角田山

角田山


【日時】 2004年8月14日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 角田山
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 角田山・かくだやま・481.7m・二等三角点・新潟県
【コース】 浦浜コース
【地形図 20万/5万/2.5万】 長岡/弥彦/角田山
【ガイド】 浦浜コースはなし

【時間記録】 10:25 新潟発=(新新バイパス、新潟西バイパス、R.116、県道新潟・寺泊線 経由)=11:20 浦浜コース登山口〜11:35 発―12:31 五ヶ峠分岐―12:43 三望平―12:56 角田山〜13:20 発―13:31三望平― 13:41 五ヶ峠分岐―14:30 浦浜コース登山口=(往路を戻る)=15:50 新潟

 弥彦山と連なって日本海の波打ち際にたたずむ角田山は、佐渡弥彦国定公園に指定され、新潟市民の日帰り登山の山として最も親しまれている。角田山は、各方面から登山道が開かれており、変化に富んだ山歩きを楽しむことができる。四季を通じて登られている山であるが、特に春の雪割草の時期には、県外から観光バスを連ねて団体がやってくるようにもなっている。夏は、標高も低く暑いことから敬遠されがちであるが、お盆が近づく頃、浦浜コースは、キツネノカミソリの花が群落となって咲くことから、登山者で賑わうことになる。
 登山を始めてから角田山に登ったのは、17回でもっとも多い山になっている。実際には、それ以前にも仲間とのハイキングで2回程は登っているが、これを足しても、新潟周辺の登山愛好家と比べれば、数は少ないということになるだろう。
 角田山は、全ての尾根と沢に道があると言われているが、公的なコースとしては、浦浜コースをまだ登っていなかった。夏の盛りに、キツネノカミソリを見るために登ろうと考えていたが、夏山に忙しくしているうちに機会を逸していた。遠出が続いていたので、週末は家にいることにしたので、浦浜コースに出かけることにした。
 お盆休みということで、登山口のある五ヶ浜の海水浴場の混雑度が気になっていた。幸か不幸か、土曜日は朝のうちは雨となり、海水浴には適しない天気になった。昼になれば、天気は回復するようなので、ゆっくりと家を出た。じょんのび館の脇を通り、五福トンネルを抜けて五ヶ浜に出た。海水客は僅かで、駐車場はがらすきであった。集落内の道に入り、山際に進むと、浦浜登山口のバス停があり、その向かいに登山者用の駐車場がある。校舎跡の広場で、かなりの車が停められるが、登山者の車は10台以下であった。お盆休みとあって、遠くの山に出かけているのかもしれない。私は、お盆の時の山や道路の混雑がいやで遠出は避けたのだが。
 ふるさと会館の脇から登山道が始まっている。沢沿いに進むと、すぐに堰堤にぶつかり、左手の尾根上に向かっての登りが始まる。登山道のだんだんの歩幅が合わずに息が切れた。
 ひと登りすると、あずまやがあり、五ヶ浜の集落と日本海を見下ろすことができた。ここから、さっそくキツネノカミソリが出てきた。竹藪の中を抜けると、左手の谷間全体にキツネノカミソリの群落が広がっているのが見えた。
 キツネノカミソリは、ヒガンバナ属で、ニッコウキスゲを小型にしたようなオレンジの花を咲かせる。名前は、葉の形からというが、花の時期には、葉は枯れてなくなっている。林床の薄暗い所に、オレンジ色が広がっている様は、非現実的で、なにやら怪しげな感じもする。
 カメラを首から下げて、写真を撮りながらの歩きになった。キツネノカミソリは、登山道脇にもおしげもなく咲き乱れていた。ただ、花の時期は盛りを少し過ぎたような感じであった。登山道脇には、ヤブランが紫色の花を付けて、色のコントラストを付けていた。
 ブナも生えている尾根沿いの登りが続いた。五ヶ峠からの尾根が近づく頃、花もなくなり、歩きに専念することになった。あずまやが現れ、その先は、僅かな登りで、五ヶ峠からの登山道に合わさった。
 浦浜コースの登りでは数人の登山者と出会ったが、その後は、三望平で昼食の登山者を見ただけで、静かな歩きが続いた。小さなアップダウンがある登山道には、以前よりも広い範囲で木道や木の段々が整備されていた。歩きやすくなったかといえば、木の上に泥がついて滑りやすそうであった。泥んこの登山道を避けるようとの配慮であろうが、角田山は、長靴登山が多いことを考えれば、余計な整備といえる。今回も、雨上がりとのことで、長靴を履いていた。
 角田山の山頂も数人が休んでいるだけであった。ビールを飲みながら昼食にしている間に、一人っきりの山頂になった。真冬でも、この山頂に、他に人がいないことはまれなのだが。
 帰りも、キツネノカミソリの写真を撮りながらゆっくりと下山した。
 角田山のキツネノカミソリは、今のところは地元の人間しか知られていないが、雪割草と同じように、広く知られれば、県外から登山者がおしよせる可能性がある。
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