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蝉峠山


【日時】 2003年2月9日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 西会津
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
蝉峠山・せみとうげやま・535.2m・二等三角点・福島県
【コース】 林道入口より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/野沢/徳沢、野沢
【ガイド】 なし
【温泉】 ロータスイン 400円

【時間記録】 7:40 新潟発=(磐越自動車道、西会津IC 経由)=9:10 岩井沢への林道入口〜9:32 発―9:46 林道分岐―10:34 尾根上―11:14 東峰―11:24 蝉峠山〜11:47 発―11:54 東峰―12:12 尾根上―12:31 林道分岐―12:48 岩井沢への林道入口=(往路を戻る)=15:10 新潟着

 蝉峠山は、西会津町野沢の阿賀野川左岸に位置する山である。国道49号線からも、この山を良く眺めることができる。
 国道49号線や磐越自動車道で西会津の野沢に近づくと、周囲に平野が広がり、山の眺めが飛び込んでくる。まず一番に眺めるのは、飯豊連峰の眺めであろうが、会越国境の山や道路脇にある須刈岳の鋭峰にも目が停まる。須刈岳の隣の蝉峠山は、標高も一段高く、一回り大きい山裾を広げているが、一般登山道も無いことから、注目されることは少ない。
 昨日の快晴は続かず、夜になってから雨となり、今日の天気は曇り後晴というものであった。天気の回復待ちも必要で、そう長くはかからない山を捜す必要があった。地図を眺めていき、西会津の蝉峠山に目がとまった。特にこの山に思い入れがある訳ではないが、高速のインターにも近く、下山後の温泉もあるのが良かった。
 蝉峠山の南には、山に囲まれるように岩井沢の集落があり、国道から車道が通じている。岩井沢まで進み、そのまま西の稜線に上がって、蝉峠山の山頂に回り込むというルートも考えられたが、東峰から南に落ち込む尾根を使うことにした。尾根の末端は急であるため、その手前の林道分岐から、杉林を斜めに登っていき、尾根の途中に上がるというルートを考えた。一番難しそうなのは、目印の乏しい杉林の登りであったが、GPSの練習には良さそうであった。
 新潟では雨は止んでいたが、県境を越すと霧雨が降り出し、ワイパーを動かしながらの運転になった。西会津ICで高速を下り、登山口の岩井沢を目指した。磐越西線と平行に走る道を進んでいくと、岩井沢への車道入口に出た。予想に反して、車道は雪に覆われていた。岩井沢は、地図では六軒程の家が書かれているが、今では廃村になっているようであった。身支度を整え、コーヒーを飲みながら様子見をしていると、霧雨も上がり、重い腰を上げた。
 昨晩の雨のために雪は重くなっていたが、ワカンの跡もあり、沈み込みは少なかった。橋で沢の右岸に渡ると、溜池に沿っての歩きになった。前方に落ち込む尾根の手前で林道が右に分かれ、ここが取り付きの予定地点であった。車でここまで入るつもりであったので、15分程余計な時間がかかったが、大したロスタイムではなかった。
 見通しの利かない杉林の中の登りは、GPSが役に立った。平らな斜面のように見えても、予想しない尾根が現れたり、急斜面を迂回したりで、うっかりすると方向が逸れそうになった。西に向かえば、山頂から南に延びる尾根にぶつかることは確かなのだが、地図上で予め決めたルートから大幅に外れるのは、技術の未熟さを示すもので面白くない。
 途中で、杉の植林のための作業道を横切った。歩き始めの林道から分かれてきているような感じであった。杉林がようやく尽きると、目標地点で尾根に乗ることができた。尾根上は、藪も少なく、雪の回廊が山頂に向かって続いていた。飯豊方面の展望も開けていたが、飯豊連峰は雲の中であった。標高400m〜450m付近で尾根の傾斜は増していたが、近づいてみると、尾根を右手に巻くように、作業道のような切り開きが続いていた。白いベルトが本当に道なのかは判らなかったが、おかげで、楽な登りを続けることができた。450m地点からは、東峰が目の前に迫ってきた。
 元は赤色であったと思われるオレンジ色のビニールテープが灌木に取り付けられていた。雪のベルトを外れた藪の中に付けられていたので、雪の無い時期の登山者が付けたもののようであった。数メートルの短い間隔で付けられている所もあり、雪の無い時期には相当濃い藪が広がっているようであった。
 それ程の急登もないままに、東峰に到着した。コースを西に変えて、僅かに下った後に登り返すと、蝉峠山の山頂に到着した。雪原の上に測量の紅白棒が頭を出しており、この下に三角点が埋まっているようであった。雑木林に囲まれていたが、木の間隔が開いているため、明るい感じの山頂であった。飯豊方面の展望を楽しむなら、尾根の途中で木立が切れる所があった。風が冷たく、窪地に入ってひと休みした。
 下りは、スノーシュー歩きに丁度良い傾斜のために、楽に下ることができた。ウサギやカモシカ、クマの足跡が残るだけの静かな山であった。杉林の中は、GPSの表示を見ながら、歩きやすい所を適当に選びながら下っていくと、あっさりと林道分岐に飛び出した。
 昼になって西会津では青空が広がったのだが、新潟に向かって県境を越すと、厚い雲が垂れ込めていた。

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