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栃堀薬師山


【日時】 2004年4月25日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 守門山塊周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 栃堀薬師山・とちぼりやくしさん・647.4m・三等三角点・新潟県
【コース】 道院林道より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/守門岳/栃堀、穴沢
【ガイド】 新潟の低山藪山(白山書房)

【時間記録】 8:30 新潟発=(北陸自動車道、中之島見附IC、R.8、川崎北、R.351、栃尾、R.290、寒沢、来伝、道院林道 経由)=10:28 かねたたきの池東端―10:52 林道終点―10:59 栃堀薬師山〜11:12 発―11:16 林道終点―11:40 かねたたきの池東端=(往路を戻る)=14:30 新潟着

 栃堀薬師山は、古くから守門岳の登山基地として利用されてきた道院の西に位置するピークである。
 栃堀薬師山は、低いながら、登るコースを考えるのに頭を悩ます山である。宗教的な名前が付いているので、里から参道が付いているかもしれないが、それにしては情報がない。近くに古くからの登山基地であり、最近ではキャンプ場や森林浴の森が整備されている道院があり、そこから遊歩道が設けられているかもしれない。あるいは道が無いとすると、栃堀から増沢川左岸尾根を使うか、刈谷田川ダムから尾根沿いに道院に入るコースが考えられるが、これらのコースはアプローチが長い。最近、来伝からの車道が整備され、4月中旬には除雪されると聞いている。開通直後なら、残雪もあり、道院手前の林道から、道が無くても簡単に登れそうに思えた。
 守門岳山麓の万太郎山には、この冬、ラッセルに苦労して登ったが、そうなると、栃堀薬師山が気になった。天気予報とは異なり、晴れ間ののぞく朝になったので、この時期に登るべく計画を練っていた栃堀薬師山に出かけることにした。
 栃尾からR.290に進み、来伝から道院林道に進んだ。道院へ観光バスも入れるように整備されたというだけに、二車線幅の立派な道が続いた。道路脇には、山菜採りと思われる車が何台も停められていた。道院が近づくに連れ、道路脇の残雪も多くなった。
 栃堀薬師山周辺は地形が複雑で、沢が複雑に入り組んでいる。道院の南西にある池の東端から歩き出すルートを考えた。この池は、現地の案内板で、かねたたきの池と呼ぶことが判った。池の半ばは雪に埋まり、面白い模様を描いていた。
 ここから歩き出す前に、栃堀薬師山の情報がないか、道院周辺を見ることにした。愛読書である深田久弥の「わが愛する山々」でも、道院経由で大岳に登った紀行文が出ており、道院には興味を持っていたが、これまで訪れる機会が無かった。
 谷間に下っていくと、立派な宿泊施設があり、その下の駐車場からは、守門岳の展望が広がっていた。雪で覆われた道院池の縁の道を道院ヒュッテまで歩いてみた。二階建ての古くからある山小屋であるが、鍵が掛けられて中をのぞくことはできなかった。山スキーの季節だけ解放されているのだろうか。道院付近は、オートキャンプ場やバンガロー村も整備されており、思ったよりも観光化が進んで、登山基地というイメージとは異なっていた。ここから栃堀薬師山への登山道はなさそうなため、かねたたきの池へ引き返した。
 歩く準備を整えて、残雪の広がる杉林へ足を踏み入れた。沢を右に見ながら、幅広の尾根の頂点を進んだ。やがて下りになり、沢の横断になった。その先で、予想もしなかったことに、林道に飛び出した。当初の予定では、そのまま稜線上に登るつもりであったが、この林道を辿ることにした。
 林道は沢が入り込むごとにカーブを描き、行く手には栃堀薬師山の山頂も姿を現した。林道の雪解けの進んだ所では、枯れ草の枝が伸びており、車が入れる状態では無さそうであった。この林道から、参道が始まっている可能性もあるため、行けるところまで林道を進むことにした。
 この林道は、栃堀方面から上がってきていると思ったのだが、山頂の南で終点になった。山頂へ向かい、杉林の中からひと登りすると雑木林に出て、踏み跡が現れた。すぐに山頂の一画に飛び出すと、石の祠が二つ置かれていた。その先には杉が植えられ、藪を抜けていくと、三角点の置かれた小広場に出た。
 測量のためか、守門岳方面の木立が刈り払われていたが、藪に囲まれた山頂であった。山頂標識のようなものは、結局無かった。祠は、栃堀方面を向いていたので、以前はその方面からの参道があったのかもしれないが、藪にかえってしまったようである。
 林道はどこに続いているのかという疑問がわいてきた。可能性の高いのは道院からであろうということで、帰りは林道を辿ってみることにした。道院に下りてしまったら、車道歩きで戻れば良い。行きの合流点から進むと、すぐに沢を横断し、行きに歩いてきた尾根の沢寄りに方向を変えた。行きのコースと平行に進んで、結局、歩き始めの位置で車道に飛び出した。沢側の斜面に林道があるとは思っていなかったため、残雪に惑わされたようである。
 栃堀薬師山は、雪の無い季節でも、荒れた林道を辿って山頂直下まで行き、後はヤブコギ僅かで登れる山であることが判った。
 新緑のブナ林と守門岳の眺めを楽しんだ後、刈谷田川ダム方面の道路は雪で閉ざされていたため、来た道を引き返した。

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