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木六山


【日時】 2003年4月20日(日) 日帰り
【メンバー】 てくてく会(6名)
【天候】 雨

【山域】 川内山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 木六山・きろくやま・825.1m・三等三角点・新潟県
【コース】 悪場峠より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/御神楽岳/高石
【ガイド】 なし
【温泉】 村松さくらんど温泉 700円 貸しタオル付き

【時間記録】
4月19日 21:00 新潟発=(R.49、R.403、新津、五泉、村松、田川内 経由)=22:50 悪場峠  (車中泊)
4月20日 5:11 悪場峠発―5:28 仏峠―5:40 水無平分岐〜5:45 発―6:20 祠〜6:30 発―7:08 グシノ峰分岐―7:12 木六山〜7:22 発―7:26 グシノ峰分岐―8:00 祠―8:39 水無平分岐―8:51 仏峠―9:07 悪場峠=(往路を戻る)=14:40 新潟着

 新潟平野の入口で阿賀野川にそそぎこむ早出川の流域には、川内山塊と呼ばれる山々が広がっている。川内山塊は、深く刻まれた渓谷に雪崩によって磨かれた岩壁が落ち込み、また低山であるために密薮に覆われ、登山道も一部にしか付けられておらず、藪山愛好家のあこがれの山域になっている。木六山は、その中でも登山道が整備されている数少ない山であり、また銀次郎山、銀太郎山、五剣谷岳といった山塊深部への入口の山として、登山者に親しまれている。
 山友達のとんとんより銀太郎山への誘いが入った。銀太郎山までは登山道が通じており、その先には五剣谷岳がある。木六山には登ったことがあるが、その先は歩いておらず、五剣谷岳を登るためにも、道のある銀太郎山までは歩いておきたかった。また、木六山へは、杉川沿いの登山口からグシノ峰あるいは水無平経由で登るのが一般的であるが、悪場峠から歩き出すと、水無平までは短時間ですむことから、このコースを確かめておく必要があった。
 銀太郎山まで歩く予定であったので、悪場峠に5時集合とした。5時集合となると、3時には起きる必要があり、それくらいなら前の晩に登山口に入って、野宿した方が良い。あいにくと雨の天気予報が出てしまった。土曜の晩には、昼間の雨は止んでいたため、登山を中止するきっかけも得られなかった。偵察がてら、木六山まで歩ければ上出来と思うことにした。
 悪場峠への林道林道哺土原線は、直前のとんとんの偵察では、杉川側からは残雪のために通行不能であったが、早出川ダム側からは峠まで車で上がることができたという。深夜近くに、早出川ダム側から林道に入り、悪場峠をめざした。この林道を走るのは初めてであったが、普通の舗装道路であった。ここらが悪場峠と思われる所に到着したものの、暗い中では周辺の様子は判らず、とりあえず朝を待つことにした。
 4時過ぎに起きて湯を沸かしていると、杉川方面から、二台の車でとんとん一行が上がってきた。雨は止んでいたものの、厚い雨雲がたれ込めていた。明るくなるのも遅くなり、まずは朝のコーヒーを飲んでから登山の準備をした。
 水無平への山道の入り口は、地図上で悪場峠と書かれた右手のカーブ地点である。小さな沢が入り、右手の杉林に向かっても踏み跡があるが、左手の草付きの斜面に水無平への山道が続いている。赤布が残されていたものの、標識のようなものは無く、この入り口は判りにくい。足下が滑りやすい斜面を登っていくと、尾根沿いの登りになって、450mピークの乗り越しになった。左に分かれる踏み跡を見送って直進し、尾根の乗り越し部に出ると、仏峠という標識があり、一段上がったところに小さな祠が置かれていた。
 仏峠からは、左手の尾根沿いにも踏み跡が続いているが、水無平へは直進する。山の斜面をトラバースする道は歩きづらく、足下に注意する必要があった。緩やかに下っていくと、杉川方面から登ってきた登山道との合流点に出た。水無平は、雑木林が所々に点在し、雪消え後の枯れ草で覆われており、カタクリの群落が山の斜面に広がっていた。ただ、ここのカタクリは、環境がきびしいためか、弥彦・角田山塊でみるカタクリと比べると、小振りであった。
 雨が本降りになったため、雨具の上着を着込んだり、ザックカバーを付けていると、男女二人連れが追いついてきた。言葉を交わすと、五剣谷岳に登るとのことであった。こちらは、雨の中で無理をする気にもなれず、木六山までで引き返すつもりになっていた。
 後でGPSのトラックデーターを見ると、この合流点は地図上で水無平と書かれている上の窪地マークのすぐ北側であった。地図に書かれている登山道は、水無平から稜線上までの間は、位置がかなり違っているので注意が必要である。
 水無平を横切っていくと、左手に踏み跡が分かれ、十三沢という標識が置かれていた。山の斜面に取り付くと、足下が泥で滑りやすい急な登りが始まった。途中で、ひどを一部辿ってから横に逃げるようなところもあり、踏み跡や残置テープに注意しながら登る必要があった。
 稜線上に出ると、小さな祠が置かれていた。日本平山方面の展望が開けたが、山頂部は雲で覆われていた。この先は、雪堤が続くようになり、雪の上と、登山道を交互に辿るようになった。木六山の北の肩部の急登を終えると、グシノ峰からの登山道が合わさり、その先は、雪の斜面をひと登りすると木六山の山頂に到着した。矢筈山岳会が川内山塊のピークに立てた山頂標識が、ここにも置かれていた。
 木六山から先の縦走路は、豊富な残雪が残されていた。展望の山頂であるが、見晴らしはガスのために閉ざされていた。今日のところは、木六山に登ったことで満足しよう。風が冷たく、記念写真を撮るなり、下山に移った。
 残雪上の下りは、雪もほどほどに柔らかくて歩きやすかったが、土の上は滑りやすく、尻餅をつかないように注意が必要であった。悪場峠に戻ったところで、雨脚は強くなっていた。登山終了の時間は早かったが、心は温泉に飛んでいた。

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