花見山

花見山


【日時】 2004年11月3日(水) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 菅名山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
花見山・はなみやま・649.1m・三等三角点・新潟県
大谷山・おおたにやま・660m・なし・新潟県
【コース】 小山田ヒガン桜樹林公園駐車場より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/馬下
【ガイド】 なし

【時間記録】 8:50 新潟=(R.49、馬下橋 経由)=9:50 小山田彼岸桜駐車場〜10:05 発―10:28 あずまや―10:34 巡視路分岐―11:03 鉄塔分岐―11:24 花見山―11:39 鹿返道―11:58 花見山〜12:11 発―12:24 鉄塔分岐―12:43 巡視路分岐―12:46 あずまや手前分岐―13:01 小山田彼岸桜駐車場=(往路を戻る)=14:30 新潟

 阿賀野川左岸に広がる菅名連峰は、新潟市内からも良く眺めることができるが、とりわけ目を引くのは、左に位置する鳴沢峰の鋭鋒である。この鳴沢峰から西に延びる尾根上に、大谷山と花見山という二つのピークがある。地図上にも名前が記載されておらず、また背後の主稜線に目がいって見落としやすいピークであるが、花見山には三角点が置かれている。最近までは、送電線の巡視路を利用し、ヤブコギでようやく立つことのできたこのピークにも、現在では登山道が切り開かれている。花見山の山頂は、灌木帯となって周囲の展望が開けている。菅名山塊の縦走路として花見山を通過するのも良いし、このピークだけを目的として半日行程の登山を楽しむこともできる。
 週の半ばの休日は、土日の山の疲れも消えておらず、ありがた迷惑のような感じもする。家でおとなしくしていれば良いようなものだが、休みなら山にいかないわけにはいかない。朝方の雨で、当初予定の山に出かける意欲は失われたが、朝食を食べている間に、どこか簡単な山へという気持ちになった。
 ここのところ、登山道をGPSでトレースするために、菅名山塊へ連続して通っている。花見山から鹿返道の間を歩いていないので、花見山をメインにして出かけることにした。
 登山口の小山田彼岸桜駐車場は、林道途中にある菅名山荘を過ぎたところの左手にある。そのすぐ先にも広い駐車場があり、この日は、林道終点の菅名岳登山口駐車場が満杯になったとみえて、何台もの車が停められていた。といっても、小山田彼岸桜駐車場から歩き出す者はいないとみえて、ここには他の車はなかった。
 花見山の入口は、橋で沢を渡った先だが、林道脇に、小山田彼岸桜の謂われが書いてある。
 「国指定天然記念物 小山田彼岸桜樹林
小山田彼岸桜樹林はエドヒガン(アズマヒガン)でその数は250本を越える。花は純白のものを主とするが、淡紅のものも見られ、開花期は4月中旬頃である。小山田の桜は花の名所として古くから知られ、かつて全山1000本の桜に覆われていた。頼三樹三郎が「花の吉野にまさるともおとらず」と称賛したといわれ、以来村人の楽しみのため、当地の佐藤源左ェ門が山腹の山道を並木にして頂上まで残し、他は杉の植林を行ったと伝えられている。
昭和3年11月30日指定 文化庁 新潟県教育委員会 五泉市教育委員会」
 橋を渡ると「自然と人とのふれあいパーク」の案内図があるので、公園内の遊歩道の走り具合を頭にいれておこう。いつもは直進して桜並木に向かうのだが、今回は花見山への往復のつもりであったので、公園の左手の道から登ることにした。
 沢に沿って下流に進み、菅名山荘の向かい付近から、山の斜面に取り付いた。杉林の中のつづら折りの登りが続いた。細かくじぐざぐが切られているので、歩く負担は少なくなっていたが、それでも急斜面の階段登りで、汗が噴き出てきた。
 尾根に出た所で、方向を変え、高みに向かっての登りになった。途中、遊歩道が道に分かれるが、尾根通しに直進する。あずまやが現れ、そのすぐ先で、桜並木沿いの登山道が右から合わさる。
 杉林の中をひと登りすると、送電線の鉄塔の下に出て、この後は送電線沿いの登りが続く。鉄塔のすぐ先で巡視路が左から合わさる。下山にこのルートを使う際には、この道に入りこまないように注意が必要である。幅広に刈り払われた尾根は結構急斜面であるが、高度も一気に上がる。
 小ピークに出ると、花見山の山頂も目に入ってくるので、いつものようにカメラを取り出し、汗を拭うことになる。下りになる所の露岩の間には、石の祠が置かれているが、なにを祀ったものかは判らない。
 雑木林に囲まれた急坂を登っていくと、左に巡視路が分かれるが、ここは尾根通しに直進する。道は巡視路の方が立派なので、間違い易い。急な登りをさらに続けると、周囲の木立は潅木化していき、台地状の花見山山頂に到着する。花見山の山頂は、樹林限界を超えたように低潅木帯が広がるばかりで、遮るもののない展望が広がっている。
 展望を楽しみながら腰を下ろすのは後回しにして、まずは、鹿返道まで往復してくることにした。花見山から一旦下り、大谷山への登りに取りかかった。鞍部付近のブナ林は美しく紅葉していた。大谷山の山頂付近は、木立に囲まれた台地状で、どこを最高点かも判らない。わずかに下ると、鹿返道の看板の立つ、馬下保養センターから鳴沢峰へ続く登山との分岐に出た。これで、GPS のトラックの赤線が続いたことになる。
 花見山に戻った所で、腰を下ろしてひと休みした。阿賀野川の向こうには五頭山塊が広がり、ピラミッド状の山頂を持つ鳴沢峰から菅名岳、大蔵岳に至る稜線を目で追うことができた。菅名山塊のうちでも、花見山は屈指の展望ピークである。なによりも、この展望を一人占めできることが嬉しい。
 花見山からの下りは、それほどの時間はかからず、小山田彼岸桜樹林に戻ってからは、桜並木コースを通って下山した。ここの桜はまだ見たことがない。花の季節にも訪れる必要がある。

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