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放山
三頭山


【日時】 2004年3月13日(土)〜14日(日) 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 13日:晴 14日:晴

【山域】 妙高山塊周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 放山・ひそやま・1189.5m・二等三角点・新潟県
【コース】 シャルマン火打スキー場より

【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/妙高山/湯川内
【ガイド】 なし
【温泉】 権現荘 820円

【山域】 矢代山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 三頭山・さんとうざん・851.0m・三等三角点・新潟県
【コース】 日曹発電所より
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/妙高山/関山
【ガイド】 なし
【温泉】 友楽里館 420円


【時間記録】
3月12日(金) 20:30 新潟発=(北陸自動車道、能生IC、柵口 経由)=23:50 シャルマン火打スキー場  (車中泊)
3月13日(土) 8:35 山麓駅=(クワッッドリフト)=8:45 山頂駅〜8:50 発―9:51 放山〜10:14 発―10:55 山頂駅〜11:32 発―12:01 山麓駅=(柵口、能生、R.8、直江津、高田、R.18、菅沼)=18:30 車道除雪終点  (車中泊)
3月14日(日) 7:41 車道除雪終点―8:21 日曹発電所―8:57 導水パイプ上―9:44 引き返し―10:03 導水パイプ上―10:34 日曹発電所―11:11 車道除雪終点=(菅沼、西野谷、R.18、上越IC、北陸自動車道 経由)=14:30 新潟着

 放山は、火打山から北に延びる稜線の末端部に位置する山である。山腹にシャルマン火打スキー場ができ、リフトの終点部からは、1時間程の歩きで到達できることから、オフビステのスキーヤーやボーダーに人気の山になっている。山頂からは、火打山から焼山、海谷山塊、鉾ヶ岳の遮るもののない展望が広がっている。
 三頭山は、火打山から流れ出る矢代川左岸に位置する山である。大毛無山とは臼山を経て稜線続きになっている。

