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牛形山
氷上山、徳仙丈山


【日時】 2003年8月16日(土)〜17日(土) 前夜発1泊2日各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 16日:曇り  17日:雨

【山域】 焼石連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 牛形山・うしがたやま・1339.8m・二等三角点・岩手県
【コース】 夏油温泉
【地形図 20万/5万/2.5万】 新庄/川尻/ 夏油温泉、三界山
【ガイド】 分県登山ガイド「岩手県の山」(山と渓谷社)、新編東北百名山(山と渓谷社)、山と高原地図「栗駒・早地峰」(昭文社)
【温泉】 夏油温泉・元湯夏油 400円(露天風呂、石鹸不可)

【山域】 北上山地
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 氷上山・ひかみさん・610.2m・二等三角点・岩手県
【コース】 玉山高原
【地形図 20万/5万/2.5万】 一関/盛/ 大船渡
【ガイド】 分県登山ガイド「岩手県の山」(山と渓谷社)、新編東北百名山(山と渓谷社)

【山域】 北上山地
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 徳仙丈山・とくせんじょうさん・711.0m・二等三角点・宮城県
【コース】 気仙沼側登山口
【地形図 20万/5万/2.5万】 一関/千厩/ 津谷川
【ガイド】 分県登山ガイド「宮城県の山」(山と渓谷社)、新編東北百名山(山と渓谷社)

【時間記録】
8月15日(金) 20:20 新潟発=(R.7、酒田、R.344 経由)
8月16日(土) =1:00 真室川  (車中泊)
 5:00 真室川発=(R.13、十文字、秋田自動車道、北上西IC 経由)=7:10 夏油温泉〜7:40 発―8:01 経塚山分岐―9:36 鷲ヶ森山分岐―9:58 牛形山―10:18 鷲ヶ森山分岐〜10:23 発―11:38 経塚山分岐―11:50 夏油温泉=(R.397、水沢、R.4、R.343 経由)=19:00 玉山高原  (車中泊)
8月17日(日) 4:56 玉山高原発―5:08 林道登山口―5:23 一本杉―5:36 五合目―6:01 西の御殿―6:09 祈祷ヶ原―6:25 氷上山―6:41 祈祷ヶ原―6:50 西の御殿―7:09 五合目―7:16 一本杉―7:28 林道登山口―7:42 玉山高原=(竹駒、R.45、気仙沼、赤岩羽田 経由)=9:02 徳仙丈山渓谷入口―大駐車場―9:37 十二曲り入口―9:44 徳仙丈山〜9:50 発―9:54 十二曲り入口―10:07 大駐車場―10:18 徳仙丈山渓谷入口=(矢越、R.284、一関IC、東北自動車道、若柳金成IC、R.4、R.398、池月、R.47、赤倉、尾花沢、R.13、赤湯、R.113、R.290、新発田、R.7 経由)=19:30 新潟着

 牛形山は、焼石連峰の北部にあり、経塚山や駒ヶ岳と並んで夏油三山の一つに数えられている。山腹一帯は、ブナ林に覆われている。
 氷上山は、南三陸の陸前高田市の北側にそびえる山で、農業。漁業関係者の信仰の山である。
 徳仙丈山は、気仙沼市と本吉町にまたがる北上山地の山である。山頂一帯はつつじに覆われ、観光地化している。

