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花見山


【日時】 2002年12月22日(土) 日帰り
【メンバー】 岡本、社長
【天候】 曇り

【山域】 菅名山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
花見山・はなみやま・649.1m・三等三角点・新潟県
【コース】 小山田ヒガン桜樹林公園駐車場より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/馬下
【ガイド】 なし

【時間記録】 6:30 新潟発=(R.49、馬下橋 経由)=7:20 小山田彼岸桜駐車場〜7:46 発―8:07 尾根上〜8:10 発―8:47 送電巡視路分岐―9:16 花見山〜10:15 発―10:28 送電線分岐―10:47 尾根上―11:02 小山田彼岸桜駐車場=(往路を戻る)=12:30 新潟着

 阿賀野川左岸に広がる菅名連峰は、新潟市内からも良く眺めることができるが、とりわけ目を引くのは、左に位置する鳴沢峰の鋭鋒である。この鳴沢峰から西に延びる尾根上に、大谷山と花見山という二つのピークがある。地図上にも名前が記載されておらず、また背後の主稜線に目がいって見落としやすいピークであるが、花見山には三角点が置かれている。最近までは、送電線の巡視路を利用し、ヤブコギでようやく立つことのできたこのピークにも、現在では登山道が切り開かれている。花見山の山頂は、灌木帯となって周囲の展望が開けている。菅名山塊の縦走路として花見山を通過するのも良いし、このピークだけを目的として半日行程の登山を楽しむこともできる。
 一週前の大蔵岳では、大雪のために、スノーシューで4時間歩いても山頂までとどかず、七合目付近で中退になった。標高から考えると、花見山なら山頂まで登れたはずなので、次は花見山を登ってみようと思った。一人でラッセルしているのも寂しいので、社長に声を掛けると、同行してくれることになった。
 朝、社長に迎えにきてもらい、社長の車で馬下に向かった。水原を越して菅名山塊が迫ってくると、雪が少なくなっているのに驚かされた。大谷山から花見山に続く尾根は黒々としていた。小山田の集落の林道入口には除雪の山が残っていたものの、その脇をかすめて奧に進むことができた。林道には雪は全く見あたらなかった。一週前は、この林道でも膝下位の積雪があったはずなのだが。結局、小山田彼岸桜駐車場まで車で入ることができた。一台の車が停まっており、挨拶がてらに言葉を交わすと、山葵採りとのことであった。
 プラブーツを履いて、スノーシューを背負い、完全な雪山装備で歩き出した。自分の車だったなら、長靴を積んであったはずなのだが、今回はプラブーツしか持ってきていなかった。杉林の中をひと登りすると、山の斜面に桜の古木が並んだ園地となる。少し登れば雪が現れるという期待もむなしく、尾根の上に出ても雪は全く無かった。
 園地の上部からは、尾根沿いの歩きになるが、送電線の巡視路として道は整備されている。第一の鉄塔を過ぎるころから雪も地面を覆うようになったが、つぼ足で充分であった。どうやら前日に歩いたものらしい先行者の足跡があった。第二の鉄塔からは、花見山の山頂が目の前に迫った。尾根沿いの登りを続け、巡視路を左に分けて尾根を直進すると、急斜面の登りになった。本格的に雪がついていたとすると、この急斜面はスノーシューでは少し難しいかもしれない。先行者の足跡は、いつのまにかワカンに代わっていた。
 花見山の山頂は、一旦登頂と思ってしまってから、もう少し先である。10センチほどの雪に覆われた花見山の山頂には、三角点が頭をのぞかせていた。目の前には、鳴沢峰がピラミッド型をした山頂を聳えさせ、その右手には菅名岳、大蔵岳と稜線が横に長く続いていた。眼下には阿賀野川の流れが長く続き、その対岸には五頭山塊が大きく、飯豊連峰が白い姿を見せていた。この季節の飯豊連峰を目にしただけでも、花見山に登ってきた甲斐があるというものである。
 花見山は、登山標識のようなものは無く、知るものは僅かである。山頂は狭いが、落ち着いて腰を下ろすことができる。時間は早いが食事がてらの大休止とした。さっそく、ビールの栓を抜いた。湯を沸かしてカップラーメンを食べて、コーヒーを飲んだ。
 穏やかな陽気であったが、それでも1時間も山頂にいると体が冷えてきたので下山に移った。雪が充分あるうちは歩きやすかったが、無くなってくると落ち葉と一緒に滑り落ちるようになって、足元に注意する必要があった。下山後、菅名岳の登山口を見に車を走らせると、5台の車が停められており、登山者が入っているようであった。
 雪が無かったため、予想に反して半日のお気軽登山になってしまった。一週前の大蔵岳中退といい、雪山の難しさは、その日になってみないと判らない。だからこそ山の面白さも増すというものである。

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