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高坪山


【日時】 2003年2月1日(土) 日帰り
【メンバー】 岡本、ほのり
【天候】 曇り時々雪

【山域】 蔵王山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
高坪山・たかつぼやま・570.5m・二等三角点・新潟県
【コース】 蔵王コース往復
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/中条、小国/坂町、中条、越後下関、安角
【ガイド】 分県登山ガイド「新潟県の山」(山と渓谷社)、新・新潟ファミリー登山(新潟日報社)、新潟花の山旅(新潟日報社)
【温泉】 えちごせきかわ桂の関温泉ゆーむ 500円

【時間記録】 6:20 新潟発=(R.7、十文字、R.113 経由)=7:30 あらかわ総合運動公園〜7:56 発―8:15 登山者駐車場〜8:20 発―8:29 林道入口―8:42 虚空蔵コース分岐―9:55 休憩所〜10:02 発―10:25 黒川分岐―10:58 高坪山〜11:40 発―11:58 黒川分岐―12:00 休憩所―12:46 虚空蔵コース分岐―12:50 林道口〜12:55 発―13:03 登山者駐車場―13:20 あらかわ総合運動公園=(往路を戻る)=16:20 新潟着

 北は荒川、南は胎内川に挟まれた、日本海の海岸線に沿って南北に延びる低山帯を蔵王山塊と呼ぶ。高坪山は、この山塊の最高峰である。高坪山は、荒川町梨木からと黒川村蔵王からの登山道が、それぞれ周遊コースとして歩くことができることから、ハイキングの山として親しまれている。
 夏にはハイカーで賑わう高坪山であるが、冬に入山する登山者は少ない。新潟の冬山は、ごく僅かな山に限られてしまうので、少しでもレパートリーを広げる意味でも、冬の高坪山に興味を持った。
 ほのりさんがプラブーツを買ったというので、その足慣らしを兼ねて、高坪山に誘った。豊栄道の駅で待ち合わせて、荒川町に向かった。週半ばの大雪から天気も回復し、時折小雪が舞う天気になっていた。ここのところ、週の半ばは荒天で、週末はまずまずの天気が続いている。
 除雪の関係で、どこまで車で入れるかが判らなかった。国道からスポーツ公園への道に入ると、雪が深くなって時折車の腹をする状態になった。ただ、除雪はされており、雪の深いのは所々の吹き溜まりで、車をなんとか進めることができた。野球場の手前で、それ以上車を進めるのは諦めた。
 今回は、ほのりさんにはスノーシューを試しに使ってもらうことにした。私は、フリートレックにワカンの組み合わせで登ってみることにした。尾根の登りはフリートレックには厳しそうであったが、林道歩きもあるので、帰りは少しは楽ができるかもしれないという腹づもりであった。
 車道の除雪は奥に向かって続いていたが、途中に吹き溜まりができており、車を止めた場所は正解のようであった。登山者用駐車場を過ぎて、高坪山登山口の林道分岐までは長い歩きになった。夏よりも多く歩かなければならないのは、冬山では覚悟しなければならないことである。
 林道入口から、いよいよラッセルしながらの歩きが始まった。雪は少し重いものの、歩きづらいという程ではなかった。虚空蔵コースと分かれる三叉路からは、蔵王コースは判りにくくなっていた。杉林の広がる斜面をトラバース気味に通過すると、二本の沢の合流点に出た。沢には板が渡されていたが、雪が積もり、その雪を踏み固めながら渡るのは難しかった。もっとも橋から落ちても、高さは50センチ程で、水に足を濡らすだけのことであった。
 沢を渡ると、尾根の取り付きになるが、ここは階段が設けられている急斜面である。スノートレックでは直登は無理なため、周りを迂回し、中段を横切ろうとしたが、階段の間にスキーが引っかかってしまった。面倒になり、スキーを脱いでつぼ足で登ってしまった。スノーシューのほのりさんも、少し苦労して、回り込みながら尾根上へ登ってきた。
 ここからは尾根の登りが始まった。少し進むと傾斜が急になり、フリートレックでは直登は難しくなった。尾根をはずして斜面をジグザグに登ろうとしたが、雪が深くてはまってしまった。ヒールフリーの状態では、キックステップで方向を変えるのが難しかった。スノーシューのほのりさんも急斜面の登りで苦労していた。
 この急斜面を登り切った所で、装備を代えることにした。私はスノーシュー、ほのりさんはワカンといういつもの装備になった。フリートレックは、木の枝につるして、帰りに回収することにした。
 スノーシューに代えてからは、歩き易くなった。やはり道具は慣れが必要なようである。天気は目まぐるしく変わり、雑木林の間から日本海を眺めたすぐ後には、雪が舞うというような繰り返しであった。感覚的にはかなり登ったと思う頃、看板の立てられた展望台に到着した。高坪山の山頂は、まだ見上げる高さにあった。
 台地状の雑木林の中に出て、尾根の合流点に登り付くと、蔵王集落への登山道の分岐に出た。昨年末は通行止めであったが、その看板はまだ残されていた。沢を渡るところがあったので、砂防ダムの工事でもやっているのだろうか。春になったら確かめる必要がある。
 傾斜の緩んだ尾根を進んでいくと、高坪山の山頂に向かっての最後の登りが始まった。ブナ林が広がり、苦しい登りであったが、目を楽しませてくれた。新緑や紅葉のブナ林も良いが、雪の中に静かに佇むブナ林も美しい。雪はクラストしている所もあり、足元に気を付ける必要があった。
 高坪山の山頂付近は、霧氷に覆われて白一色の世界になっていた。山頂広場の鐘と登山標識は雪の上に姿を見せていたが、お地蔵様は雪に埋もれて、どこにあるのか判らなくなっていた。
 雪の上に腰を下ろし、汗が引く前にビールを飲むことにした。ラッセルで体力を消耗したためか、この一本のビールでいつになく酔いが回った。山頂周辺のブナ林の写真を撮り、冬景色を楽しんだ。
 休憩のためにスノーシューを脱いでつぼ足になっていたが、もぐる量は膝下であった。滑落を防ぐため、山頂直下の急斜面はつぼ足で下り、その後でスノーシューとワカンを履くことにした。
 急斜面を下りきったところで、単独行が登ってきたのにすれ違った。地元の登山者で、下山途中の沢の横断点で追いつかれることになった。苦労して登ってきた道も、下りは早かった。
 山を下って車道に出ると、道は除雪されており、足を滑らさないように注意が必要な危ない道になっていた。結局、今回の山行では、フリートレックは、活躍しないままに終わった。


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