0325

笠峰


【日時】 2003年4月19日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 雨

【山域】 白山・粟ヶ岳山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 笠峰・かさみね・483.8m・三等三角点・新潟県
【コース】 松平橋より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/越後白山
【ガイド】 なし
【温泉】 七谷コミュニティーセンター 100円 備品無し(沸かし湯)

【時間記録】 10:00 新潟発=(北陸自動車道、巻潟東IC、加茂、黒水、下高柳、上高柳 経由)=11:30 松平橋〜12:00 発―12:04 送電線分岐―12:48 稜線上―12:58 笠峰―13:26 590mピーク―13:35 小乙・高柳分岐―14:05 林道―14:14 青木滝入口―14:23 松平橋=(上高柳、下高柳、加茂、R.403、亀田、R.49 経由)=16:40 新潟着

 新潟平野の縁に沿ってひろがる白山粟ヶ岳山塊は、白山から宝蔵山、さらに鞍部の橋立を経て、権ノ神岳から粟ヶ岳に続いている。橋立への麓からの登山道としては、上高柳と小乙からの道が利用されているが、橋立から西に延びる稜線が二つの集落を隔てている。この稜線上にある三角点ピークが笠峰である。
 朝方に用があったので山への出発は遅くなった。半日コースで、しかもあいにくの雨の中でも登ることのできる山として、笠峰に出かけることにした。先日、えび太が出かけたものの、道が判らずに引き返したというので、改めて歩いてみることにした。
 先回は、登山道の様子が判らず、送電線巡視路を使って稜線に上がったまではよかったが、その先は道が無かった。ヤブコギで山頂を目指したところ、山頂手前の稜線部で、下から上がってきた登山道を発見し、下山にこの道を辿って戻った。下からこの登山道を登っていないので、判りにくい場所が有るのか確かめる必要があった。
 上高柳の集落を過ぎると、高柳川沿いの林道となる。尼池山近くの鉄塔に上がっていく林道の入口を過ぎると松平橋があり、渡った先の杉林に笠峰登山口の標識が立っている。登山口を少し過ぎた杉林の中に駐車スペースを見つけて車をとめた。まずは、コンビニ弁当で腹ごしらえをしていると、山菜採りなのか、三台の車が前を通りすぎては戻っていった。
 雨は本降りのため、雨具を着込み、傘をさしての出発になった。履き物は長靴なので、雨を気にする必要はなかった。今回の目的のひとつに、GPSで登山コースを確認することがあった。しかし、谷間と杉の植林地のために衛星の捕捉状態が悪く、トラックデーターはとぎれとぎれになったが、それでも歩いたコースの見当をつけるには役に立った。
 登山口の標識から杉林に入り、一旦高柳川の下流に向かって少し歩いた後に、右手に枝沢の谷間を見ながらの登りが始まる。ひと登りすると、硬質ゴム板を埋め込んだ階段が現れ、二群目を過ぎて、三群目に取りかかろうとするところで、左に山道が分かれる。直進する道は送電線の巡視路で、この道の方が良く整備されているが、笠峰への登山道は左の山道である。この分岐には標識は無く、古いビニールテープの切れ端が残っているだけなので、注意が必要である。
 山道は、杉林の中を、トラバース気味に登っていくだけで、なかなか尾根の登りには転じない。2万5千分の1地図で、加茂市の「茂」の字が置かれている尾根に取り付くと思っていたのだが、結局、「市」の左の尾根を登ることになった。
 杉林を抜けると、山道の周辺には、一面のカタクリの群落が広がるようになった。人もほとんど歩いていないため、山道の上前広がってきている花を踏まないと歩けない状態であった。雨に濡れて、カタクリお花は下を向いたままであったが、その中に白花のカタクリを見つけることができた。今年は、他の山で白花のカタクリの報告があって、うらやましく思っていたのだが、ようやく自分でも写真を撮ることができた。しばらく写真の撮影タイムになった。
 尾根に取り付くと、急な登りになって、一気に高度を上げた。稜線に上がると、これまで以上に広い切り開きの道が続いている。鉄塔巡視路方面の稜線伝いには、境界見出し標の赤い杭が埋められていたが、道は切り開かれてはいなかった。前方に迫ってきた高まりに向かってひと登りすると、三角点の置かれた笠峰の山頂に到着した。
 三角点の周囲は刈り払いの広場になって、宝蔵山や権ノ神岳方面の展望が広がっているが、雨空のもとでぼんやりと霞んでいた。雨の日にわざわざ登ってきたので、展望については、文句をいう訳にはいかない。先回は、この先に道が続いているのをみて、小乙・高柳分岐まで進んでみたものの、登山道の続き具合を確かめるために戻ってきてしまった。今回は、小乙・高柳分岐から下って周遊することにした。
 笠峰は、三角点より進んだ先が最高点となるが、その先の下りにかかるところで、下っていき、再び登っていく尾根沿いの登山道を目で追うことができ、すばらしい展望が開ける。幅3m程の切り開きであるが、歩く者が少ないためか、リョウブがはびこりはじめていた。春先の今の季節では、歩くのには支障はないが、葉が茂った直では、足下が隠されてしまうかもしれない。
 登山道の周辺には、イワウチワの群落が広がり、マンサク、タムシバ、オオカメノキの花も咲いていた。次の590mピークへの登りは急な登りになるが、振り返ると、笠峰が三角形の山頂を聳えさせている。590mピークの次の601mピークを越して下っていくと、小乙・高柳分岐に到着する。ここは十字路になっており、宝蔵山と権ノ神岳の鞍部の橋立と、高柳、小乙方面にははっきりした標識が立てられているものの、歩いてきた笠峰方面の標識は無い。
 高柳方面には、幅広のしっかりした道が続いている。雑木林の中を大きくカーブしながら続く道は、歩いていても気持ちが良い。杉林の中に入ると、林道に飛び出す。以前は、この登山口で林道は終点になっていたのだが、谷奥に向かって林道が延びていた。林道も前よりは整備されて走り易くなっているようであった。後は、整理運動よろしく林道を下っていくと、青木滝との分岐に出て、その先で車に戻ることができた。
 白山と粟ヶ岳に、年間どれくらいの登山者がいるのか知らない。それに比べると、宝蔵山と権ノ神岳の登山者は格段に少なくなるであろう。さらにこの笠峰であるが、地図にも名前が記載されておらず、登山道があることを知っている者はごく僅かであろう。笠峰は、山頂まで1時間ほど。周遊コースで歩いても、半日コースである。もっと歩いてもらいたい山である。せっかくの切り開きが藪に帰らないために。
山行目次に戻る
表紙に戻る