白山

白山


【日時】 2003年1月3日(月) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 白山粟ヶ岳山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
白山・はくさん・1012.4m・二等三角点・新潟県
【コース】 尾根コース
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/越後白山
【ガイド】 アルペンガイド「上信越の山」(山と渓谷社)、分県登山ガイド「新潟の山」(山と渓谷社)、新新潟ファミリー登山(新潟日報事業社)

【時間記録】 6:20 新潟=(R.49、茅野山、R.403、新津、村松、阿弥陀瀬 経由)=7:25慈光寺駐車場〜7:38 発―7:50 慈光寺―7:59 一合目―8:32 三合目〜8:37発―10:12 白山〜10:45 発―11:45 三合目―12:08 一合目―12:17慈光寺―12:28慈光寺駐車場=(往路を戻る)=14:30 新潟

 新潟平野の東端に位置し、背後に川内山塊を擁する白山は、古くからの信仰の山として、現在では、登山の山として親しまれている。新潟周辺の山としては、冬季も入山者が多いが、これは登山口近くの駐車場まで除雪がされていること、山頂まで一本の尾根が続いてコースが判りやすく難所も無いこと、さらに山頂に立派な山小屋が立てられており、休憩に使えることによる。
 三日の天気予報には、晴マークが付いた。高気圧にすっぽり覆われて、新潟でも晴天が期待できそうであった。昨日の鳥坂山の様子では、山の雪が積もったばかりで、藪が押さえつけられておらず、登山道を外れると、踏み抜きが多くなって苦戦することが判った。鳥坂山での疲れも残っているので、登山道のある山を登って、山頂からの眺めを楽しもうという気になった。トレースが期待できる山としては、五頭山、大蔵岳に白山が考えられた。昨年の1月には、快晴の五頭山に登ったので、しばらく登っていない白山に出かけることにした。
 村松を過ぎると、白山の山頂が青空をバックにした姿を現した。道路は、夜中の冷え込みで凍結しているところもあって、車をゆっくり走らせる必要があった。
 慈光寺入口の駐車場に車を停めた。門前まで車を乗り入れることができるが、轍が深く切られた雪道に車を乗り入れることには躊躇させられた。
 歩く準備をしていると、インターネットの知り合いに出会った。昨年も晴天の日に五頭山で出会っており、山選びの思考過程が同じになったようである。トレースがあって、必要はないかと思ったが、革製登山靴にわかんの装備で登ることにした。
 慈光寺までの杉並木の道は、準備運動と思えば良い。寺の先からは、登山道の開始になるが、膝上の深さのトレースが続いていた。雪山には違いないのだが、堅く締まった雪道で、ラッセルの苦労はしないですむ。
 沢沿いの道をしばらく辿り、左岸に移った先で一合目となると、ここから尾根上に向かっての急登が始まる。標高差250mで、いつもここの登りは苦しく思う。三合目の杉林でひと休みした後、再び登りにとりかかった。残りの標高差は600m程で、合目標識を数えながら、じっくりと腰をすえて登り続けるしかない。登るにつれて、菅名山塊の右に飯豊連峰が見え始め、山頂での眺めの期待が膨らんだ。
 九合目で、傾斜は緩み、山頂も目の前になる。白山は2月に二度登っているが、山頂付近には一面の雪原が広がっていた。今回も雪原とその向こうに見える粟ヶ岳の眺めを期待していたのだが、藪が出ていて、少々がっかりした。結局、夏道どおりに付けられたトレースを辿って避難小屋の前に出た。眺めを楽しみに、少し先の山頂に進んだ。白山山頂の広場は、兎の足跡が右往左往する一面の雪原になっていたが、山頂標識は頭を出しており、雪が少ないなという感じであった。
 菅名山塊と五頭山塊が目の前に広がり、その右手には、飯豊連峰の全山の眺めが広がっていた。青空に飯豊連峰の雪の白さが際だっていた。粟ヶ岳方面の眺めは、灌木の枝が少々うるさかったのが残念であった。腰を下ろして、お待ちかねのビールとなった。
 スノーシューを履いた単独行が田村線から戻ってきて、とても下れる状態でないと、聞かれもしないのに話しかけてきた。トレースがなくても、スノーシューなら歩けるはずなのだが。わかんでは、体力的にきついので、田村線を下るのは諦めた。
 下山の際には、大勢の登山者とすれ違い、道をゆずるのに、しばしば足を止めることになった。すれ違いのためにトレースから一歩足を踏み出すと、雪の中にはまりこんだ。トレースが無ければ、ハードなラッセルを要する山ではあるのだが、皆が登ることで、難易度が下がっている。下りの風景を楽しみながら下山した。
 三合目からの下りは、雪が堅く踏みしめられて滑りやすく、登山靴では、足元に注意する必要があった。スパイク長靴が多いため、ステップが切られておらず、傾斜したまま斜面が固められているのが、余計に滑りやすくなっている原因であった。新潟の雪山では、皆に合わせて、トレースが期待できる時は、スパイク長靴が一番のようである。
 下山してみると、慈光寺の門前は車で一杯になっていた。この日は、晴天に誘われて、新潟周辺の山には、大勢の登山者が繰り出したことであろう。

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