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弥彦山
守門・大岳


【日時】 2003年4月5日(土)〜6日(日) 各日帰り
【メンバー】 テクテク会(5日:14名 6日:21名)
【天候】 5日:雨 6日:曇り

【山域】 弥彦・角田山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 弥彦山・やひこやま・634m・無し・新潟県
【コース】 八枚川登山口より雨乞山コース・妻戸尾根周遊
【地形図 20万/5万/2.5万】 長岡/弥彦/弥彦
【ガイド】 なし
【温泉】 てまりの湯 500円(タオル付き)

【山域】 守門山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 大岳・おおだけ・1432.6m・三等三角点・新潟県
【コース】 二分より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/守門岳/穴沢、守門岳
【ガイド】 積雪期コース なし
【温泉】 守門温泉SLランド青雲荘 500円

【時間記録】
4月5日(土) 8:00 新潟発=(新新バイパス、新潟西バイパス、R.116、県道新潟・寺泊線 経由)=9:48 八枚川登山口発―10:10 稜線―10:49 能登見平―11:08 妻戸山分岐―11:17 弥彦山―11:35 レストハウス〜12:44 発―12:56 弥彦山―13:01 妻戸山分岐―13:58 八枚川登山口=(中之島、見附、栃尾、R.290、渋川、R.252、大白川 経由)=16:30 大雲沢ヒュッテ (大雲沢ヒュッテ泊)
4月6日(日) 7:00大雲沢ヒュッテ発=(大白川、R.252、渋川、R.290 経由)=7:30 二分除雪終点〜8:10発―8:56 大平車道終点―9:33 林道―10:12 保久礼―10:54 キビタキ小屋―12:08 大岳〜12:15 発―12:45 キビタキ小屋〜13:30 発―13:47 保久礼―14:23 林道―14:53 大平車道終点―15:29 二分除雪終点=(R.290、栃尾、亀貝IC、長岡東バイパス、中之島見附IC、北陸自動車道 経由)=18:00 新潟着

 弥彦山は、越後平野の日本海際に、角田山や国上山と共にひとつの山塊を作る山である。山頂は、越後一宮として名高い弥彦神社の奥の院の置かれた弥彦山と、一等三角点の置かれた多宝山のふたつのピークに分かれている。弥彦山への登山道としては、弥彦神社からの表参道と、日本海側の西生寺からの裏参道が良く利用されているが、中部北陸遊歩道として、西に延びる妻戸尾根沿いに登山道が整備され、それに加えて、八枚川登山口より雨乞山近くの三山縦走路への道も整備され、周遊コースとして歩くことができるようになった。

 守門岳は、新潟県の中越の会津との国境近く、浅草岳と隣り合う独立峰である。裾野を大きく広げたコニーデ型火山で、大岳(前守門)、青雲岳(中守門)、主峰の袴岳(奥守門)と頂稜を連ねている。この山は200名山に挙げられているが、山スキーの古典ルートとして知られており、特に大岳はへたなスキーゲレンデに負けないくらいの山スキーヤーで賑わっている。