 先週の東北旅行が、台風のために尻切れトンボに終わったため、今週も東北の山に出かける気になった。今回は、岩手県の牛形山を第一の目標にした。牛形山の登山口は、夏油温泉であり、以前経塚山に登った後でこの温泉に入り、露天風呂が気に入ったのでまたという気持になった。日曜日は天気が悪そうなため、どうするかは、後で考えることにした。
 高速代を節約するため、酒田から湯沢に出て、そこから秋田自動車道にのることにした。途中で夜も遅くなったため、真室川町付近の路肩に車を停めて寝た。湯沢付近では、青空のもとに鳥海山が姿を現していたが、内陸部に進むにつれて雲が多くなった。高速をおりてから夏油スキー場までは良い道が続いたが、その先は、渓谷沿いの車のすれ違いに注意しなければならない道になった。
 夏油温泉の駐車場は、お盆休みとあって、賑わっていた。朝風呂の浴衣姿の温泉客も、多く歩いていた。牛形山への登山道は、温泉手前のベンチの置かれた休憩所の脇の山側にある。登山届けのポストがあるので、ノートに記入した。経塚山と合わせても、登山者は1日に数組で、多くはないようであった。
 温泉の建物を左下に見下ろしながら登っていくと、林道に飛び出し、左に進むと、僅か先で再び登山道が始まっていた。ひと登りすると、再び林道に飛び出し、牛形山への登山道は、林道の向かいに続いていた。ここまでは、経塚山登山の際に一度歩いているが、記憶も薄れていた。
 ブナ林の中を緩やかに登り続けていく道が続いた。高度を上げるというよりは、山奥に分け入るといった感じの道であった。周囲には、見事なブナ林が広がっていた。この道は、紅葉の盛りに歩くと良さそうであった。山頂がようやく近づくと、登山道は、尾根道から外れて、ウシロ沢の源頭部をトラバースするようになった。草付きを横断する所は、夏草が茂って足元が見えず、また泥状で不安定なため、注意して歩く必要があった。固定ロープの助けを借りて、泥斜面を登るような所も現れた。
 鷲ヶ森山分岐に到着して、まずは鷲ヶ森山への縦走路の偵察を行った。草付きのトラバースが続いており、夏草が茂っていた。その先の刈り払いの状態に不安を覚えたので、往復コースをとることにした。
 分岐付近は、湿地状で、一歩ずつ足が泥に埋まった。その先は、泥の斜面で、ロープの助けを借りて登った。稜線の一画に登り着き、灌木帯の中を進んでいくと、牛形山の山頂に到着した。今回もガスのために展望の利かない山頂になった。風が冷たく、落ち着いて休んでいる気分にもなれなかった。
 泥の急斜面を注意しながら下り、分岐に戻ったところでひと休みした。下山の途中、3組の登山者にすれ違ったが、軽装で、山頂までどれくらいかと聞いてくる者もいた。温泉を起点とする山なので、簡単に考えて登ってきてしまうのかもしれない。
 下山の途中からは、頭の中は温泉のことになったいた。
 夏油温泉は、5ヶ所の露天風呂があり、それを一通り回るには結構かかる。温泉街の入り口で入浴券を買い、ゲートを抜けると、左右には昔ながらの湯治場の雰囲気が濃い宿泊棟が並んでいる。一番奥の大湯にまず入った。大勢が入っていた。そのせいか、熱めながら良い湯加減になっていた。先回は、息を止めないと入れない温度だったのだが。混浴ということにはなっていたが、男性客が多く、女性客が入れる雰囲気ではなかった。ビールを片手に、他の温泉巡りを続けた。それぞれ、成分、温度が違っていた。ほてった体に沢を吹き抜ける風が心地よかった。
 のんびりしたところで、車に戻り翌日の山を考えた。夏油三山のうち、経塚山と牛形山には登ったが、駒ヶ岳が残っていた。温泉にまた入りにくる理由にするため、駒ヶ岳は次回に回すことにした。翌日の天気は悪そうなため、登山に要する時間も短い、北上山地の氷上山と徳仙丈山を登ることにした。氷上山は、同じ岩手県といっても太平洋に面する大船渡近くの山のため、登山口近くになった時には薄暗くなっていた。
 国道沿いに竹駒神社の鳥居があり、そこから玉山高原センターへの案内が続いていた。舗装された林道を上がっていくと、玉山高原センターに到着した。この入り口から氷上山への登山道が始まっていた。入り口の向かいに大駐車場があったため、ここに車を置いた。未明から霧雨が降り始めた。
