0404

宝蔵山


【日時】 2004年1月10日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴れ

【山域】 白山・粟ヶ岳山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 尼池山・あまいけやま・462m・なし・新潟県
 宝蔵山・ほうぞうざん・897.1m・三等三角点・新潟県
【コース】 中大谷より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/越後白山
【ガイド】 越後の山旅上巻(富士波出版社)

【時間記録】 6:10 新潟発=(R.49、亀田、R.403、加茂、出戸、中大谷 経由)=7:20 中大谷登山口〜7:45 発―8:06 十二山ノ神(柿ノ木平)―8:13 鉄塔―8:35 尼池山―8:48 上高柳分岐―9:46 御前清水―10:28 宝蔵山〜11:01 発―11:19 御前清水―12:00 上高柳分岐―12:10 尼池山―12:20 鉄塔―12:23 十二山ノ神(柿ノ木平)―12:36 中大谷登山口=(往路を戻る)=14:30 新潟着

 宝蔵山は、白山の隣りに寄り添う山で、粟ヶ岳へ至る稜線上のピークである。縦走路以外に、上高柳あるいは小乙から橋立経由、さらに中大谷から尼池山経由のコースがあり、現在ではいずれも登山道が良く整備されているにもかかわらず、宝蔵山を訪れる登山者は少ない。
 三連休の初日の土曜日は、午前中は晴れ間が広がるが、午後から雨という天気予報が出た。今年は雪が少なく、少し高い所まで上がらないことには雪山を楽しむこともできそうにない。4台目のスノーシューとしてTSL225を買ってしまったので、その試し履きをしたかった。標高の低い所には雪が無いため、登山道があり、それにもかかわらず人の入らない山を考える必要があった。五頭山や白山、大蔵山あたりなら山頂付近は雪山になっているが、登山者が多く、トレースができて長靴で充分歩けるはずであった。結局、宝蔵山に行くことにした。幅広の登山道が整備されているにもかかわらず登山者は少なく、ほどほどの傾斜が続くのも、スノーシュー向けであった。
 登山口付近から雪があるならば上高柳から入ることも考えられるが、歩き始めは登山道を使う必要があるため、中大谷登山口をめざした。猿毛岳をはじめ、加茂丘陵の山には雪はまったく無かった。中大谷の集落に入り、どこからの歩き出しになるかと思いながら車を走らせると、結局中大谷登山口まで車で入ることができた。この登山口は、杉林の中にあまり目立たない標識が立てられており、林道はさらに奧に続いているので注意が必要である。一台の車が停められており、先行者がいるようであった。
 今年初めての雪山で、プラブーツも履き始めになった。雪が無いため歩きづらく、スノーシューやマウンテンジャケットでザックは重くなっていた。コンクリート橋を渡った先が尾根の取り付きとなる。ひと登りすると傾斜も緩くなり尾根歩きが続くようになる。伐採地に出て振り返ると、猿毛岳や角田・弥彦山塊の眺めが青空の元に広がっていた。暖かく、フリースを脱いで、山シャツだけで充分であった。その先で杉木立に入ると、十二山ノ神の祠が置かれている。ここは柿ノ木平と呼ばれ、登山口にも「柿ノ木平登山口」という看板が置かれている。
 その先僅かで、送電線「中越幹線」の鉄塔の下に出る。ここまで上高柳から林道が上がってきている。見ると、雪の上には車の轍が残されていた。オフロード四駆で上がってきた者がいたようであったが、林道を横断した先の登山道には、先行者の足跡が一人分だけ続いているだけであった。この先も幅広の登山道が続く。尼池山は、今回はGPSで位置を確認することができたが、尾根が少し幅広になったくらいの、尾根上の中間地点でしかなかった。上高柳への登山道の分岐を過ぎると、すぐ先で「前宝蔵山下旧炭焼場跡」という標識が現れた。以前には、この標識は無かったと思う。
 傾斜も増し、一歩ずつ雪を踏みしめながらの登りになった。雪はしだいに深くなったが、それでもくるぶし程で、この季節としては異常に少なかった。先行者の踏み跡があるため、スノーシューの出番は無かった。ドーム型の宝蔵山が次第に迫ってきた。前宝蔵山も夏道通りに山頂下をトラバースすることができた。
 前宝蔵山を巻き終えて稜線通しに再び戻ろうとする時、単独行が下山してきた。踏み跡の主のようであったので、ラッセルのお礼を言うと、午後から仕事があるため、時間切れで引き返すという。先に進むと、この人は、宝蔵山への最後の登りにかかる所で引き返していた。後30分程のところでの引き返しは残念であったことであろう。
 トレースが無くなった所からスノーシューを履くことにした。つぼ足でも、もう少し頑張ることもできたのだが、今回の目的はスノーシュー歩きであった。これまで使ってきたスノーシューはアルミフレームにデッキという布かプラスチック板を張ったものであったが、今回プラスチック一体成形のスノーシューを買ってみた。ビンディングが簡単な機構なため、どうかなと思ったのだが、クライミングサポート機構もあって、急斜面も登ることができた。
 スノーシューを履くと、雪の上を歩くのが苦にならず、眺めを楽しむ余裕も生まれてきた。谷向こうには荒沢峰から烏帽子岳への稜線が続き、その向こうには白山の山頂が頭をのぞかせていた。
 宝蔵山の山頂の一画に到着すると、登山道も雪のために判らなくなり、動物の足跡に導かれるように山頂方向に向かった。
 宝蔵山の山頂は、灌木帯の中の小広場になっていたが、脇の木に標識が無かったら、それと気が付かないであろう。雪が少ないためか、灌木が展望の邪魔をしていた。木立の切れ間から、白山や粟ヶ岳の写真を撮り、雪の上に腰を下ろした。ここまでの登りで汗をかいて喉も渇いており、ビールが美味かった。雪山というと確かに寒いのだが、ビールが美味しく飲める。
 昼から雨という予報の通り、休んでいた短い時間の間に、空を雲が覆い始めた。長居はできないようで下山を開始した。新しいスノーシューの感覚を掴みながら、一気に高度を下げていった。炭焼場跡まで下ったところで雪も少なくなり、スノーシューを脱いだ。
 結局、この日に宝蔵山に登ったのは二人だけであった。車に戻って家に戻る途中、本格的な雨になった。白山あたりでは、山小屋でのんびりして、この雨に掴まった者も多かったことであろう。

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