虚空蔵山

虚空蔵山


【日時】 2005年12月23日(金) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 五頭山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 虚空蔵山 こくぞうやま・361.5m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/新発田/天王
【コース】 虚空蔵山登山口より
【ガイド】 なし
【温泉】 出湯温泉華報寺公衆浴場 150円、備品無し

【時間記録】 8:30 新潟発=(R.49、水原、出湯、R.290 経由)=10:00 ケイマンゴルフ場入口〜10:15 発―10:26 虚空蔵山登山口〜10:30 発―10:44 鳥居―12:11 虚空蔵山〜12:26 発―12:55 鳥居―13:07 虚空蔵山登山口―13:20 ケイマンゴルフ場入口=(往路を戻る)=15:10 新潟

 虚空蔵山は、信仰の山として、多くみられる名前である。五頭山塊北部の金鉢山の西部に主稜線から外れてそびえる361.5mピークは虚空蔵山と呼ばれている。この山頂には、二段に重なった大岩があり、その名前に由来したと思われる二石神社が、山頂と麓に設けられていたが、現在は廃虚になっている。地図に記載されている道は、昔からの登拝道のようで、藪がかぶり気味であるが現在でも辿ることができるが、訪れる登山者はほとんどいない。

 先週に引き続いて、12月としては異例な寒波が襲来し、西日本ではまとまった積雪になった。新潟では、風こそ強いものの、雪の量はたいしたことはないとたかをくっていたが、12月22日は、朝から停電になり、まる一日復旧せず、学校や病院、店が、昼までには臨時閉鎖になるという緊急事態になった。家に帰ると、付近一帯は停電から回復しておらず、暗い中で冷たい食事の覚悟をしたところ、丁度電気が復旧してくれた。
 この騒ぎで、予定していた仲間との山行は中止になった。翌23日の山として、降雪直後でも登れそうな山ということで、虚空蔵山を選んだ。虚空蔵山は、1998年1月3日に登ったが、この時は、雪はなく、半藪漕ぎで登った。緩やかな尾根が続き、スノーシュー歩きのためにも良さそうなコースに思えた。
 23日には、天気は回復した。路面に凍結が見られたため、家で朝食をとってからゆっくりと出発した。途中のコンビニで食料の買い出しをすると、棚はほとんどからになっており、届いた食料を並べているところであった。いつものようには、パンが入荷していなかった。
 水原を過ぎて出湯温泉が近づくと、急に雪が深くなった。登山口までは、国道沿いのため、車でのアクセスには問題は無かったが、路肩には除雪の壁が続いていた。登山口には、一台ほどの駐車スペースがあるが、雪に埋もれていた。路肩に車を停めておくには、交通量が多かった。出湯方面に戻り、ケイマンゴルフ場へ通じる道路が広かったので、ここから歩き出すことにした。800mほど余計な歩きになったが、雪山では、車の置き場所に苦労する覚悟も必要である。
 地図にも、国道から虚空蔵山に向かって破線が記されているが、歩き始めは林道になっている。国道から一歩足を踏み入れると、足が潜り、さっそくスノーシューを履く必要があった。しばらく杉林の中の林道を歩いていくと、上の横棒が壊れたコンクリートの鳥居が現れる。藤島玄氏の「越後の山旅」の五頭山塊の地図で、二石神社と書かれている神社跡のようである。緩やかな石段を登ると、広場に出る。先回は、屋根が落ちた神社を見たが、今は完全になくなっていた。危険なため、撤去されたようである。
 左手の小さな沢を跨ぎ越して尾根に取り付くと、末端部に小さな石の祠が置かれている。中には、新しい紙の熨斗が飾られていた。雪が降る前に収められたようで、踏み跡は見られなかった。山道は、雪の中でも辿ることができたが、木の枝が倒れかかっており、ストックで雪を落としてからくぐる必要があり、手間がかかった。昨日の停電は、電線への着氷が原因の一つにされているが、さもあらんと思わせる銀世界であった。一本尾根ではあるが、急な所では、登山道がつづら折り状になっている所もあり、登山道を辿るのに注意が必要であった。膝の深さまで雪にもぐったが、その深さで雪が締まるため、登り続けるのは、難しくはなかった。
 途中で展望が開け、新潟平野の眺めが広がった。遠くに、角田山や弥彦山も見えて、雪の合間の登山日和になっていた。標高300m付近からは、赤松林の中の緩やかな登りになった。風当たりが強いためか、木の枝の着氷も無くなり、雪の表面も締まってきて、歩きやすくなった。
 三角点のすぐ手前の窪地で、壁が無くなったお堂が現れた。このお堂は、二石神社の奥の院で、この手前に雪に埋もれた大岩があり、ご神体になっているようである。お堂の背後の高みが山頂である。三角点は雪の下であるが、木立が切れており、山頂広場のような感じがした。周囲の木立は、真っ白なクリスマスツリーとなり、その向こうには五頭山塊が屏風のように広がっていた。風も弱かったので、山頂に腰を下ろして、ひと休みした。
 下りは、雪を蹴散らしながら一気に下った。倒れ込んだ雪をかぶった枝も、下りではさほど気にならない。今シーズンから使い始めたMSRのスノーシューも5回目の山行となり、歩きの感覚も掴むことができた。
 下山後には、ただちに出湯温泉の共同浴場に向かった。枝を払いのける度に、頭から雪をかぶりながら歩いていたので、体も濡れており、温泉に入って温まる必要があった。
 虚空蔵山は、普通の時間に起きて、朝食をとってから家を出ても、登ることのできる雪山である。登山者は、まずいないはずというのも良い。手ごろなスノーシューコースとして、定番の山に加えることができそうである。
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