 インターネットの山仲間で作るテクテク会では、今年で三年目になるが、3月末から4月の始めの雪割草の時期に合わせて、弥彦山のお花見と残雪登山のツアーを組んできた。今年は、八枚川登山口から弥彦山に周遊コースで歩き、夜は大雲沢ヒュッテに泊まって、二日目に守門大岳に登山という計画を立てた。
 毎年、この二日間の山行には、多くの参加者が集まるが、今年も、一日目14人、二日目21人という大所帯になった。
 弥彦山登山は、てまりの湯に集合となった。あいにくの雨であった。このコースの下見に登ったのは、3月1日で、その時に雪割草の咲き始めを眺めたものの、その後は残雪の山でいそがしく、弥彦・角田山塊からは遠ざかっていた。この後の予定も、残雪山行が入っており、今回が雪割草の花を見る唯一のチャンスであったのだが、この雨では花は開かず、来年を期待するしかないようであった。
 少し早めにてまりの湯に到着してみると、埼玉からやってくるマークと綾子を燕三条駅でピックアップしているとんとん他数名を待つ状態であった。とりあえず、雨具を着て出発の準備をした。
 八枚川登山口の駐車スペースは狭いため、数台の車を置いて登山口に向かった。幸い、雨のために、3台ほどの車があっただけで、車を無事に停めることができた。
 登山口の滝のかかる沢を渡ってひと登りし、滝の落ち口の上で沢を渡ると、尾根沿いに登山道が続いている。急登がしばらく続くが、皆、傘を片手に歩いているので、足元の泥斜面が滑りやすいこともあり、歩くのに苦労していた。
 尾根の回りに、雪割草の白い花が目に入るようになったが、どの花もとじていた。カタクリの花は盛りのようで、登山道脇にびっしりと咲いていたが、下向きのままで雨のしずくを垂らしていた。キクザキイチゲ、コシノコバイモ、ナニワズといった花も見られ、種類は違うといえ、夏山シーズン盛りの北アルプスにもひけをとらないお花畑が続いていた。
 雨乞山近くの稜線に登り着いたところで、ひと休みした。左手に日本海を見下ろしながらの稜線歩きになった。風が強くなり、傘はしまいこむことになった。カタクリのベルトは続いていたが、次第にだれも気にしなくなってきた。
 能登見平で西生寺からの登山道を合わせると、この先は、裏参道として良く踏まれた道になった。雨の中でひときわ鮮やかなマンサクの花を見ながら登っていくと、妻戸山の分岐に到着した。ここから弥彦山の山頂はすぐ上に見えるのだが、それさえも雨で隠されていた。残雪の残る坂道をひと登りすると弥彦山の山頂に到着した。奧社の前の広場からは、ただ一面の白い空間を眺めるだけであった。山頂での記念写真を撮るなり、昼の宴会のために鞍部のレストハウスに下ることにした。
 残雪で歩きにくい坂を下り、暖かいレストハウスに入った。アラレにうたれて、ほうほうの体でここに逃げ込んだ一年前の弥彦・角田山塊縦走を思い出す。野菜ラーメンと生ビールをたのんだが、その他に持ち込みのおかずも回ってきて、いつものような賑やかな宴会になった。腹もいっぱいになった所で外に出てみると、軒下で雨と風にさらされながら、ラーメンを煮て食べている登山者が大勢居るのに驚かされた。山頂で食事をするならともかく、軒下で休憩するくらいなら、少しの出費は覚悟して、レストハウス内で休めばよいものを。
 下りは、妻戸尾根を下った。雪割草の群落が広範囲に広がっていた。ただ、雑木林の下に踏み跡ができかかっているので、そのうち、この登山道沿いにもロープが張られて、登山道以外立ち入り禁止になってしまうのかもしれない。雨のために、開いている雪割草はごく僅かであった。
 下山後、てまりの湯に入り、この日の山行の集まりについては解散になった。
 栃尾経由で大雲沢ヒュッテに向かった。ヒュッテにつくなり、お茶代わりの一升瓶が回ってきて、宴会の幕開けになった。早いペースで飲んだため、手打ちソバが出てきた頃には、布団に潜り込む者も出てきた。浅井さんのギター伴奏での熱唱も飛び出したが、翌日の山行のこともあってか、一同は意外に早く眠りについた。
 翌朝は、本降りの雨になった。天気予報では午後には回復するとのことであったが、雪ならともかく、ミゾレ混じりの雨では歩けそうになかった。場合によっては角田山へ戻ることも考えて、とりあえずは当日の参加者が待っている二口の登山口に向かった。
