鳴沢峰、菅名岳

鳴沢峰、菅名岳


【日時】 2004年10月11日(月) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り一時雨

【山域】 菅名山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
鳴沢峰・なりさわみね・880.1m・三等三角点・新潟県
菅名岳・すがなだけ・909.2m・二等三角点・新潟県
【コース】 登り:咲花温泉コース 下り:馬下保養センターコース
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/新津/村松、馬下
【ガイド】 分県登山ガイド「新潟県の山」(山と渓谷社)

【時間記録】 6:30 新潟=(R.49、馬下橋 経由)=7:20 咲花温泉〜7:40 発―7:56 尾根取り付き―8:07 下の鉄塔―8:27 中の鉄塔―9:24 上の鉄塔―9:53 鳴沢峰―10:27 菅名岳〜10:45 発―11:19 鳴沢峰―11:33 小山田分岐―11:58 鹿返道―12:03 上の鉄塔―12:31 中の鉄塔―12:44 下の鉄塔〜12:52 発―13:01 尾根取り付き―13:10 保養センター登山口=13:33 咲花温泉

 菅名山塊は、蒲原平野の東端に阿賀野川と早出川に挟まれ、五頭山塊と川内山塊の中間に位置する山塊である。北より鳴沢峰、菅名岳、910ピーク(三五郎山)、大蔵岳と頂稜を連ねている。美しいブナ林、酒の仕込み水として有名になったどっぱら清水など、手頃に自然と親しむことのできる山である。菅名山塊には、多くの登山道が整備され、周遊コースをとることもでき、下越地区における人気の山のひとつになっている。
 雨に祟られた三連休の三日目は、菅名岳に出かけた。菅名山塊は、新潟周辺では人気の山ではあるが、地図には、一本も破線が記されていない。どこの山に行こうかと地図を眺めているうちに、菅名山塊の登山道が気になって、GPSのトラックデーターを得ることを目的に、一通り歩き直してみる気になった。
 まずは、北からということで、咲花温泉コースと馬下保養センターコースを歩くことにした。二つの登山口の移動には、近いといっても、歩いたのでは時間がかかるため、自転車を使うことにした。
 咲花温泉コースの登山口は、咲花駅の西側の佐取踏切から入る林道奥と、温泉街を過ぎた東の踏み切りの先から入るもののふた通りがある。これらは、それぞれ、咲花駅口と咲花温泉口と呼ぶことができる。咲花温泉コースを歩いた前回は、咲花駅口へ下山したので、今回は咲花温泉口から登り始めることにした。
 まず、馬下保養センターの登山口に自転車を下ろして、咲花温泉に向かった。駅を通り過ぎた先の踏み切りを渡り、山に向かって進むと、車道は右に曲るが、直進するように荒れた林道が続いている。踏み切り手前にも鳴沢峰登山口の標識があるが、この角にも、朽ちかけた標識が立てられている。ただ、この標識は、長いことは持ちそうもない。林道入口の右手に空き地があったので、車を停めて歩き出した。
 林道には草が茂り、歩くには支障はなかったが、車の通行は難しい状態であった。杉林の中に入っていくと、砂防ダムの堰堤下に出た。丸木橋で左に渡り、階段で堰堤を越すと、その先の谷奥に向かって山道が続いていた。
 208mピークを回り込んだところで、沢を右に渡ると、鳴沢峰の登山標識と送電線の巡視路の標識があり、尾根上への急な登りが始まった。鎖もかかる急な登りで、一気に尾根の上に上がった。
 尾根上は、咲花駅口と温泉口、鳴沢峰の三つの道が合わさっていた。前回は、ここから咲花駅口へ下ったことになる。この三叉路のすぐ先には送電線の鉄塔が立っている。鳴沢峰の北面には、三群の送電線が走っているので、下・中・上の送電線と呼ぶことにする。下の送電線は、咲花温泉コースでは二本に分かれているが、馬下保養センターコースでは一本に合わさっているので、少々ややこしい。この送電線が、尾根の登りの途中の良い目印になる。
