白髭山

白髭山


【日時】 2005年3月27日(日) 日帰り
【メンバー】 8名グループ
【天候】 曇り

【山域】 飯豊連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 諏訪峠・すわとうげ・446m・なし・新潟県
 白髭山・しらひげやま・657.4m・二等三角点・新潟県
【コース】 柳新田より諏訪峠経由
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/津川
【ガイド】 新潟の低山藪山(白山書房)
【温泉】 津川高原保養センター 500円

【時間記録】 6:10 新潟発=(磐越自動車道、津川IC、R.49 経由)=7:10 柳新田〜7:32 発―8:48 諏訪峠〜9:00 発―9:50 白髭山〜11:10 発―11:50 諏訪峠―12:28柳新田=(往路を戻る)=15:00 新潟

 白髭山は、飯豊連峰の大日岳付近から南西に向かって延びてきた尾根が、棒掛山や土倉山を経て、最後に阿賀野川に落ち込む所に位置する山である。白髭山は、津川の町近くの阿賀野川右岸に独立峰的に頭を持ち上げているため、飯豊連峰、二王子山塊、五頭山塊、菅名山塊、川内山塊、御神楽岳、会越国境部の山々の絶好の展望台になっている。
 白髭山は、1997年3月29日と2002年1月26日に続いて三度目である。諏訪峠までの林道歩きがあるため、雪のしまった時期が良く、春の日差しを浴びながら山頂の雪原に腰を下ろし、展望を楽しむためには、お彼岸の頃を狙うのが良い。
 春山を楽しむため、8名の仲間で白髭山に登ることになった。津川高原保養センターの駐車場に8時集合と連絡したのだが、1時間近く前に到着してみると、皆集合していたので、ただちに登山口の柳新田へ移動した。柳新田へは、温泉へと登ってきた道をそのまま進むのだが、温泉までは来たことはあるが、その先に進んだことはないという者ばかりである。諏訪峠への旧会津街道は、中部北陸遊歩道の一部でもあるが、ハイキングコースとしてはあまり知られていないようである。今年は春の訪れが遅れているが、車道脇にも豊富な雪が見られた。
 柳新田は、現在でも数戸の居住者がいるようであるが、諏訪峠入口角の民家は、玄関先が除雪されておらず、空き屋になっているようであった。分岐脇の路肩に車を寄せて停めた。以前に見かけた通信施設の保守のあtめの雪上車は、今回はなかった。
 前日の吹雪のために新雪も積もったため、スノーシューで歩くことにした。今シーズンは、雪山を登り続けているが、まだ一度もわかんは使っていない。雪も締まってきてスノーシューのシーズンも終わりに近いが、限界までスノーシューを使ってみるのも良いであろう。
 はじめはつぼ足で歩きだしてみたが、足下に注意していても落ち込むため、スノーシューを履いた。他のメンバーもわかんを履いて、冬山装備の一行になってしまった。林道に沢水が流れ込んで、雪がスノーブリッジ状に細くなっているところもあり、雪解けの進んだ道路に落ちないように道路脇の雪の上を恐る恐る歩く所もあった。
 沢を越して右手に曲がっていくと、左に林道が分かれ、これが諏訪峠への道である。雪に覆われて判りにくいが、送電線が続いているので、これが指標になる。緩やかな登りを続けていくと、カーブ地点に一里塚が現れる。これは、旧会津街道の一里塚であるが、雪に覆われて、艶めかしい半円球の姿を見せていた。
 諏訪峠脇にある中継基地やその脇に続く稜線が青空をバックにして見えたが、まだ遠くにあった。諏訪峠までの雪道は、雪の状態によって、難易度は大きく異なる。場合によっては、諏訪峠まで達した所で体力切れという話も聞いたことがあるが、この日は、歩きやすい方であった。スノーシューで先頭に立っていると、20センチ程は沈むものの、トップ交代は必要なく歩き続けられる状態であった。
 ひと汗かいたところで諏訪峠手前の中継基地入口に到着した。荷物を置いて、すぐ先の諏訪峠に寄っていくことにした。諏訪峠のあずまやは半ばが雪に埋もれていた。峠に出ると、裏五頭の眺めが広がった。頭上を送電線が通過しているのが少し興ざめではあるが、歴史はあるものの忘れられた静かな峠である。
 分岐から中継基地を目指すと、その手前で、津川の町から会越国境方面の眺めが広がった。ここからは、御神楽岳の眺めが素晴らしいが、春のせいか少しもやっていた。一同カメラを取り出しての撮影タイムになった。
 中継基地の後ろから尾根に取り付くが、短いが急斜面になる。日陰で風が通るためか、クラストしており、スノーシューのエッジを利かせながら登る必要があった。その先は、左が崖状になっており、津川方面の展望を楽しみながらの歩きになった。少し先の小ピークで稜線は右に方向を変えるので、杉の植林地の中をショートカットすると、白髭山のピラミッド型の山頂が姿を現した。この先しばらくは杉林の中で視界が閉ざされるため、山頂の方向を見定めておく必要がある。
 杉林を通り過ぎると鞍部に出て、白髭山への登りが始まる。木が点在する雪原の登りが山頂まで続く。雪が堅くなっていればアイゼンが欲しくなる急斜面であるが、この日は、スノーシューでも問題のない、程々に柔らかい雪質であった。最後のひと頑張りと、体力を振り絞った。
 白髭山の山頂は、なだらかな雪原になっている。最高点を踏んで登頂とした。白髭山は、標高こそ弥彦山とたいして変わらないが、周囲を山に囲まれており、飽きることのない展望が広がっている。裏五頭、二王子岳、蒜場山、棒掛山、兎ヶ倉山、笠倉山、御神楽岳、鍋倉山、日本平山、登った山の名前が次から次へと浮かんできた。
 雪原に腰を下ろして宴会の開始になった。今年は吹雪混じりの寒い日が多かったため、このように雪の上に腰を下ろしてのんびりできたのは、初めてである。やはり春は近づいているようである。
 我々独占の山頂かと思ってのんびりしていると、11名程のグループが登ってきた。トレース付けのお礼を言われたが、見るとつぼ足のものもいた。下山時に見ると、各所で雪にはまって苦労しながら登ってきたようである。
 満腹状態になったため、下山を開始した。ダウンヒル開始とばかりに、急斜面に飛び込んだ。スノーシューのヒールが気持ちよく雪に食い込んで、転がる雪玉と競走するかのような下りになった。その先の登り返しは、足が重くて、少々苦労した。諏訪峠からの林道歩きは、カーブ地点はショートカットしながら下った。最後は草臥れたものの、短い時間で柳新田に到着した。

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