 山仲間より、放山は、火打山から焼山の大展望を楽しめると聞いており、登ってみたいと思っていた。ただ、スキー場の上部から登るということで、登山だけを目的とすると、リフトの乗車が問題であった。また、シャルマン火打スキー場は、1998年にオープンした新しいスキー場で、地図にもゲレンデやリフトの配置が乗っておらず、どこから歩き出すかが判らなかった。インターネットで調べていくと、1019mピークがリフトの終点であることが判り、放山までのコースを地図上に引くことができた。
 リフトの始発は8時30分であったし、登山に要する時間もそれほどかからないので、新潟を5時頃に出れば日帰りで問題はないはずであった。ただ、土曜日の天気予報が、夜雨から午後雨に変わり、なるべく早い時間に山頂に立つ方が良さそうであった。さらに、ゲレンデの下りにショートスキーのフリートレックを使うためには、リフトに乗る前に、少し練習も必要であった。結局、時間に余裕を持たせるために前夜発とした。
 能生から柵口への道は、以前に鉾ヶ岳登山のために通ったことのある道である。シャルマンスキー場に関するインターネットの報告を読むと、スキー場までのアクセス道が狭いと書いてあるものがあったが、夜中のドライブでも特に問題はないままに、スキー場の大駐車場に到着した。スキー客は他にはいない駐車場で夜を明かした。
 快晴の朝になった。権現岳が、所々雪崩を起こして岩壁を際だたせた姿をのぞかせていた。朝食をとり、まずはフリートレックを履き、ロッジ前の平地でスケーティングをしてバランス感覚を取り戻した。
 シャルマンスキー場から放山へのオフビステツアー客は多いと見えて、パトロール詰め所で、受付を行っていた。登山届けの用紙も作ってあり、手続きも簡単に行えた。リフトの始発時間までには、他のスキー客も集まってきた。といっても、がら空きのゲレンデであった。500円で一回券を買って、クワッドリフトに乗った。一気に1019mピークに登り、放山の山頂までは残り150mほどの標高差なので、お手軽登山になる。
 放山は、山スキーに適したコースのようであるが、初めてのコースで単独行とあっては、安全策をとるにしかず、山頂の往復にはスノーシューを使うことにした。フリートレックは、山頂ロッジ脇に置いていくことにした。
 山頂ロッジの裏手にロープを跨いで進むと、痩せ尾根に出た。一旦、右手の窪地に下りて、谷間状の地形の中を進んだ。かすかではあったが、スキーの跡が残されており、地図を見なくとも、進むコースは判った。尾根との間に沢状地形が入ったが、平行して右に走る尾根を登った。ブナ林が広がり、木の間隔も開いており、山スキーのコースとしては確かに良さそうであった。
 尾根の上に登り詰めると、火打山から焼岳の眺めが広がっており、思わずカメラを取り出してシャッターを切った。山頂も近づいてきていたが、そこまでの尾根が痩せていた。尾根通しで登れないこともなかったが、山頂はその奥で、右手から緩やかな尾根が合わさってきていた。一旦少し下り、トラバースして北から登ってきている尾根に移った。雪原を登っていくと、少し小高くなった放山の山頂に到着した。
 噂に違わぬ素晴らしい展望であった。山頂付近は、雪庇が大きく発達した雪原となり、その向こうに火打山から焼山の眺めが広がっていた。時に焼山は、溶岩台地から一気にドーム上に持ち上がる姿が印象的であった。昼闇山から阿弥陀山、烏帽子岳といった海谷山塊。鉾ヶ岳から権現山。南葉山から大毛無山、不動山。文字通りに360度の展望が広がっていた。1時間の登りでこの展望が味わえるとは、スキーをやらない登山者ももっと訪れても良い山である。
 青空が広がっていたが、山頂部は風が強く吹き抜けていた。黄砂の影響か、少しもやった感じで、雪も少し汚れていた。写真も一通り撮って、下山しよかと思っていると、わかんを履き、スキーを背負った単独行が登ってきた。話を聞くと地元の人で、毎週のように登っているとのことであった。少し進んだところの方が、溶岩台地を見下ろすのに良いというので、一緒に少し先に進んでみた。火打山まで続く稜線が魅力的であった。いつか空沢山まで行ってみたいものと心に留めた。
 風が強まったため、下山に移ることにした。帰りは、トラバース部を少し下にとった。晴れていれば問題のないコースなのだが、地形は少し複雑なので、展望が閉ざされているとやっかいなことになりそうである。2月5日には、ボーダーが猛吹雪の中でコースを見失い、17時間後に救助されるという遭難騒ぎも起きている。この時は、関学ワンゲルの14人が大長山で遭難している。
 下山の途中、10名近くのグループ二つに出会った。山スキーに交じって、ボーダーも登ってきていた。スノーシューでの下りは早かったが、息が切れたので、山頂ロッジに入って昼食をとった。休んでいると、ロッジに、普通の格好の観光客が休憩のために入ってきた。どうやらリフトは、スキーを履いていなくとも、上り下りとも乗せてくれるようであった。
 ひと休みして外に出ると、視界は一気に悪くなっていた。初めてのスキー場なので、初心者用コースを下ることにした。いきなり尻餅をついたが、その後は、スキーに乗ることができた。ただ、フリートレックでは、圧雪された緩斜面の滑りは、足に負担がかかり、ちょっと滑っては休むという繰り返しになった。スキーを曲げるのは難しくはないので、少し傾斜のある中級斜面の方が楽なようである。
 途中で雨がぱらついたが、なんとか滑り下りることができた。車に戻って片付けをしている間に、激しい雨が降り始めた。下山途中ですれ違ったグループは、山で吹雪に捕まっているはずである。山の楽しさと怖さは紙一重と思い知らされた。
 翌日は、新井の奥の三頭山へ登ることにした。日本海沿いの国道を北上し、高田から新井に抜けた。三頭山の登り口の日曹発電所に通じる林道への入り方は、判りにくいが、車のナビのおかげで迷わずにすんだ。地図で車道の幅が狭まるところで除雪は終わっていた。雪の上には、雪上車とスノーモ−ビルが置かれていた。途中で雨が止むのを待ったり夕食やらで、すっかり暗くなっていたが、八代川対岸のアライマウンテンスキー場のナイターの明かりが煌々と照らされていた。
 翌日は、再び晴の日になった。雪に埋もれた林道に進むと、スキーの跡が続いていた。前日の雨のために雪は重く、スノーシューでも、歩くのに体力を要した。左手から雪上車の跡が現れ、踏み固められた道となり、楽をすることができた。しばらくすると、このトレースとも分かれることになったが、その先僅かで日曹発電所を眼下に見下ろす矢代川の縁に出た。
 川に向かってジグザグの道を下ると、吊り橋に出た。雪は乗っていなかったが、僅かな距離なので、スノーシューのままで渡った。対岸には発電所の施設があり、導水管が尾根の上から落ち込んでいた。尾根の上にどこから登るか考えていると、上流部に向かうスキーのトレースが見つかった。
 このトレースを辿ってみることにした。トラバース気味に登っていき、尾根を回り込むと急な雪原の登りになった。ひと登りすると、トレースは、再びトラバース気味の登りになった。来た方向に折り返せば、ひと登りで尾根上に出られそうなため、トレースと別れた。雑木林の中を登っていくと、尾根上に出た。
 尾根は、樋状に真ん中が窪んでいたが、中央にはパイプが通っており、所々で顔をのぞかせていた。導水管の上部末端には、作業施設が設けられていた。末端部に到着したのに僅かに遅れて、左手の雪原からスキーの二人連れが登ってきた。話をすると、取水口の見回りに行くとのことであった。ここまで直接登ってくる夏道が、ありそうであった。トレースは、三頭山への登山者のものと思って、少し安心していたのが、あてが外れた。
 小屋の後ろから尾根に取り付いたが、藪がちの細尾根であった。みると、巡視員は、急斜面をトラバースしながら小えんどう川に進んでいった。プロとアマの違いを感じさせてくれた。
 尾根についた雪が細くなって、一段下をトラバースするようなところも現れた。昨日の雨で、雪もグズグズになっていた。登りのスピードも上がらなかった。前方に小ピークが現れたところで、雪が細いリッジになり、通過できなくなった。一段下は、雪が落ちて灌木が姿を見せていた。トラバースするにしても、かなり下ってから登り返す必要があった。この先も尾根の状態は悪そうということで、先に進むのは諦めた。
 後で地図を確認すると、引き返した点は、むしろ尾根の幅が広がっているように見える。先だっての烏帽子形山でもそうであったが、雪の季節は、かなり幅のある尾根でないと、雪の状態によっては、通過困難になる可能性が高いようである。
 三頭山に関しては、作戦の見直しを行って、いつか再挑戦としよう。

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