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雨呼山、大岡山
兜山


【日時】 2003年7月25日(金)〜27日(日) 2泊3日各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 26日:雨 27日:曇り雨

【山域】 二口山塊周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 雨呼山・あめよばわりやま・906m・なし・山形県
【コース】 ジャガラモガラ登山口
【地形図 20万/5万/2.5万】  仙台/楯岡/天童
【ガイド】 分県登山ガイド「山形県の山」(山と渓谷社)

【山域】 面白山塊周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 大岡山・おおおかやま・401.0m・二等三角点・山形県
【コース】 南登山口
【地形図 20万/5万/2.5万】  仙台/山形北部/天童
【ガイド】 分県登山ガイド「山形県の山」(山と渓谷社)
【温泉】 蔵王温泉大露天風呂 450円(コインロッカー100円)

【山域】 吾妻連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 兜山・かぶとやま・119.3m・二等三角点・山形県
【コース】 綱木登山口
【地形図 20万/5万/2.5万】  福島/白布温泉/白布温泉
【ガイド】 分県登山ガイド「山形県の山」(山と渓谷社)
【温泉】 小野子温泉尼湯 200円(石鹸無し、上がり湯無し)

【時間記録】
7月25日(金) 8:00 新潟発=(新潟中央IC、日本海沿岸東北自動車道、中条IC、R.7、十文字、R.113、赤湯、R.13、山形 経由)=13:00 蔵王温泉  (蔵王国際ホテル泊)
7月26日(土) 9:00 蔵王発=(山形、R.13、大野目、荒谷、村山東部広域農道、貫津 経由)=10:00 ジャガラモガラ入口〜10:20 発―10:28 ジャガラモガラ〜10:32 発―10:35 林道〜10:56 発―10:58 林道三叉路―11:06 林道終点―11:09 村雲の池―11:28 尾根上―11:45 雨呼山―11:51 竜神の池―12:02 尾根上―12:13 村雲の池―12:15 林道終点―12:22 林道三叉路―12:27 ジャガラモガラ入口=(貫津、村山東部広域農道、荒谷、花岡 経由)=13:43 南登山口―13:50 不動尊―14:02 尾根上の広場―14:20 大岡山―14:30 尾根上の広場―14:36 不動尊―14:44 南登山口=(R.13、山形 経由)=16:00 蔵王温泉  (蔵王国際ホテル泊)
7月27日(日) 8:00 蔵王温泉発=(山形、R.13、米沢、R.121、大樽橋、蟹屋敷 経由)=9:40 綱木登山口〜9:50 発―10:38 尾根上〜10:41 発―11:04 兜山〜11:20 発―11:35 尾根上―12:13 綱木登山口=(蟹屋敷、小野子温泉、R.121、喜多方、上口、R.7、会津坂下IC、磐越自動車道 経由)=16:00 新潟着

 雨呼山は、二口山塊の面白山から西に派生する尾根上にあり、昔から雨乞いの山として信仰の対象になってきた山である。山の中腹には、風穴の窪地で特殊な植物相を示すジャガラモガがある。
 高岡山は、山形周辺に多く点在するおにぎり山のひとつである。
 兜山は、米沢の南に位置し、吾妻連峰の東鉢山から北に延びる尾根上に位置する山である。

