大蔵岳、菅名岳

大蔵岳、菅名岳


【日時】 2004年11月7日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 菅名山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 大蔵岳・おおくらだけ・864.3m・三等三角点・新潟県
 三五郎山・さんごろうやま・910m・なし・新潟県
 菅名岳・すがなだけ・909.2m・二等三角点・新潟県
【コース】 いずみの里登山口より周遊
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/新津/村松、馬下
【ガイド】 分県登山ガイド「新潟県の山」(山と渓谷社)

【時間記録】 6:20 新潟=(R.49、馬下橋、R.290 経由)=7:20 いずみの里登山口〜7:39 発―7:58 階段コース登山口―8:13 一合目―8:24 二合目―8:34 三合目―8:48 四合目―8:57 五合目―9:00 六合目―9:19 七合目―9:25 八合目―9:33 九合目―9:42 大蔵岳―9:59 三五郎山―10:32 菅名岳〜10:48 発―11:17 鐘の広場(七合目)―11:29 椿平―11:41 北沢登り口―11:53 どっぱら清水入口―12:00 どっぱら清水―12:04 どっぱら清水入口―12:19 菅名岳登り口―12:25 林道終点―12:56 いずみの里登山口=(往路を戻る)=15:00 新潟
 菅名山塊は、阿賀野川と早出川に挟まれ、新潟平野の南東端に沿って広がる山塊である。北は阿賀野川より、鳴沢峰、菅名岳、三五郎山、大蔵岳、不動堂山と頂稜を連ねて早出川に落ち込んでいる。美しいブナ林、酒の仕込み水として有名になったどっぱら清水など、手頃に自然と親しむことのできる山である。菅名山塊は、新潟市周辺における人気の山のひとつになっており、多くの登山道が整備されている。特に、いずみの里登山口から大蔵山へ登り、菅名岳へ縦走して丸山尾根を下り、途中からどっぱら清水のある北沢に下って周遊するコースは、菅名山塊の魅力を味わうことのできる代表的コースである。
 前日は薮コギ山行を行ったため、登山道のある山を気軽に歩くことにした。GPSで登山道の走り具合を確かめている菅名山塊のうち、今回は代表的な大蔵岳から菅名岳への周遊コースを歩くことにした。