 雨具を着ての出発になった。歩き始めは、植林のための作業道らしい道が続いたが、草がかぶり気味で、あまり歩かれてはいないようであった。ひと登りすると林道に出て、ここにも登山口の標識があった。未舗装であるが、車の走行には問題の無さそうな林道で、地元の登山者は、車でここまで入って歩き出すようであった。
 山に向かって作業道を登ると、すぐに右手に登山道が分かれた。僅かに下ると、沢沿いに登山道が続くようになった。途中の木の橋が朽ちて真ん中で折れていたが、その下流部でまたぎ越すことができた。沢の左岸をひと登りすると、大杉があり、そこにはパイプで引いた水場が設けられていた。水場からつづら折りの道を登っていくと、尾根の上に出て、その先に五合目の標識が現れた。歩き始めの林道手前に二合目の古びた標識があり、さらに七合目の標識が途中で現れたが、合目標識はそれだけであった。
 幅広の尾根歩きが続いた。笹の丈も短く、気持ちの良い林が広がっていた。最後の登りという標識が現れると、ひと登りで小ピークの上に出た。「氷上山来迎礼拝碑」と書かれた石碑が岩の上に立てられ、その手前の笹藪の中に、赤く塗られたお堂が建てられていた。これは西の御殿とも呼ばれる理訓許多(りくさた)神社のようであった。
 この小ピークからは一旦下りになり、下りたった所は、草原の広がる祈祷ヶ原であった。幾つもの花をつけたヤマユリが濃密な香りを周囲に振りまいていた。一画には避難小屋が建てられていた。火を起こしたサークルもあり、キャンプを楽しむ登山者もいるようであった。
 山頂はガスで見えなかったが、緩やかな登りの登山道が続いた。途中でスズランコースが分かれたが、どこへいくのか判らないので、そのまま高みをめざした。小高いピークに上がると、お堂が置かれていた。これは東の御殿とも呼ばれる衣太手(きめたて)神社であった。踏み跡を辿って、お堂の裏手に回ると、二等三角点の置かれた氷上山の山頂に出た。
 霧雨が止まないまま山を下ることになった。最後の部分は、林道を歩いて駐車場に戻った。
 車に戻り、徳仙丈山を目指した。氷上山とは遠くないが、宮城県の山ということになる。気仙沼から前田を通り羽田の集落に進んだ。集落内は道幅が狭かったが、羽田神社の先で、下から上がってきた未舗装ではあるが幅広の道に飛び出した。徳仙丈山は、つつじ見物の観光客も多いというので、集落内を通らない道が作られたようである。じぐざぐをまじえながら、山の奥に向かって道が続いていた。
 徳仙奥入瀬入口という看板があり、遊歩道が始まっていたので、ここが登山口かと思って歩き始めてしまった。遊歩道のある山というので油断して、GPSにデーターを落とさなかったのも失敗のもとであった。渓谷沿いの遊歩道には、なんとか杉とか岩といったように名前が付けられていたが、そう由緒あるものとも思えなかった。それよりも、山頂近くにしては、水量が豊富なのが気になった。ひと汗かくと、林道に飛び出し、その先に大きな駐車場が設けられていた。ここが徳仙丈山の登山口であった。どうやら余計な歩きをしてしまったようである。案内図があったが、これを見ても徳仙丈山の頂上に通じる道が判らなかった。一帯には、つつじ見物の遊歩道が張り巡らされているようであった。もう一つの駐車場に回ってみたが、徳仙丈山山頂へというような標識は見あたらなかった。とにかく高い方へ登っていくことにした。歩き始めるとすぐに、未舗装の林道が現れた。メインコースのようでなので、この道を辿ることにした。ひと登りすると、第一展望台が現れた。緩やかな登りがさらに続いた。道の両側には、つつじが壁を作っていた。
 林道の終点につくと、ようやく徳仙丈山山頂へという標識が現れれ、十二曲がりと呼ばれるつづら折りの急な登りが始まった。それも長くはなく、山頂に到着した。石の祠があり、その脇の高みに三角点が置かれていた。
 帰りは林道をそのまま下っていくと、看板の脇に飛び出し、林道の入り口には車の進入禁止の鎖が掛けられていた。駐車場からは、林道を歩いて車に戻った。
 山登りを終えて家路についた。一関から高速に乗ったが、お盆休みの最終日ということで高舘から先の東北道は渋滞していた。一般道を走ろうということで、若柳金成ICから鳴子に出て、山形を回って新潟に戻った。

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