 尾根沿いの道は、送電線の巡視路ということで良く整備されている。急な登りが続き、息も荒くなってくる。中の鉄塔を過ぎると、傾斜も一時緩やかになるが、すぐに急な登りが続くようになる。高度が上がってくると、ブナ林も見られるようになり、自然度は高い道である。
 上の鉄塔まで上がると、鳴沢峰は目の前に迫ってきているが、最後に急な登りが待ち構えている。新潟市から菅名山塊は良く見えるのだが、菅名岳よりも、鋭い山頂を持つ鳴沢峰の方が良く目立っている。咲花温泉コースは、その鋭峰をダイレクトに登りつめることになるので、他のコースに比べて体力も必要になる。急登に備えてひと息いれて背後を振り返ると、阿賀野川の流れと五頭山塊の眺めが大きく広がっていた。
 上の鉄塔から鳴沢峰までの間は、登山道に夏草が生い茂った状態になった。潅木の切り開きは、幅3m程でしっかりしているので、コースを辿るには問題は無かったが、このコースを下ろうとすると、先の状態もこのようなものかと思って不安になるかもしれない。すぐ下に見える鉄塔から下は、良い道が続くので、心配はないのだが。登山道の草刈りが必要な状態であった。
 木の枝を掴まないと、後ろに転げ落ちるような急な登りが続いた。アキレス腱が延びて、足が痛くなった。すぐそこに見えている山頂は、なかなか近付いてこなかった。
 小山田方面に続く尾根に出ると、すぐ先が鳴沢峰の山頂であった。ここまできた上は、菅名岳までいかないと片手落ちのような気がするので、先に進んだ。尾根沿いの潅木には紅葉が始まっていたが、台風の影響なのか、葉が落ちているのが目に付いた。菅名岳まで緩やかに起伏する稜線が美しかった。鳴沢峰までの登りで疲れていたこともあり、菅名岳までの歩きは、長く感じられた。
 菅名岳の山頂は、おばさんグループが賑やかに話し込んでいた。もう少し時間が経てば、登山者も多く登ってきて、もっと賑やかになるのであろう。喉も乾いていたので、うるさいのは我慢して、腰を下ろしてビールを開けた。会津方面の眺めは、雲が厚く、白髭山付近までであった。天気は下り坂のようであったので、早々に歩き出した。
 鳴沢峰の眺めを楽しみながら、来た道を戻り、鳴沢峰からは、馬下保養センターコースに向かって下山した。馬下保養センターコースは、山頂直下で咲花温泉コースを右に分けて、そのまま尾根を下っていくことになる。しばらく歩くと、左小山田、右馬下保養センターの分岐に出る。左は、五葉尾根コースとも呼ばれている。はじめて菅名岳に登った時に、地元の人にこのコースを教えてもらい歩いたことがある。菅名岳へ丸森尾根で登った時は、鳴沢峰からこの五葉尾根を下る周遊が面白い。
 馬下保養センターコースは、階段状に整備されているといっても急坂を下る必要があり、足下には注意が必要である。黒雲が空を覆い、雨が降り出した。とりあえず、雨具の上着を着て歩き続けた。幸い、すぐに雨は止んでくれた。鞍部から小ピークに登り返すと、鹿返道の看板があり、馬下保養センターコースは、右にコースを変えることになる。この小ピークは大谷山と呼ばれ、北西に続く尾根にも登山道が付けられており、花見山を経て小山田ヒガンザクラ樹林へ下山することができる。
 右に方向を変えて下っていくと、すぐに上の鉄塔に出る。その後は、尾根沿いの急な下りが続くことになる。途中、送電線の巡視路が分かれるが、尾根をそのまま下っていくのが登山道ということになる。
 下の鉄塔に出たところで、尾根と別れて、左に下る。直進方向にもはっきりした道が続いているが、これはすぐに右の谷間に下りていき、さらに隣の尾根に上がっていくようであった。ここは、登りの際には問題はないが、下りの時は要注意である。自分で間違えていうのもなんだが。
 階段状の道で一気に高度を落とし、沢を渡ってから尾根を越すと、谷間に下り立つ。ここには鳴沢峰の標識があり、後は沢に沿って下っていくと、馬下保養センターの駐車場に飛び出す。
 最後のひと働きと、自転車のペタルを漕いで、咲花温泉をめざした。
 歩いたコースを地図上で確かめると、細かい点で、自分の思っていることと違っていることも多かった。一般登山道のある山でも、GPSで記録しながら歩くと、発見があって面白い。

山行目次に戻る
表紙に戻る