笠峰

笠峰


【日時】 2005年1月23日(日) 日帰り
【メンバー】 O、H、H
【天候】 曇り

【山域】 白山・粟ヶ岳山塊

【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 笠峰・かさみね・483.8m・三等三角点・新潟県

【コース】 松平橋より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/越後白山
【ガイド】 なし
【温泉】 七谷コミュニティーセンター 100円 備品無し(沸かし湯)

【時間記録】 6:30 新潟=(R.49、亀田、R.403、加茂 経由)=8:10 上高柳の林道入口〜8:23 発―9:36 送電線鉄塔―10:44 笠峰〜11:43 発―12:11 送電線鉄塔―12:44上高柳の林道入口=(往路を戻る)=15:00 新潟

 新潟平野の縁に沿ってひろがる白山・粟ヶ岳山塊は、白山から宝蔵山、さらに鞍部の橋立を経て、権ノ神岳から粟ヶ岳に続いている。橋立への麓からの登山道としては、上高柳と小乙からの道が利用されているが、橋立から西に延びる稜線が二つの集落を隔てている。この稜線上にある三角点ピークが笠峰である。

 HさんがGPSを買ったものの使い方が判らないというので、教える約束をした。まずはメールでコンピューターとのやりとりの基本的な所を説明しておき、実際に山で使ってもらうための山行を計画した。説明に時間を取りながらでも登れる山で、登山道は無いため、GPSを実際に活用しなけらばならない山を考えた。そこで思いついたのが笠峰であった。
 笠峰には、これまで2000年11月26日、2003年4月19日、2003年6月8日の三度にわたって登っている。笠峰には登山道があるものの、山腹をトラバースした後に尾根に取り付くため、雪山では使えないコースである。最初に登った時には、途中で巡視路に迷い込み、尾根上に立つ鉄塔近くに上がってしまい、その後は、ヤブコギをして笠峰に向かった。最近出た新しい地図を見ると、この鉄塔まで林道の実線が書かれていることに気が付いた。この林道を使えば、緩やかな登りで山頂まで歩けるはずであった。スノーシュー向けのコースとして頭に入れておいたものの、そのままになっていた。
 笠峰は、展望ピークであるため、興味のある人を誘ってもらい、三人で出かけることになった。スノーシューは予備のものを持っているため、使ってもらい、全員スノーシュー歩きとして足を揃えた。
 七谷コミュニティーセンターの駐車場に集合し、まずはカシミールとGPSの使い方を説明し、その後、上高柳の登山口に向かった。林道の入口は、以前偵察しておいたので、迷うこともなかった。付近に空き地はなかったので、路肩に車を寄せての駐車になった。
 橋を渡った先の、人家の軒先の道路が凍結しており、あやうく転倒するところであった。林道入口からスノーシューを履くことになった。雪は膝下まで潜り、やや重いものの、ゆっくりペースなら、交代無しでも歩き続けられそうであった。薄曇りの空で、スノーシュー歩きとしては、上々の条件であった。
 杉林の中をつづら折りを交えながら緩やかに登っていく林道が続いた。雪に覆われた林道は、谷に向かって落ち込むような所が現れることもあって油断がならないのだが、この林道は危険な所は無く、冬ルートとして良い道であった。GPSの説明をしながらで、ゆっくりペースの歩きになった。設定の説明のために自分のGPSをいじっているうちに、自分自身のGPSの設定が狂ってしまって、頭をひねるはめになった。
 264mピークを巻くと、その先で尾根の上に出た。この先は、林道の幅は細くなったような感じであった。
 1時間少しで鉄塔の下に到着した。汗を拭きながら見回すと、角田山から弥彦山への連なりと、佐渡の山の眺めが広がっていた。袴腰山のピラミッド型の山頂も近くに望むことができた。
 鉄塔の先の333mピーク付近まで巡視路は延びている。鉄塔案内の黄色の表示板も雪の上に頭を出していた。ただ、笠峰登山口から延びてくる巡視路は、雪のために見分けられなかった。333mピークから南西に延びる尾根上にも鉄塔があり、おそらく小乙川沿いから巡視路が上がってきているはずだが、急な登りになって冬道としては使えそうもない。
 333mピークから僅かに下ると、このコース中では一番急な登りが始まる。藪も雪に埋もれてそれ程気にならなくなっていたが、灌木を避けるために細かいジグザグを切りながら登り続けた。標高差60m程で尾根に上がって、後は緩やかな登りになった。
 北からの尾根の合流点に到着すると、トレースが上がってきていた。この山行を計画した時、Oさんに誘いのメールを入れると、土曜日から1泊2日で、笹峰経由で権ノ神岳を目指す山行が入っていると返事が返ってきた。他の登山者がいるとは思えない山なので、このトレースがOさん一行のもののようであった。
 この先もしばらく緩やかな登りが続いたが、トレースもあることから、のんびりと歩くことができた。短いが急な坂を登ると、その先が笹峰の山頂であった。
 薄曇りながら展望は開けており、目の前に前宝蔵山から権ノ神岳、粟ヶ岳の連なりが大きく広がっていた。宝蔵山の山頂は、僅かに頭をのぞかせているだけのようであった。振り返れば、加茂の丘陵地帯から角田・弥彦山塊を眺めることができた。標高500m弱の山頂であるが、360度の展望は楽しめる。ここまでは2時間30分の登りであったので、スノーシュー歩きとしては丁度良いコースである。今後の冬山の定番コースになりそうである。
 陽気も穏やかで、雪の上に腰を下ろして休みのも楽しかった。汗をかいた後のビールも美味かった。
 ひと休みの後で、三角点ピークの先の東ピークまで進んだ。このピークからは、橋立方面に延びる稜線を一望できる。下り口に到着すると、さえぎるもののない前宝蔵山から権ノ神岳、粟ヶ岳への眺めが広がったが、稜線を下ってから登り返した490mピークに黄色いテントが張ってあるのが目に入った。Oさん一行は、昨日は意外に足が伸びなかったようである。今日は早朝から空身で権ノ神岳を目指しているはずであるが、首尾はいかがなものであろうか。おーいと大声を出してみたものの、返事は無かった。
 山頂に戻って、最後に展望を楽しんでから下りにかかった。下りは早く、地形的には尾根の分岐に注意する必要もあるのだが、トレースがあるため迷う心配もなかった。鉄塔まではあっという間であり、後の林道歩きもほどほどの傾斜で楽であった。
 車に戻り、七谷コミュニティーセンターの駐車場でGPSのデーターの転送を実演して実習も終わりにした。後は、山行を重ねて慣れてもらうしかないか。

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