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新保岳


【日時】 2003年10月25日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 葡萄山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
新保岳・しんぼだけ・852.2m・一等三角点補点・新潟県
【コース】 新保岳林道登山口
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/勝木/蒲萄
【ガイド】 新登山口については無し
【温泉】 朝日まほろば温泉 410円

【時間記録】 9:30 新潟発=(R.7、蓮野IC、R.113、荒井浜、R.345、神林、R.7 経由)=11:45 新保岳林道登山口〜11:51 発―12:04 旧道分岐―12:19 見晴らし台―12:43 新保岳〜13:09 発―13:25 見晴らし台―13:36 旧道分岐―13:45 新保岳林道登山口=(往路を戻る)=16:00 新潟

 蒲萄山塊は、新潟県北部の、景勝地笹川流れのある日本海海岸部と国道7号線の間に広がる、南北24km、東西約8kmに及ぶ山塊である。新保岳は、この蒲萄山脈の最高峰である。一等三角点が置かれ、この山域では貴重な登山道が整備されていることから、登山者に親しまれている山になっている。
 新潟県の一般的な登山ガイドの目次では、北から順に並べていくために、たいていは日本国に続いて新保岳が載っている。この新保岳の登山道が、林道の延長によって変更になり、山頂に近い所から歩き出すようになったと聞いていた。土曜日は晴の予定であったが、朝方の雨で起き出す気が失せて、再び布団に潜り込んでしまった。金曜日に東京の日帰り出張があったため、疲れが出ていたためもある。家で朝食を食べているうちに青空が広がって、予定通りに出かけるべきであったと、後悔するはめになった。どこに行くか考えて、歩行時間が短くなったという新保岳を思い出した。
 塩野町の集落を過ぎた所に広域林道新保岳林道の標識があるので、これに従い舗装された林道に進んだ。山の神を過ぎて赤沢橋を渡ると、左手に以前の登山口が現れる。看板があり、「登山をされる方へ 登山道入口は3.5km先に移動しました。」と書かれていた。完全に舗装されて走りやすい林道を先に進んだ。林道は、山腹を大きく巻きながら、一気に高度を上げていった。迫ってきた山頂部は、紅葉に彩られていた。
 臨時駐車場という標識があり、その先の路肩に駐車スペースがあった。5台程の車も止められており、新保岳は、最近は人気の山になっているようであった。尾根を回り込んだ先に、新しい登山口が設けられていた。旧登山口は標高170m、新しい登山口は480mなので、残りは370mということになり、ずいぶんと楽になっている。
 痩せた尾根の登りが始まり、歩き出すなり汗が噴き出てきた。ひと登りで、左手から旧登山道が合わさった。旧道に向かっては、「立入禁止」の大きな看板が立てられていた。下山してから旧道と林道の合流点を見に行くと、旧道は、切り通しの崖で下りられなくなっていた。
 ここまでは新しい道で、落ち葉に被われて、少しはっきりしない所もあったが、この先は良く踏まれた道になった。登山道周辺にはブナ林が広がり、紅葉の盛りとあって、目を楽しませてくれた。小ピークの見晴らし台に出ると、谷向こうに新保岳の山頂もみえるようになるが、木が邪魔をして、見晴というほどではない。この先は、ブナ平と呼ばれ、ブナの大木が並んでいる。黄や赤の葉の中に、ブナの白い幹が浮かび上がっていた。
 新保岳は、これが三回目になる。一回目は1993年11月13日で、この時は天気も悪く、ピークハントが目的とあって、ブナ林を楽しむ余裕もなかった。二回目は2000年3月18日〜19日で、新保岳から蒲萄山へ縦走した。雪山の中に林立するブナの巨木が印象的で、このブナ平付近から、ここらで幕営しようという声も上がり始めた。結局は新保岳を下った鞍部のブナ林で一晩を過ごした。雪山でのブナも印象的であったが、この日の紅葉のブナ林も美しかった。山に行きそびれた感じで出かけてきたものの、新保岳に登ったのは、悪い選択ではなかったようである。
 最後の登りをひと頑張りすると、新保岳の山頂に到着した。以前よりも木立が刈り払われて、見晴らしが良くなっていた。隣りの戸立山が大きく、日本海の向こうには粟島が浮かんでいた。木立の間からは、蒲萄山の山頂が見えていた。暖かい日差しに包まれながら、広場に腰を下ろしてひと休みした。
 少し前の新聞の投書に、浜新保から登山道が開かれて登ったというのを読んだことがあったので、その道を確認するのも今回の目的であった。広場からは、登ってきた登山道以外には、道らしきものは見あたらなかった。登山標識等が未整備のうちは、頂上付近は手を付けないのが普通であるから、しばらく藪をこがないと、切り開きには出ないのかもしれない。いつか、浜新保の方からあたってみる必要がある。
 下りは、写真撮影をしながらであったが、30分ほどで登山口に戻ってしまった。林道がどこまで延びているか確認しにいくと、旧道が通っていた尾根を回り込んだところで、工事を行っていた。いずれは、戸立山との鞍部を越して浜新保へ抜けるという。こういった広域林道は、冬の普通期間も長いことからどれ程の利用価値があるかは判らないが、新保岳が前よりも身近な山になったということは確かである。せいぜい利用させてもらうことにしよう。

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