津久の岐山

津久の岐山


【日時】 2005年4月17日(日) 
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 津久の岐山・つくのまたやま・810.0m・二等三角点・新潟県
【コース】 栃ノ木トンネル入口より
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/須原/大湯
【ガイド】 なし
【温泉】 ゆーパーク薬師 湯之谷薬師温泉センター 600円

【時間記録】 6:30 新潟=(関越自動車道、小出IC、R.352、奥只見シルバーライン 経由)=7:25 11号トンネル(栃ノ木トンネル)入口〜7:44 発―8:36 尾根上―9:02津久の岐山―9:22 引き返し点―9:47津久の岐山〜10:09 発―10:37 尾根分岐―11:11 11号トンネル(栃ノ木トンネル)入口=(往路を戻る)=14:00 新潟

 津久の岐山は、奥只見シルバーライン入り口近くの津久岐トンネル上の山である。無雪期は、藪に囲まれた山頂であるが、積雪期には権現堂山塊、守門岳、毛猛山塊、越後駒ヶ岳のすばらしい展望台になっている。
 津久の岐山には、1999年9月4日と2003年3月21日の二回登っている。今回の目的は、津久の岐山の奧にある鼓ヶ倉山であったのだが、結局、津久の岐山までとなってしまった。
 大佐飛山へのテント泊山行の疲れから回復しておらず、また仕事も忙しかったので、弥彦山あたりへのんびり花を見にいこうかと思っていた。土曜日に東京へ出張にいったところ、浦佐付近の車窓からの眺めでは、田圃にまだ厚い雪が積もっているのを見て、やはり雪山に行こうという気になった。豊富な残雪を利用して、津久の岐山から鼓ヶ倉山へ歩きに出かけた。
 津久の岐山は、一般的には、大湯温泉のスキー場からの尾根を使うようだが、シルバーラインの11号トンネル(栃ノ木トンネル)入口から、短い距離で登ることができるのは、前二回の山行で判っている。今回も同じコースで登ることにした。
 11号トンネル(栃ノ木トンネル)入口手前の左手に、駐車スペースがある。到着してみると、軽トラック二台がすでに停まっていた。トンネルに入ってすぐの所にある出口が使えるか確かめてみたが、木枠がはめ込まれて閉ざされていた。雪のある間は、この出口は使えないようである。
 わかんに、ピッケル、アイゼンの装備を持って歩き出した。トンネル右手の雪の斜面をトラバースし、尾根を水平に巻いて杉の木立を抜けると、目の前にトンネル出口の広場が広がっている。広場との間には、沢が、雪で覆われて3m程の高さの溝状になっているが、傾斜の緩い所を選んで下りることができた。溝の向こう側は、登るのは難しくはなかった。
 広場の東側から始まる尾根が、登りのコースである。雪は滑落の心配も無さそうな位に柔らかかったが、急斜面の途中で立ち往生するのもいやなので、アイゼンを付けることにした。これからの残雪の山で、アイゼンを付ける機会もあると思うので、その足慣らしという意味もある。
 ピッケルとアイゼンの助けを借りて、雪の急斜面を登り始めた。尾根の途中には、杉の木も並んでおり、ひと息つける場所もあった。雪が割れて尾根沿いには歩けず、右手の雪原を伝うような所もあった。左手の沢を挟んで、津久の岐山の山頂を良く眺めることができた。急斜面もひと段落すると、気持ちの良い雪稜の登りが続いた。
 大湯温泉スキー場からの尾根の合流点は広場になっており、ひと休みするには良いところである。越後駒ヶ岳の山頂が目の前に大きく広がっていた。この先は、ブナ林の中の登りが続く。
 津久の岐山の山頂は、雪原となり、大展望が広がっているが、鼓ヶ倉山へと先を急いだ。トレースが、北西尾根から続いているのが目にとまった。僅かに下ると、幅広の尾根の歩きになった。前方から4名のグループが歩いてくるのに出会い、見ると鉄砲をかついでいた。
 津久の岐山まで登れたことから、目の前にある鼓ヶ倉山の登頂は確実と思ったのだが、600mほど進んだ所で、雪が大きく割れていた。右手の斜面は雪崩落ちて、潅木が露出していた。左手の斜面をトラバースするしかないが、結構急斜面である。この先も同じような状態が続くのか、ここだけなのかは判らなかった。雪もほどほどに柔らかく、ステップも切りやすかったが、安全第一ということで、先に進むのを断念することにした。
 雪融けが遅れているので有利かと思ったが、雪が少なくなって、ヤブコギ半分といった状態の方が良かったようである。最初に登った1999年の時には、鼓ヶ倉山に向かっては、境界見出標の杭が打たれ、刈り払いがされているのを見ている。
 津久の岐山に戻ると、鉄砲撃ち達は、東の谷を見ながらなにやら打ち合わせをしており、そのうち、一人を残して三人は東の尾根に進んでいった。
 津久の岐山からの眺めを楽しむことにした。権現堂山塊、守門岳、毛猛山塊、荒沢岳、越後駒ヶ岳と、周囲には大展望が広がっている。知られざる展望の山というリストが作られるなら、この山をまず挙げたい。この展望を楽しめたので、鼓ヶ倉山に登れなかったことも、簡単にあきらめがついた。
 下山は、先回と同じように、北西尾根に進み、トンネル入口に下山することにした。鉄砲撃ち達は、766mピークから落ち込む尾根を登ってきたようであった。766mピークの先の小ピークから南西に向かう尾根に進んだ。痩せ尾根の雪は所々割れており、尻をついて段差を滑り下りるようなところもあった。カモシカのすみかになっているのか、糞が各所に落ちていた。
 尾根の末端近くでは、尾根をはずして雑木林の中を下ると、道路のすぐ上に出る。道路脇は崖状になって下れないので、左にトラバースして尾根を乗り越すと、駐車場背後の雪捨て場の上に出て、難無く駐車場に下り立つことができる。
 トンネル入口から津久の岐山へは距離が短いので、この周遊コースを辿るのが楽しめるであろう。歩行時間は短いが、展望を楽しむことができ、残雪期のピッケル・アイゼン歩行の練習にも良いコースである。

山行目次に戻る

表紙に戻る