 職場の旅行で蔵王温泉に出かけた。自由時間には蔵王に登ろうかと思っていたが、梅雨明けが遅れており、雨になった。蔵王は気象条件が厳しいため諦め、どこの山に登ろうかと頭をひねることになった。宮城県の山かと思ったのだが、宮城県は地震のために混乱状態のようで、山形県内で登る山を考えることにした。結局、山寺近くの雨呼山に出かけることにした。
 山形から山寺への道に入り、その手前で広域農道に入り、貫津へ向かった。ジャガラモガラへの登山標識に従って林道に進んだ。林道を登っていくと、舗装道路の終わるところで、ジャガラモガラ入り口の標識があった。車を停めて、ここから歩き出すことにした。小雨が続いているため、雨具を着ての出発になった。
 緩やかに下っていくと、窪地に出て、ここがジャガラモガラであった。風穴があり、低山にもかかわらず高山植物が咲いているとのことであった。ジャガラモガラはロープが張ってあり、立ち入り禁止になっていた。木道の上からのぞくと、サワランの花が咲いていた。先月末に見た会津の中山と同じ地形のようであった。
 ジャガラモガラから階段登りを続けていくと、ほどなく林道に飛び出した。林道を右に進んでいくと、少し先で林道は終点になったが、その先に登山道は見あたらなかった。登山道を見落としたかと思って、山腹を眺めながら、来た道を戻った。登山道が見つからなかったことから、ガイドに出ている稜線鞍部から下ってくる登山道を探すことにした。林道を登山口に戻っていくと、林道の分岐に出た。ここに雨呼山の標識があって、Y字型に戻るように林道を進んだ。新しい林道ができて、ガイドブックとは様子が違ってしまったのであろうか。
 林道を進むと、尾根上に向かって上がっていく、登山道が分かれて、ここには高滝山不動尊へという標識が立てられていた。これがガイドブックに載っている稜線鞍部から下ってくる道かと思ったが、とりあえずは村雲の池をめざして先に進んだ。
 林道終点から少し進むと、杉の大木の下に村雲の池という標識が置かれていた。木の下に湧き水が出ていて、この小さな水たまりが池ということのようであった。脇には、一向上人の碑が置かれていた。ここからようやく登りが始まった。登山道は、木枠でだんだんが作られており、急な階段登りが続いた。一旦尾根を乗り越して谷間を登っていくと、稜線の上に出た。稜線の山頂と反対側をみると、かすかな踏み跡はあるものの、完全に藪に覆われており、ヤブコギを覚悟しないと歩けないようであった。現在では、村雲の池からの往復コースに変わっているようであった。
 稜線沿いの登りということで、後は楽かと思ったが、あいかわらず階段登りが続いた。雨具を着ての歩きであるため、余計に草臥れた。途中、右手から二箇所登山道が上がってきていた。急登を終えると、雨呼山の山頂に出た。山頂は台地状で、ブナ林に囲まれて展望は無かった。ガイドブックには、「ブナに囲まれた静かな山頂で展望はない」と書かれている。静かな山頂というと聞こえは良いが、山頂標識も無く、一般ハイカーには少々渋すぎる山頂ではないだろうか。
 下山途中、僅かに下ったところにある竜神の池をのぞいた。ここも、湧き水を池と称したものであった。傍らには、登山者が記帳するためのものか、赤い郵便受けが置かれていた。この池で雨乞いを行ってきたようであるが、雨の日に登ったら、晴れ乞いにでもなるだろうか。
 下りは、階段が続くために速く、あっという間に林道に戻った。林道の三叉路からは、駐車したジャガラモガラ入り口まではすぐであった。途中で迷ったために、余計な時間がかかったものの、登山に要した時間はそれほどかからない山であった。
 蔵王温泉に戻る途中にある大岡山に寄っていくことにした。山寺から山形に戻る途中の県道脇にある山で、その特徴のある姿から、山自体はすぐに見分けることができた。しかし、花岡の集落内に入り込んで、登山口を見つけるのに苦労した。県道から運送会社の脇を山に向かって進むと、葬儀関係の施設なのか、広い駐車場に入り込んでしまった。その手前のお墓の前から、山に向かって道が分かれていた。農道に車を乗り入れるのはいやだったので、路肩のスペースに車を停めて歩き出すことにした。
 山裾に取り付いて荒れた林道を登っていくと、木のお堂が現れた。倶梨伽羅大聖不動明王とかかれており、不動尊としてお参りされているようであった。車は、頑張れば、ここまで入ることができるようであった。お堂の手前に、大岡山へという道標が置かれていた。ここからは、しっかりした山道が続いていた。ひと登りで、尾根上に出ると、皆ひと休みするのか小広場になっていた。