 馬下橋からR.290を通り、いずみの里へと分かれる道に進む。分岐には、大蔵岳登山口の標識もあり判りやすくなっている。途中の吉清水も整備され、あいかわらず水汲みの車で混んでいた。いずみの里の入口のすぐ先に登山者用の駐車場がある。40台ほどが停められる駐車場であるが、三台の車が停まっているだけであった。紅葉の季節であるのに空いているのは意外であったが、昨晩の雨で出足が遅くなっているようであった。
 駐車場の脇に鎖のかかったゲートがあり、一般車はその奧には進めなくなっている。以前は、もう少し奧に登山者用駐車場があり、看板にも登山口まで10分、700mと書かれている。杉の木立の間を歩いていくと、川原に設けられた旧登山者用駐車場に到着する。ここには登山届けのポストと案内図がある。沢を渡るように登山道が続いているが、この道は階段コースの手前で林道に出るので、いつも林道をそのまま歩いていくことにしている。
 300m程で林道が二手に分かれる。左は三五郎林道で、菅名岳からの下山時にはここに下りてくる。大蔵岳へは、三五郎橋を渡って、右手の三五郎林道支線へ進む。山腹を緩やかに登っていく林道を進むと、階段コースの登山口に到着する。大蔵岳へは、この他に、林道を先に進んだ終点からの沢コースと急坂コースがある。
 階段コースは、名前こそ階段登りが続くように思えてしまうが、実際には、階段は登り口だけである。菅名岳の丸山尾根の取り付きとは違っている。虎ロープも下がっている階段をひと登りすると、杉林の中のじぐざぐの登りになる、しばらくは、苦しい登りが続く。ひと汗書いた頃、一合目の標識が現れる。ここまでは、かなり長く感じられる。
 今回、各合目の位置をGPSで記録したが、水平距離はほぼ同じであったが、標高差は少しばらついていた。以下各合目の標高を記すと、登山口140m、一合目270m、二合目340m、三合目410m、四合目500m、五合目530m、六合目600m、七合目680m、八合目720m、九合目780m、山頂860mとなる。標高差が最大なのは、一合目までの130mで、最小は四合目から五合目の30mである。標高差を十等分すれば、70mとなるが、その他の合目間隔はそれに近い数値であるので、他の山の合目表示よりはうまくいっているといって良い。下りに使った丸森尾根では、七合目600mで菅名岳山頂910mなので、下部は一合目60mのペースで登ってきたものが、最後の三合分は、100m間隔の急登りになる。大蔵岳への登りでは、一合目で草臥れたからといっても、この後は楽になるので、くじけずに登り続けようという結論になる。
 二合目を過ぎると、杉林も終わって、ブナが目立つようになってくる。ブナの葉はすでに落ちていたが、下生えの潅木の紅葉は続いており、秋を楽しむことができた。昨日の疲れもあり、写真を撮りながらの歩きになった。四合目で、林道終点からの沢コースと急坂コースが合わさる。緩やかな尾根沿いに美しいブナ林が広がっている。
 谷向こうには、大谷山と花見山の二つのピークを望むことができ、次第にその高さを超していった。最後に傾斜の増した登りを頑張ると、大蔵岳の山頂に到着した。
 時間が早いせいか、誰もいない山頂であった。展望も開けている山頂なのだが、雲がかかって展望は得られなかった。風も冷たかったため、そのまま先に進んだ。
 灌木帯の中を進むと、窪地に立つ避難小屋にでる。さらに緩やかな登りを続けると、最高点の三五郎山に到着する。ここの看板は色あせて読めなくなっているが、三角点に似た標石が埋まっているので、それと判る。菅名岳に向かっては、小さなアップダウンの縦走路が続く。全般的に潅木に囲まれた縦走路であるが、所々に見晴らしも開ける。といってもこの日は雲がかかって、展望は楽しむことはできなかった。
 菅名岳の山頂は、人声が耳に入ってきたことにより、到着を知ることができた。広場には、幾組もの登山者が座り込んで、焼き肉や鍋物を作っていた。この後も登山者が到着して、もっと賑わうはずであった。ここまでの静かな歩きとはたい対照的であった。広場の片隅で腰を下ろしてビールを飲んだが、回りが賑やかなため、いつもの薮山よりも一人っきりで寂しい感じがした。
 菅名岳山頂からの丸山尾根の下りは、階段も現れる急坂である。大勢の登山者とすれ違ったが、ここでは下り優先とばかりに、足を停めて先を譲るものばかりであった。
 椿平からは、北沢に向かって、丸山尾根を離れた。階段の続く急坂を下ると、すぐに沢の畔に下り立った。北沢は、落ち葉に覆われて、美しい姿を見せていた。暖かい季節は、この一帯は蛭の巣窟になっており、一度足を踏み入れて懲りているが、今の季節は、風景を眺めながらのんびり歩くことができる。
 登山道は、沢の両岸を短い間隔でいったりきたりするが、沢にかかる橋がかなり古くなって苔が付き始めており、滑らないかどうか、恐る恐る足を踏み出すことになった。
 左から流れ落ちる滝が現れると、その先でどっぱら清水の分岐に出た。山の斜面をひと登りすると、勢い良く湧き出るどっぱら清水に到着する。喉も乾いており、水を汲んで飲んでみた。どっぱら清水が、先ほどの滝の源流になっている。
 分岐から先は、登山道の幅も広くなってくる。丸山尾根末端近くから下ってくる登山道の分岐を過ぎると、間もなく林道の終点広場に飛び出し、後は林道歩きで登山口に戻ることになる。
 駐車場には、35台の車が停まっており、大蔵山への登山者も多かったことを知ることができた。

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