緩いグレープロードに進んだ。夏は車道のようであった。歩いている途中で、蒲萄山なのでグレープなのだと気がついた。字は葡萄ではないのだが、深くは考えないことにしよう。
 ゲレンデ下部で、分岐を右に進むと、駐車場脇に下り立った。雨が激しく降り出しており、温泉へと急ぐことになった。
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