袴腰山

袴腰山


【日時】 2004年11月28日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 下田周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
袴腰山・はかまごしやま・526.1m・三等三角点・新潟県
【コース】 粟新道
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/森町、粟ヶ岳
【ガイド】 なし

【時間記録】 6:50 新潟=(北陸自動車道、三条燕IC、 R.289、森町 経由)=7:40 八木鼻公園駐車場〜8:05 発―8:28 尾根上分岐―8:33 八木山〜8:38 発―8:41 尾根上分岐―8:50 追分の松―8:50 高城の見える丘―9:13 三角山―9:25 見返しの丘―9:38 袴腰山〜9:44 発―9:52 見返しの丘―10:34 北五百川分岐―11:07 水場―11:24 ベンチ―11:44 岩野分岐―11:57 粟ヶ岳分岐―12:02 粟薬師〜12:16 発―12:36 粟石跡(4合目)―13:02 元宮―13:24 粟ヶ岳登山口―14:02八木鼻公園駐車場=(往路を戻る)=15:30 新潟

 五十嵐川のほとりに聳える八木鼻の大岩壁の奥に聳える袴腰山は、川内山塊の最高峰である粟ヶ岳の前山である。長禅寺から高城を経て袴腰山に至る登山道は、ヒメサユリの小道として整備され、花の時期には多くの人が訪れる。この他に八木山からの登山道も整備されて、人気の山になっている。今年の秋に、「ぶなのみち」として、袴腰山から粟薬師までの登山道が開かれ、袴腰山と粟ヶ岳が結ばれた。
 袴腰山から粟ヶ岳への新しい登山道が開かれたという話を聞いた。歩こうと考えているうちに、インターネットの仲間から歩いたという話も入ってきた。九州の山旅から帰ってきた後の週末で、遠出の気力もなく、懸案のこのコースを歩きに出かけることにした。
 災難続きの新潟県であるが、7月の集中豪雨で、五十嵐川が氾濫したのが発端になった。それ以来、下田村に足を運んでおらず、久しぶりの訪問になった。途中、五十嵐川沿いで、道路が崩壊して一方通行区間があった他は、災害の様子は見当たらなかった。
 八木鼻下の公園駐車場に車を停めた。袴腰山から粟薬師まで歩くと、北五百に下山することになるが、車道歩きは可能な距離であった。
 八木鼻の岩壁の下を歩いて八木前方向に戻り、杉林の中から斜面に取り付く。じぐざぐの急斜面の登りが始まり、ひと汗かいて尾根の上に出る。とりあえず、八木山の山頂に寄ってから袴腰山をめざした。
 最明寺への道が分かれる追分の松の小ピークにでると、袴腰山の眺めが広がった。名前の由来になるような枝振りの良い松は見当たらなかったが、台風で折れてしまったのだろうか。以前は枯れた松が立っていたような気がするのだが。
 一旦下って登った所が高城の見える丘。振り返ると高城のピークを望むことができる。登りを頑張ると三角山に到着し、その先は短い区間であるがブナ林の中の歩きになり、ここには「ブナの社」と書かれた標識が置かれている。続くピークが粟ヶ岳への新登山道が分かれる見返しの丘である。刈り払い跡は新しいが、幅広のしっかりした道が続いていた。
 新道へ進む前に、袴腰山を往復してくることにした。山頂への道は、急坂の上に足場も悪い所もあるので、ロープに頼る必要がある。袴腰山の山頂は、時間が早いせいもあるためか、誰もいなかった。静かな山頂から眺める粟ヶ岳は、山頂付近が白くなっていた。ここからの眺めは、確かに粟ヶ岳に向かって歩いてみたいと思わせるものである。
 急坂を注意して下り、見返しの丘から新道に進んだ。緩やかに下っていくと、尾根が痩せている所が現れた。尾根通しでは道が付けられず、脇に丸太の階段で下りてからトラバースするように道が整備されていた。ステップ部分には、土嚢が埋め込まれていた。袴腰山の山頂から眺めた時に、登山道が白く見えていたのはこの土嚢であった。なかなかの大工事であるが、冬の間の雪によって、丸太の階段や土嚢は流されてしまわないのだろう。ひとシーズンで通行不能ということにならないと良いのだが。
 450mピークを越していくと、右手から刈り払い道が合わさった。この道は、粟薬師への道と同時に作られ、北五百川に通じているようである。袴腰山をメインにしたハイキングなら、この道を下った方が、コース的には適当なように思える。
 449mピークに続いて409mを越えていくと、コースは左に曲がって、沢の源頭部を通過する。水場の標識があり、沢音も近くに聞こえていた。左上に横たわる尾根に向かっての急登の途中、水場がもう一カ所設けられていた。
 木の階段登りを終えて尾根の上に出ると、すぐ先にベンチが設けられていた。ようやく近くなった粟ヶ岳の眺めが目の前に広がっていた。昼も近くなっておりここでビールを飲みながら昼にでもしようかと思って地図を見ると、この先の鞍部からはまだ200m標高を登るようであった。これではまだ休む訳にはいかないと、水を飲んで出発した。
 足も疲れてきて辛い登りになった。これでは、袴腰山から粟ヶ岳まで一気に歩くのは、かなり難しそうである。傾斜も緩やかになって、粟薬師への分岐も近づいたかなと思った頃、左から山道が合わさった。岩野から上がってきた道だろうと思うのだが、あまり歩かれていないようであった。逆コースだと、この分岐は左に進むよう注意する必要がある。
 粟ヶ岳への道から分かれて、ブナ林の中を緩やかに下っていくと、すぐに粟薬師に出る。広場の草むらに腰を下ろして、ようやく昼食とした。お堂には木の囲いが取り付けられていた。以前は、ここの避難小屋は戸が壊れていたが、修理されていた。
 新しい道は「ぶなのみち」と名付けられ、途中に確かにブナ林はあったが、おおむね尾根上のため、規模の大きな林にはなっていない。結局、粟薬師付近のブナ林が一番見事であった。紅葉した葉も落ちきっており、冬の訪れ前の姿を見せていた。
 靴底が減った登山靴を履いてきてしまったため、下りには足元に注意する必要があった。冬の間に靴底の張り替えを頼もう。粟ヶ岳の半ばまで登ってしまったので、下りもそれなりに時間がかかった。尾根から下り立った元宮は、杉木立の中に石段が残っているだけである。沢沿いの道を下っていくと、鉄製の橋を渡ることになるが、一方が落ちて傾いていた。注意しながら傾斜した橋を渡ると、はしごが掛けられており、対岸の登山道に上がることができた。下流部には、通行不能ということで、沢を徒渉するように掲示されていた。7月の集中豪雨の時の被害のようであった。
 登山口の駐車場も、以前より整備されていた。田圃の中を歩いていくと北五百川に出て、もうひと頑張りで八木鼻下の駐車場に戻ることができた。
 新しい登山道は、袴腰山と粟ヶ岳を結ぶ意味で価値はあるが、一気に歩き通すには長すぎる。少なくとも、歩きを楽しむという余裕は無くなりそうである。途中で北五百山に下りて周遊するのが、丁度良さそうである。

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