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高坪山


【日時】 2003年5月4日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 蔵王山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
高坪山・たかつぼやま・570.5m・二等三角点・新潟県
大山・おおやま・523.7m・四等三角点・新潟県
【コース】 蔵王コースより荒島城コース
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/中条、小国/坂町、中条、越後下関、安角
【ガイド】 分県登山ガイド「新潟県の山」(山と渓谷社)、新・新潟ファミリー登山(新潟日報社)、新潟花の山旅(新潟日報社)
【温泉】 胎内グランドホテル  300円

【時間記録】 9:00 新潟発=(R.7、十文字、R.113 経由)=10:15 登山者用駐車場〜10:24 発―10:34 高坪山登山道入口―10:37 虚空蔵・蔵王コース分岐―11:03 休憩所―11:16 黒川分岐―11:32 高坪山―11:38 蔵王権現分岐―11:44 飯豊連峰見晴台〜12:03 発―12:23 虚空蔵コース分岐―12:34 大山―13:10 荒島城コース登山口―13:42 高坪山登山道入口―13:48 登山者用駐車場=(往路を戻る)=15:30 新潟着

 北は荒川、南は胎内川に挟まれた、日本海の海岸線に沿って南北に延びる低山帯を蔵王山塊と呼ぶ。高坪山は、この山塊の最高峰である。高坪山は、荒川町梨木からと黒川村蔵王からの登山道が、それぞれ周遊コースとして歩くことができることから、ハイキングの山として親しまれている。最近、荒川町梨木からの登山道として、虚空蔵コースと蔵王コースに加えて、荒島城コースが整備されて、さらに変化に富んだ山歩きができるようになった。
 三連休初日は、川内山塊の五剣谷岳への12時間の日帰り山行を行ったため、二日目は、早起きをする気にはなれず、普通の時間に起きだした。晴天が広がっているのを見て、足慣らしも兼ねて、簡単な山に出かけることにした。高坪山の紹介記事を書く予定であったので、新緑のこの季節にも登っておくことにした。
 あらかわ総合運動公園の脇を抜けて、林道を進むと登山者用駐車場が現れる。実際の登山口は、もう少し先で、路肩駐車でなら車を置いておくこともできるが、歩く労を惜しむことはないので、ここから歩き出すことにした。連休にもかかわらず、駐車場には10台ほどが止まっているだけで、思ったよりも空いていた。多くの登山者は、もう少し高い山に出かけているのだろうか。
 林道を10分ほど登っていくと、右手に高坪山への登山道が始まっている。虚空蔵山荘の前を抜けて杉林の中を進むと、虚空蔵コースと蔵王コースの分岐に出る。一般的には、この二つのコースの周遊をとることが多いが、下山は荒島城コースを使う予定なので、蔵王コースを登りに使うことにした。
 杉林の中をトラバースしていくと、沢に下り立つ。二つの沢の合流点を木の橋で越すと、尾根に向かっての階段状の登りが待ちかまえている。尾根に上がってからの登りは、はじめは傾斜もあり、体調を整えるためにもゆっくり歩き出す必要がある。雑木林の下生えには、チゴユリが、白い花を付けていた。季節が、夏に向かって一段階進んだようである。
 ひと汗かく頃、見晴台に到着した。日本海の海岸線の眺めが広がる所であるが、春霞がかかっていた。傾斜も少し緩やかになり、森林浴といった感じの歩きが続いた。右手の尾根が合わさると、黒川からの登山道が上がってきているが、通行禁止の看板が立てられていた。昨年からこの通行禁止の看板は立てられているが、砂防ダムの工事でもしているのだろうか。
 尾根歩きをしばらく続けると、高坪山の山頂に向かっての最後の登りが始まる。傾斜も少し急になって苦しいところであるが、この付近のブナ林は美しいので、ブナを鑑賞しつつ足休めをしながら登ると良い。
 高坪山の山頂は、小広場になっているが、休んでいる登山者も多く、入れ替わりの記念写真や鐘の音で、落ち着いた雰囲気ではなかったので、先に進んだ。山頂付近のブナ林は、二次林なのか、少し若いが、すらりとして美しい木が多い。坪田氏の「ブナの山旅」ではブナ美人と書かれている林である。三叉路に出ると、右手の蔵王権現方面の登山道は、通行禁止になっていた。
 左手に曲がって稜線沿いの登山道を行くと、飯豊連峰見晴台に到着した。マイクロウェーブの反射板が二枚設置されており、そのため周囲の木立が刈り払われて展望が広がっている。少し霞み気味であったが、杁差岳方面の眺めが広がっていた。草地の広場になっており、腰を下ろしてお弁当を広げるには都合が良い。ビールを飲んでひと休みとした。
 稜線を先に進んでいくと、虚空蔵コースの分岐に出る。一般にはこのコースを下山するが、ここから北に向かって荒島城コースが開かれている。登山道はしっかりしているが、歩く者が少ないためか、落ち葉で足元がふわふわしている。森の深さが一段と増したような感じがした。一旦下った後に小ピークに登り返すと、4等三角点の置かれている大山である。この付近から、ブナの大木が並ぶようになる。ピークから下った谷間には、背の高いブナ林が広がっている。海岸線からも近い里山に、このようなブナ林が広がっているとは、驚きである。荒島城コース自体が知られていないので、このブナ林を訪れる者もほとんどいない。
 登山道は、尾根沿いの急な下りが続くようになる。危険な所は無いが、尻餅をつかないように注意が必要である。小ピークを越して一気に高度を下げていくと、沢音が右手に近づいてきて、最後は杉林の中から広場に下り立つ。ここには荒島城コースの登山標識が立てられている。桑畑の脇の農道を歩いていくと三叉路に出て、車を置いた駐車場には左折する。
 田圃道を歩いていくと、40分ほどで駐車場に戻ることができる。車を二台用意すれば、林道歩きを省略できるが、途中で未舗装区間があり、路面が荒れて通行困難な場合もある。林道歩きもハイキングのうちと割り切る必要があるであろう。
 三連休二日目の足慣らしとして、高坪山は良い運動になった。


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