0409

万太郎山


【日時】 2004年2月28日(土) 日帰り
【メンバー】 O、K、S、O
【天候】 晴

【山域】 守門岳周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 万太郎山・まんたろうやま・565.2m・三等三角点・新潟県
【コース】 二分より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/守門岳/穴沢
【ガイド】 なし
【温泉】 守門温泉SLランド青雲荘 500円

【時間記録】 6:10 新潟発=(北陸自動車道、中之島見附IC、、R.8、川崎北、R.351、栃尾、R.290、貫木 経由)=8:00 二分〜8:28 発―9:29 大平―10:16 橋―11:12 南の峠―12:10 万太郎山〜13:03 発―13:30 南の峠―13:57 橋―14:33 大平―15:24 二分=(往路を戻る)=18:10 新潟着

 万太郎山は、守門岳の西山麓にあり、大岳への登山口である道院と大平の中間にある山である。道院を中心とする守門岳の山裾一帯は、一面の雪原が広がって雪の砂漠とも呼ばれることがあるが、その中に頭を持ち上げる小ピークが万太郎山である。
 2月11日に万太郎山をめざしたが、深い新雪のラッセルで体力切れとなり、南の峠で中退になった。再挑戦の機会をうかがっていたが、土曜日に晴天の予報が出た。直前であったが、万太郎山に興味を持っていそうなOさんに声をかけ、最終的に4名のメンバーが集まった。
 登山口の二分に向かう途中、長岡周辺で小雨になったが、天気は昼までには回復するはずであった。栃尾を過ぎると、作業中の除雪車に出会った。前日は冷え込んでいたが、予想以上の新雪があったようである。二分に到着して、駐車のために車をバックさせたとたんに溝にはまってしまった。他のメンバーを探しに除雪終点部に行くと、すでに皆到着していた。久しぶりに会った挨拶もそこそこに、車押しをまずお願いすることになった。幸い、押してもらうとすぐに脱出できた。
 朝食をとってひと休みしている間に、他の車も到着したが、山スキーヤーがほとんどであった。今回のメンバーは、フリートレック2名にスノーシュー2名の構成になった。
 トレースはしっかりついていたが、つぼ足では歩けず、すぐにスノーシューを履くことになった。橋を渡り、ショートカットして林道に出たところで、大岳に向かうトレースと分かれた。大平に向かっては、白一色の林道が続いていた。この季節、大岳へは、林道を横断した向かいの尾根に取り付くため、大平に向かうものはいないようであった。予想以上に深い雪で、辛いラッセルが始まった。4名が歩いた後のトレースは、50センチ程の深さの溝になっていた。
 林道を歩いていくと、前方で斜面の雪が崩れて、道の中程までデブリが転がってきた。先回も同じようなところで雪崩が生じており、大平への林道の通過には雪崩に注意する必要がある。落ちそうな雪の固まりが斜面の上にあるので、急いで通過したかったが、深い雪で、急ごうにも速度は上がらなかった。
 大平は、一面の雪に覆われ、青空のもと、守門岳の眺めが大きく広がっていた。山頂部には雲がかかっていたが、昼頃になれば、さえぎるもののない展望が広がりそうであった。後になれば、もっと良い展望が得られると判っていても、シャッターを何回も切らずにはいられなかった。
 大平の雪原で休んでいると、単独行が追いついてきた。我々を追い越して、大岳方面に進んでいった。我々のトレースを大岳へのものと誤ってついてきてしまったのかもしれない。コースは間違っていないが、大平から先は単独でラッセルをする必要があり、どうなったことやら。
 大平を横断して、北に向かう林道に進んだ。二つの小ピークの間を抜けて石高沢の縁に出ると、上流部に向かっての緩やかな下りになる。棚田の下部で橋を渡ったところで、ひと休みになった。雪は重たく、ラッセル交代も頻繁に行う必要があった。4名グループであったから良いものの、単独行であったなら、再び中退になるところであった。
下流部に向かってヘアピン状に戻ったところから万太郎山の南の肩を通過する林道が始まる。この林道は、最新の地形図でないと載っていないので注意が必要である。傾斜が増したことと、昼近くになって気温が上がって雪が重くなり、ラッセルもさらに大変になった。
林道のカーブ地点をショートカットして西に向きを変えると、その先で林道の峠部となる。先回は体力切れのためここで引き返しになった。雪の状態は前回と同じように悪いといっても、今回は、他のメンバーの力を借りることができる。守門岳の眺めを楽しみながらひと休みした。
 峠部から杉林の中を北に向かった。密な林で、ジグザグの歩きになったのと視界が閉ざされるため、方向が判りにくかった。幅広の尾根を外さないよう注意しながら歩いた。右手から尾根が合わさると、杉林も終わり、雑木林の向こうにようやく万太郎山の山頂が姿を現した。万太郎山の山頂は、ここまで見えず、奥深い所にある山である。20m程下った後、万太郎山への最後の登りになった。木立もまばらで、気持ちの良い登りになった。
万太郎山の山頂は、雪原となり、360度の展望が広がっていた。まずは、写真撮影タイムになった。大岳から青雲にかけて続く真っ白な山頂がまず目に入ってきた。長峰から大岳に至る登山道のコースも一望できた。左手には粟ヶ岳、右手には毛猛山塊、荒沢岳、越後駒ヶ岳、八海山、権現堂山塊。見飽きることのない眺めであった。600mにも満たない山の展望とは思えなかった。二回目でようやく登頂の山、4名のラッセル交代でようやく辿り着いた山とあっては、山の楽しさ、難しさは標高からではうかがい知れない。北の道院方面は、小ピークが重なった複雑な地形になっていた。いつか栃堀から大平へ抜けてみたものである。展望をなによりのつまみにビールをあけた。
下りは、フリートレックではスキーが滑らず、またトレースが溝状に切られて、スキーを曲げてブレーキもかけられないため苦労していた。二分までは、下りといえども大汗かきの歩きになった。
 雪が締まっていれば楽勝と思っていたが、万太郎山へは、まる一日のラッセルが必要な山行になった。その代償としては、山頂からの大展望を楽しむことができた。万太郎山は、標高こそ低いものの、守門岳の展望台であり、もっと登るものがいても良いと思われる。林道が南の肩まで伸びていることが知られれば、今後は登山者も多くなるかもしれない。それとも標高がさほどないことから注目されることはないだろうか。それならば、自分だけの、とっておきの山としておこう。

山行目次に戻る
表紙に戻る