大石山

大石山


【日時】 2005年3月26日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 雪

【山域】 飯豊連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 大石山・おおいしやま・634.6m・三等三角点・新潟県
【コース】 麦生野より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/大日岳/日出谷
【ガイド】 新潟の低山藪山(白山書房)

【時間記録】 6:30 新潟=(磐越自動車道、津川IC、R.49、R.459、豊実 経由)=8:10 麦生野〜8:16 発―8:38 尾根取り付き―10:57 大石山〜11:07 発―12:38 尾根取り付き―12:58麦生野=(豊実、R.459、R.49 経由)=15:30 新潟

 大石山は、新潟福島の県境近くの豊実の北に位置する山である。阿賀野川右岸にあり、飯豊連峰の三国岳から鏡山、高陽山、万治峠、高井峠と南西に延びる尾根の末端の山である。
 2001年3月24日に高井峠に登って、大日岳の展望を存分に楽しんだ。その南にある大石山が気になったが、そのままになっていた。登山道の無い山なので、雪のある時期が良いが、いずれの取り付きからも少し距離があるため、雪の締まった時期を選ぶ必要がある。今年は大雪のため、山には雪がたっぷりあるはずであった。それどころか、寒波の襲来で、3月も末というのに雪が降るという状態である。
 大石山に登るには、南東にある荒沢の集落付近から登るのが近いが、民家が並んだ裏手に回り込む必要があり、不審がられる可能性がある。南の麦生野からなら、林道をしばらく辿った後に尾根に取り付くので、そういった心配はない。少し距離は長いが、麦生野から登ることにした。
 津川からR.49で一旦福島県に入り、阿賀野川沿いのR.459を戻った。麦生野は思ったよりも大きな集落で、豊実からも立派な道路が続いていた。集落内には新しい道路ができて地図とは様子が違っていたが、北のはずれに取り付きの林道麦生野線の起点があった。林道は除雪はされていなかったので、集落から歩き出すことになった。
 スノーシューを履いて歩き出した。林道には20センチ程の新雪が積もっており、時ならぬラッセルになった。高井峠に登ったのは、ほぼ同じ時期であるが、この時は車道から尾根の下部にかけて雪は無かった。今年は異常気象といっても良い。
畑の中を通っていくと、杉の植林地が広がるようになった。二つ目の尾根に取り付くことにした。尾根の取り付き部に到着してみると、道路脇が崖上に削られていたため、谷間から入って、尾根上を目指した。急登僅かで尾根に上がると、杉の植林地が広がっていた。下山時に尾根を直進すると、突端部で林道に段差もなく移行した。登りの際の取り付きは少し早まったようである。
 尾根が南東に向きを変えるようになると、伐採地の上部に出て展望が広がった。豊実発電所によって堰き止められて広がった阿賀野川の向こうに、兎ヶ倉山が円錐形の山頂を見せていた。
 傾斜が増すのと同時に、尾根上の雪が割れている所も出てきて、木の枝を手がかり足がかりにして登る場面も現れた。今年初めてのマンサクの花も現れたが、よろこんだのもつかのま、マンサクの枝が通せんぼをしてくれた。
 南東からの尾根を合わせると、緩やかな雪稜が続くようになった。これで天気が良ければ気持ち良く歩けるところであるが、吹雪が激しくなった。稜線の左手は笹が露出してクラスト気味であったが、中央から右手は、吹きだまり状に新雪が積もっていた。
 緩やかで現在位置が判り難い稜線であるが、580mピークを越した先が大石山になる。山頂直下の登りは、雪がクラストしていて、スノーシューの足元が定まらずに苦労した。スノーシュー用のアイゼンとピッケルは持ってきていたのだが、滑落の心配は無く、後僅かということでそのまま頑張ってしまった。
 大石山の山頂は木立に囲まれて特徴のない所であった。時折激しく降る雪のために、展望は閉ざされていた。帰宅後カシミールで展望を確認すると、大日岳の眺めが広がっているようであった。
 腰を下ろしたものの、寒いのですぐに下山にうつった。下りは、つぼ足で歩いた。クラスト部は、プラブーツの踵を落とせば、問題なく下れた。時折足がすっぽりと潜った。稜線から枝尾根に下って伐採地上部まで戻ると、雪も柔らかくなってつぼ足で歩くのも困難になり、再びスノーシューを履いた。
 下山後に車を走らせていると、前が見にくくなる程の激しい吹雪になった。登りの途中であったなら、登山を断念することになったであろう。悪天候の中でもコース取りには不安無く歩けたのは、やはりGPSのおかげといって良いであろう。

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