 除雪は、以前来たときの二口集落先よりも進み、おおだいら橋の手前まで終わっていた。登山者の車の一列縦隊駐車の列が長く続いていた。スキーを履いたりつぼ足のグループが山に向かって歩き出していた。幸い雨は止んでおり、この様子なら歩きだせそうで、さらなる天気の回復を期待して大岳登山を行うことにした。
 今回は、スキー組が4名いたため、山頂で遊んでみようかと思って、フリートレックをザックに括り付けた。結局雪も柔らかくフリートレックで滑るのは難しそうであったのと、山頂付近での視界不良のために、滑って遊ぶ余裕もなく、途中でわかん代わりに履いただけに終わった。
 以前に残雪の大岳登山に来た時は、大平まで除雪されていた。浅井さんに尋ねると、現在では住人がいなくなって除雪されなくなったとのことであった。
 橋を渡ったところからショートカットし、戻ってきた車道に再びのった。緩やかに段丘に向かって登っていく車道は距離があり、雪原の広がる大平に出るまでに結構疲れてしまった。林道の終点から沢沿いの登りを続けた。トレースはしっかり付けられていたが、途中で幾つかに別れるので、どれを辿るか判断する必要があった。
 車道の通過している長峰からは、なだらかな尾根沿いの歩きがしばらく続いた。僅かな下り坂が現れ、その下の鞍部に保久礼小屋が立っていた。ひと息ついたが、ここから本格的な登りが始まる。雪の斜面にキックステップを蹴り入れながらの登りが始まった。夏には、階段も現れるところだそうだが、夏にはまだ歩いていなかった。登るにつれて美しいブナ林が広がるようになった。先日の雨がこの標高では氷に変わったのか、木の枝に白い花が咲いたような姿を見せていた。
 きびたき小屋は三角屋根の一部が顔を覗かせていただけであった。ブナ林もこの付近では大木が並んでひときわみごとであった。登るに連れてガスに覆われるようになり、風も強くなり気温も下がってきた。不動平を過ぎるころから視界も10m程になってきた。雪の表面もクラストしはじめ、足をのせると割れて落ち込むため、歩きづらかった。この悪天候にもかかわらず、大勢が登っているようで、先行者のトレースが続いていた。
 足が止まるような登りが続いた。GPSの電池交換のため、少し遅れてからグループに追いつくと、視界不良のために引き返そうかという声も上がったようであった。GPSを見ると、大岳の山頂まではあと200mの距離が残っているだけなので、山頂を目指すことにした。山頂らしき最高点で、ひと集団がスキーを履いて滑り出す準備をしていた。三角点の位置よりは少し南に寄ってしまったようであったが、この付近で一番高そうなため、山頂到着とすることにした。視界不良の中、下手に動いて雪庇から落ちたら大変である。風にさらされているだけで、皆の髪の毛や眉に氷が張り付き、下手なドラマの年寄り役のような白髪頭になっていた。お互いの顔を見て笑いあった。
 長居は無用ということで、記念写真を撮るなり下山に移った。浅井さんにはしんがりについてもらって、GPS頼りに下山することにした。トレースが山頂の南に寄っていたため、うかつに下山方向を真西にとると、谷に迷いこむ可能性もあったのだが、GPSでは、来た道を戻れば良いので、問題なく下山できた。スキーのトレースが縦横に描かれ、歩きのトレースは意外に見えにくいものになっていたので、GPSの威力を改めて認識した。
 きびたき小屋のブナ林に戻った所で昼食にした。風当たりは弱くなったとはいえ、30分を過ぎると寒くなったので下山に移ることにした。長峰への尾根を辿る頃には、ようやく天気も回復し、大岳が見送るかのような姿を見せていた。下山を終える頃には、足にもかなりの疲労が出ていた。
 遠来の参加者もおり、快晴の山を見せたかったのだが、天気ばかりはどうしようもない。春の思わぬ寒さに、良い経験をしたと思ってもらうしかない。いずれにせよ、来年もまた同じような山行を計画するので、それを期待してもらおう。


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