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萱峠


【日時】 2003年2月16日(土) 日帰り
【メンバー】 てくてく会(11名)
【天候】 曇り後雪

【山域】 長岡東山連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
萱峠・かやとうげ・670m・なし・新潟県
【コース】 あまやち会館下より
【地形図 20万/5万/2.5万】 長岡/長岡/半蔵金
【ガイド】 なし
【温泉】 あまやち会館 500円(沸かし湯)

【時間記録】 6:40 新潟発=(北陸自動車道、中之島見附IC、R.17、横枕、虫倉、南平、種苧原)=8:10 あまやち会館下〜8:35 発―9:34 取り付き―10:03 稜線分岐―10:31 萱峠〜10:35 発―10:47 稜線分岐―11:00 展望台〜12:18 発―12:41 取り付き―13:35 あまやち会館下―=(往路を戻る)=17:00 新潟着

 長岡の東には、鋸山を盟主とする、東山連峰と呼ばれる稜線が連なっている。この東山連峰の範囲は定かではないが、一般には、北の森立峠から、八方台、鋸山、花立峠、萱峠を経て猿倉岳あたりまでと考えられているようである。北部の八方台や鋸山は、ハイキングの山として親しまれているのに対し、萱峠や猿倉岳は、稜線部を車道が通過しており、登山の対象からは外れた感がある。しかし、豪雪地にあるため、雪の季節には、雪山登山を楽しむことができる。
 萱峠は、稜線の窪んだ所の乗り越え部ではなく、猿倉岳の北側の小ピークをさしている。これは飯豊連峰近くの高井峠と同じで、昔の山越え道が、谷沿いではなく、稜線伝いに付けられていたため、その乗り越え部のピークに峠の名前が付けられたものと思われる。夏は牧場となっているため、冬には里山とは思えないような大雪原が広がっている。
 てくてく会の2月の会山行として、昨年の荒沢山に続いて、今年は山古志の萱峠を選んだ。雪が少ない今年であるが、この一帯は、新潟周辺でも有数の豪雪地帯であり、たっぷりとラッセルを楽しめるはずであった。
 中ノ島見附IC 出口で落ち合い、虫倉経由で種苧原に向かった。長岡周辺の雪は消えていたが、虫倉あたりからは、道路脇に除雪でできた雪の壁が続くようになった。種苧原の集落内からは、看板に従って、あまやち会館方面へ左折した。あまやち会館への道が分かれる分岐で、県道の除雪は終わっている。車道の奥につめる様にして我々の車を停めた。現地集合の二人も到着しており、無事に全員が集まった。
 雪壁の高さは2mを越え、車道から雪原に上がるのに、スコップで足場を刻む必要があった。今回の参加者は、山スキー1名、スノーシュー3名、その他がワカンという装備になった。前日の晴天と、夜の冷え込みで、雪はもなか状となっていた。スノーシューでは潜らないが、ワカンでは、体重の重い者は、もぐって足を取られていた。
 林道歩きをしばらく続けるといっても、一面の雪原で、道がどこにあるのか判り難くなっていた。一年前の記憶を頼りに、山に向かった。昨年の経験では、林道は雪に埋もれて、谷に落ち込むところがあったため、尾根通しに歩くことにした。昨日の二倉山の疲れが残っており、先頭でのラッセルが辛く感じられた。
 山際に到着した所で、林道から離れて、稜線に向かっての直登が始まる。スノーシューでも登れる傾斜であるが、息が切れて辛い登りになった。この登りには、つづら折りに山道が続いているようで、途中の杉林が、その目印のように思えた。
 稜線を通っている林道に上がって、ひと息ついた。天気は崩れ始めたようで、雪が降り始めていた。萱峠と猿倉岳のどちらを先にするか迷ったが、雪原の萱峠は、雪で視界が閉ざされると、一面の白一色になってしまうため、先に登る事にした。
 稜線の上に進んでから右手に方向を変えた。雪原を進んでいくと、左手に牛舎らしいカマボコ屋根の建物が現れた。だらだらの登りが続き、前方にもピークが見えて、どこが萱峠の頂上か判りにくかった。結局、GPSによって、萱峠の位置を判断できたが、もしなかったら、下山後も本当に萱峠の頂上に立ったのだろうかと疑問が残ったことであろう。雪も本降りになって、先ほどまでは見えていた猿倉岳も隠されていた。
 周りは白一色で、どこの写真か判らないであろう記念写真を撮ってから、来た道を引き返した。本降りの雪に登山の意欲を失い、疲れたこともあり、猿倉岳は止めようという気になってきた。他の皆に聞くと、これで十分ということなので、休み場所を探すことにした。稜線に登りついた所から猿倉岳方面に少し進んだところに、コンクリート製の展望台が建てられている。一階部分に潜り込めば、休めそうに思えた。
 近づいてみると、展望台の一階部分は、三方が吹き抜けであったが、中にはベンチが置かれていた。入り口付近は雪の吹き溜まりになっていたので、持ってきたブルーシートを展望台の二階から垂れ下げて、下を雪で押さえた。横の二面の入り口は狭かったので、板で押さえると、吹き込む風は、そう強くなくなった。休み場が確保できて、さっそく宴会を始めた。めいめいが十分な食料と酒を持ってきており、宴会は盛り上がった。外の雪は本降りになっていた。
 宴会を終え、スノーシューを履くためにかがむと苦しい状態で、下山に移った。急坂の下りは、慣れないと難しいものであるが、遅れながらも、少し待つうちに全員が下ってきた。後は、賑やかなおしゃべりを続けながら、登山口まで戻った。
 下山後は、あまやち会館へ直行した。ここは沸かし湯のようで、その割には500円と高めのように感じたが、われわれ一行を見て、ひと部屋を休憩のために割り当ててくれたため、印象は良いものになった。
 萱峠での展望は得られなかったが、雪山に登って、飲んで、楽しむという目的は果たすことができた。猿倉岳は、また来年の課題とでもしておこう。


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