 山腹にジグザグを切る登りが続いた。赤松がまじる雑木林の中に、山百合の大きな花が咲いていた。山頂手前で、北登山道と合わさると、その角に石の姥像が置かれていた。この姥像も、女人禁制の山に禁を犯して登ったため、石に変えられたという伝説が残されているのだろうか。それにしても、誰でも登ることのできる里山であるし、そこからすぐ先が山頂であるので、言われを知りたいところである。
 大岡山の山頂は、広場になっており、その片隅には三基の石の祠が置かれていた。雨雲の中から山形の市街地の眺めが開けていた。ゆっくり休もうにもヤブ蚊が寄ってきたため、すぐに山を下ることになった。濡れ落ち葉が滑りやすく、足元に注意しながら下る必要があった。
 蔵王温泉に戻り、まだ入ったことのなかった大露天風呂に寄っていくことにした。温泉街の道標に従って進むと、上の台ゲレンデの中間部に向かっての急な登りになった。下から歩いてくるのは辛そうで、温泉客を送迎するマイクロバスが行き来していた。大露天風呂は、上下に二槽の露天風呂が並んでおり、女性用にも奥に同様な風呂が設けてあるようであった。あいにくの雨で、雨避けにタオルを頭にのせての入浴になった。上がり湯や洗い場もないため、遊びに入るのには良いが、登山後の入浴に入るには、少々難有りといったところである。旅館に戻って風呂に入り直した。
 最終日も、霧雨が地面を濡らす状態であった。山形の天気は回復してくるようであったが、宮城は大雨警報が出ていた。境界にある蔵王連峰はあきらめて、米沢の奥の兜山を目指すことにした。
 米沢から綱木を目指すと、途中で大規模のダム工事が行われていた。そのおかげで、立派な道路が整備されており、山奥に進んで道が狭まったと思うと、綱木の集落に到着した。兜山の登山口は、集落を通り過ぎる所にあるグランドとのことであったが、砂防工事の版場の置かれた広場があり、ここに「外来客、登山者用駐車場」と書かれた標識が置かれていた。日曜日とあって、工事は休みであったので、片隅に車を停めた。
 綱木川には、鉄板で仮設橋が架けられて、ガイドブックにある危なげな丸木橋を渡る必要はなかった。橋を渡った先に、ブルドーザーで切り開いた道があり、その入り口に兜山の標識が置かれていた。ブル道は、雨水を吸ってぐずぐずになっており、登山靴が一歩ずつ埋まる状態で、歩くのに難儀した。
 ブル道終点から登山道が始まっていた。杉林の中を小さな沢に沿っていき、右に曲がって緩い尾根を越すと、沢に出た。沢の二俣の中尾根を登っていくと、左手を示す標識が現れた。杉の植林地の中を真っ直ぐに登っていく踏み跡もあるので、ここは間違えないように注意が必要である。左の沢に沿ってしばらくへつり道をいくと、小さな流れになった沢に下りたち、後は沢をからみながらの登りになった。伏流になって水が消えた谷間には杉が植えられていた。谷間の地形と延びた杉のためにGPSは、衛星の信号を捉えることができず、現在地を確認することは難しくなった。ここまでの要所には、米沢道標クラブの立てた白ペンキの標識が立てられているので助けになったが、沢状地形の中を歩いていることもあり、登山道を注意して辿る必要があった。
 沢状の地形を登り詰めると尾根の上に飛び出した。稜線に出てからも急な登りが続いた。落ち葉の積もった土の斜面は、登山者が多くないためステップは彫り込まれておらず、滑りやすくなっていた。登山道脇にはトラロープが固定されており、下りの時はお世話になった。
 尾根を左に巻くようにして登っていくと、壊れた石の祠が転がる小広場に出て、さらに少し先に進むと、三角点の置かれた兜山の山頂に出た。山頂は狭く、小グループが休めば満員になってしまう程度であった。米沢市街地が眼下に広がっていたが、周囲の山の稜線部は雲に覆われていた。展望の良い山頂のようであったが、展望は閉ざされていた。誰も登ってきそうもない静かな山頂であった。
 下山後、近くの小野子温泉の共同浴場で入浴した。上がり湯もない温泉で、浴槽の湯を頭からかぶる必要があったが、湯量も豊富で、誰も入っていなかった。古くからの温泉ということで、入ってみる価値のある温泉であった。喜多方にぬけてラーメンを食べ、会津坂下から高速にのって新潟に戻った。

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