俎倉山

俎倉山


【日時】 2005年9月3日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 飯豊連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
俎倉山・まないたぐらやま・856.6m・三等三角点・新潟県
【コース】 鳥越林道登山口
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/東赤谷
【ガイド】 分県登山ガイド「新潟県の山」(山と渓谷社)、新・新潟ファミリー登山(新潟日報事業社)

【時間記録】 7:20 新潟=(R.7、新発田、赤谷 経由)=8:30鳥越林道登山口〜8:48 発―10:45 俎倉山―10:54 天狗の庭〜11:30 発―11:38 俎倉山―11:42 発―13:27鳥越林道登山口=(往路を戻る)=15:00 新潟

 俎倉山は、飯豊連峰の蒜場山から西に延びる尾根上の山で、加治川を挟んで焼峰山と向かいあう山である。
 俎倉山に登ったのは、1992年5月5日であったので、ひさしぶりの訪問になった。記憶も薄れていたのと、俎倉山の登山道について確かめることが目的であった。登山道が二万五千分の一地図に書かれていないことは多いが、大体は地形を見ていけば見当はつく。ところが、俎倉山は、登山道がどのように続いているか、推測することは難しかった。
 東赤谷は、最初に俎倉山を訪れた当時は、赤谷線の駅舎も残り、鉱山も稼働し、トロッコ電車も行き交っていた。今はこれらも無くなって、ただの静かな山間になっている。俎倉山登山口は、鳥越林道の入口であるが、ゲートがあって判りやすい。ゲート前の路肩には、車10台ほどのスペースがある。一台の車が置いてあり、先行者がいるようであった。この県道沿いには、焼峰山、蒜場山、それに現在では再開のめどがたっていない湯の平温泉など、登山の対象となる山が多いが、その中で、俎倉山を目指すものはそう多くはないようである。
 ゲートの脇から林道に進むと、すぐに俎倉山への登山道が左に分かれ、ここには登山届けのポストも置かれている。琴沢の左岸沿いの登山道が始まる。しばらく、道の脇には、用水路が沿って走っていた。
 アブに襲われないかと心配していたのだが、車の回りには寄ってきたものの、歩き始めてからは、それほど多くはなかった。その代わりに、ブヨが多く、雲のようにまとわりついてきた。長袖シャツに、防虫ネットで完全防備をしようかと思ったが、登りでは暑くて大変なため、防虫スプレーをたっぷりと体にかけて歩き続けた。沢を離れるまで、といっても俎倉山の登山コースの大部分であるが、虫のブーン、ブーンというささやきを聞きながら歩くことになった。
 左岸から右岸に渡る琴沢の徒渉点は、岩伝いに難なく渡ることができた。対岸は、スラブ状の岩場になっており、鎖を頼りに、U字ボルトを足がかりにひと登りする必要があった。その先も、岩場のへつりが現れて、足場に注意する必要があった。岩の上が苔で滑りやすくなっているのは、歩く者が少ないためであろうか。先回は、登山経験も浅い時期であったが、それほど危ないとも思わなかったのは、初心者の危険知らずであったせいなのか。
 枝沢を越すと尾根の登りとなって、沢から離れた。その先で台地に出て、傾斜は緩んだ。森林浴を楽しめる道であるが、まだ虫が多すぎた。再び沢が寄ってきて、その先で再び台地に出た。気温も高く汗がしたたり落ち、途中で渡る枝沢で水を汲んで飲んだ。
 550m付近がお京平で、ここには遭難碑があったはずだが、気が付かずに通過した。途中に、案内標識のようなものがないため、どこを歩いているかが判りにくい。
 尾根の上に出ると、その先で、足場の悪いへつりが現れ、しばらく沢沿いに登った後、尾根の登りになった。この急登を終えると、俎倉山の山頂に到着した。広場になっており、周囲を取り巻く灌木帯の背が低いため、蒜場山の山頂を望むことができた。先行の単独行とは、かなり手前ですれ違っており、一人だけの山頂であった。
 北峰である天狗の庭まで進んでから休むことにした。俎倉山の山頂からは、一旦下りになるが、標高差は20mほどで大したことはない。前方には、天狗の庭が、するどい山頂をみせている。登り返しも20mほどで、高さも変わらないのだが、周囲が切り落ちているため、実際以上に高く見える。
 天狗の庭への稜線は、鞍部付近で岩場になっており、その基部をトラバースしてから稜線上に上がることになる。ここを通過すれば、山頂へはひと登りである。
 北峰の山頂には、天狗の庭と書かれた木のプレートが地面に置かれている。ガスが流れて、一瞬のうちに視界が閉ざされたが、ビールを飲んで待つうちに、再び展望が開けた。曇り空で、飯豊連峰の主脈方面までは見えなかったが、蒜場山は目の前であり、登山コースを目でおうことができた。先回登った時は、蒜場山に登ることができようとは夢にも思わなかった。蒜場山に登山道が開かれたことからも、13年の時の経過を思わずにはいられない。
 下山には、長袖シャツに、帽子、防虫ネットを身につけてから歩き出した。虫の心配はないものの、暑くて、これはこれで大変だった。もう少し涼しくなってからやって来るべきであったが、その頃にはまた別な山に登りたいと思うであろうから、ひさしぶりに登ったということで満足することにしよう。
 下山途中で、夫婦連れにすれ違い、この日の登山者は、3組4名であった。現在のこの周辺の山の人気度は、二王子岳、蒜場山の順で、俎倉山は、かなり引き離されているように思う。

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