白鳥山、鳥坂山

白鳥山、鳥坂山


【日時】 2003年1月2日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 櫛形山脈
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
白鳥山・しらとりやま・298m・なし・新潟県
興屋沢の峰・こうやさわのみね・330m・なし・新潟県
鳥坂山・とっさかやま・438.5m・三等三角点・新潟県
【コース】 宮ノ入コース
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/中条/中条
【ガイド】 新新潟ファミリー登山(新潟日報事業社)

【時間記録】 7:00 新潟=(R.7、中条 経由)=8:10 徳岩寺入り口〜8:30 発―8:50 宮ノ入コース登山口―9:39 白鳥コース分岐―9:56 白鳥山―10:03 追分コース分岐―10:23興屋沢の峰―11:20鳥坂山〜11:40 発―12:10興屋沢の峰―12:28追分コース分岐―12:35 白鳥山〜12:43 発―12:52白鳥コース分岐―13:17宮ノ入コース登山口―13:30徳岩寺入り口=(往路を戻る)=15:00 新潟

 白鳥山と鳥坂山は、日本一のミニ山脈と呼ばれて親しまれている櫛形山脈の北端の山である。縦走路を初め、これらの山を中心にした登山道が何本も開かれている。
 二日から2005年の山の開始となったが、酉年にあやかって、櫛形山脈の白鳥山から鳥坂山へ登ることにした。白鳥山へは、白鳥公園から登るのが近いが、雪の状態によっては、ユズリハの峰まで歩いてから下山できるかと思い、宮ノ入コースから登ることにした。
 元旦は荒れ模様の天候になり、夜には道路にも雪が積もった。二日の朝は、国道も除雪したての状態で、慎重な運転が必要であった。中条で羽黒の集落に入ると、路肩の雪のため、道幅は狭くなっていた。この集落内の道は判りにくく、車のナビまかせということになった。
 白鳥山への標識の立つ徳岩寺入り口から先は、除雪されていなかったため、ここから歩き出すことにした。1995年4月8日にこのコースは歩いているが、10年前のこととあって、記憶はほとんど残っていない。
 年末からの天候で、山の雪はまだ少ないことは判っており、スパイク長靴に予備装備のわかんでなんとかなるかとも思ったが、雪山予行の意味も兼ねて、プラブーツにスノーシューの組み合わせにした。
 山門脇の先で、道は二手に分かれた。山は左にあるため、左の道に進んだが、右の道の方が正解であった。前方には、白鳥山から鳥坂峰への稜線がそう高くないところに見えていた。雪に埋もれた農道をかぎ型に歩いていき、最後は、用水堀を越える必要もあったが、宮ノ入登山口に到着することができた。
 宮ノ入登山口から杉林を抜けると、左に沢を見ながらの登りになった。しっかりした登山道が整備されているので、雪に覆われていても、コースは見極めることができた。登るにつれてと雪も深くなっていき、スノーシューを履くことになった。内心では、つぼ足でも歩けるのではないかと思っていたのだが、甘い観測であった。スノーシューを履くと、雪も気にはならなくなった。降雪直後であったが、湿った雪のために、踏みしめていくとひざ程の深さで止まってくれ、まずまずのコンディションであった。
 ジグザグの登りを続けていくと、尾根の上に乗ったところで、白鳥コースが右から合わさった。白鳥山の山頂に続く尾根を右から巻いた後でひと登りすると、白鳥山の山頂に到着した。白鳥山の山頂には、追分コース方面からのつぼ足の足跡が付いていた。展望楼と額が掲げられたあずまやが設けられているが、そこからは中条から新潟に至る市街地や日本海の眺めが広がっていた。昨年末は、阿武隈山地の浜通りの山で太平洋を眺めていたが、やはり日本海の方が親しみを覚える。下からは、除雪車が作業する警告ブザーの音が聞こえていた。
 雪の無い時なら、登山口からは30分程であるが、この日は50分で、一人ラッセルにしてはまずまずの時間であった。この調子なら、鳥坂山まで行けるはずなので、先に進んだ。白鳥山山頂は、女傑板額の武勇で名高い山城であるが、その遺構として、五つの空堀が残されている。雪の中では、空堀を上り下りするのも、結構な障害物になった。
 追分分岐に到着してみると、鳥坂山方面へ最近歩いた様子は無かった。五ノ堀を過ぎると、アンテナの立つ興屋沢の峰に到着した。中継基地の背後に回ると、ドーム状の鳥坂山の山頂が目の前に姿を現した。
 僅かに下ってから緩やかな稜線を辿ると、鳥坂山への急登が始まった。ロープも取り付けられていたが、雪に埋もれてほとんど役に立たなかった。横向きのステップを切ったりしながら登り続けたが、雪が薄く、踏みしめると岩が出ている所もあって、足場に苦労した。途中で登れるのだろうかと不安も覚えたが、なんとか急登を突破した。登り着くとそこは小ピークで、山頂は少し先であった。
 鳥坂山の山頂は広場になって、蔵王山塊の眺めが目の前に大きく広がっている。雪の上に腰を下ろし、展望を楽しみながらビールを開けた。平野部は降ったばかりの雪で真っ白であったが、山は、木立の茶色が目立っていた。風は冷たかったが、大汗をかいての登りであったので、美味いビールであった。
 体力をかなり消耗していたので、ユズリハの峰から石切山コースの下山は諦めて、来た道を忠実に戻ることにした。下りといっても、一人ラッセルでは、体力の消耗もかなりのものになる。それと、石切山コースは歩いたことがないので、雪の中、初めてのコースを下山に使いたくはなかった。雪が融けたら、雪山のためにも、一般登山道はひと通り歩いてみる必要がある。同じ櫛形山脈といっても、最近の大峰山は、大勢の登山者が入ってすぐにトレースができてしまうため、スノーシュー歩きには適しない。鳥坂山を中心とした一帯なら、スノーシュー遊びによさそうである。
 鳥坂山からの下山では、急坂部でスノーシューを脱ぐ必要があるかなと思ったが、そのままで下ることができた。追分コース分岐が近づいたところで、行きには無かった長靴の足跡があることに気がついた。スノーシューのトレースに引かれて入り込んだが、雪が深いため引き返してしまったようである。飯豊の前衛といってよい櫛形山脈にわかんを持たずに登るのは、考えが甘い気がする。
 空堀越えで体力を使い、白鳥山のあずまやでひと休みした。下りは、スノーシューのままで、宮ノ入コース登山口まで歩いた。宮ノ入コースでも、登山口付近だけですぐに引き返した長靴の足跡が見られた。登山口に続く林道には、20センチ程の積雪を乗り入れてきた車の轍がついており、帰りはアスファルトの上を歩くことができ、楽に戻ることができた。
 昨年末は、結局雪の上の歩きは行っていなかったので、いきなり全力での雪山歩きになってしまった。

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