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奥只見丸山、桑原山


【日時】 2002年11月16日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 奥只見
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
丸山・まるやま・1242.2m・三等三角点・新潟県
【コース】 奥只見丸山スキー場
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/八海山、檜枝岐/奧只見湖、高幽山
【ガイド】 新潟のハイキング(新潟日報社)

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
桑原山・くわばらやま・558m・なし・新潟県
【コース】 湯之谷健保センターより
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/須原/大湯
【ガイド】 なし
【温泉】 葎沢温泉 国民年金保養センターこしじ 500円

【時間記録】 6:00 新潟発=(関越自動車道、小出IC、R.352、奧只見シルバーライン 経由)=8:30 奥只見丸山スキー場〜12:00 発=(奧只見シルバーライン、R.352 経由)=13:00 鳥目当登山口〜13:12 発―13:24 鳥目当―13:40 六合目段切―13:44 山腹コース尾根コース分岐―14:13 桑原山〜14:18 発―14:37 山腹コース尾根コース分岐―14:42 鳥目当分岐―14:51 むじな平―14:57 むじな平登山口―15:06 鳥目当登山口=(往路を戻る)=17:30 新潟着

 丸山は、只見川をせき止めてできた奧只見ダムの西岸にある山である。豪雪地にあって豊富な雪に恵まれていることから、春スキーで有名な奥只見スキー場が開かれており、リフトを利用すれば労せずして山頂に立つことができる。そのため、丸山に遊歩道はあるものの、登山の対象からは外されてしまった感がある。
 小出の南東部には、鳴倉山、トヤの頭、駒の頭、黒禿の頭、大力山、城山といった馬蹄形に連なる山塊がある。桑原山は、トヤの頭から涸沢山へと北東に連なる枝尾根の末端の558mピークである。麓の湯之谷健保センターから遊歩道が整備されている。
 今週、ショートスキーに山用のビンディングを取り付けた、ロシニョール社のフリートレックを買った。山スキー一式を以前に揃えたものの、登るのは藪が広がる低山が主なため、山スキーよりはスノーシューをもっぱら使うことになってしまっている。プラブーツを履いてフリートレックを付ければ、下りの林道あたりで少しは楽ができそうに思えた。
 プラブーツとフリートレックの組み合わせで滑ることができるかできるか自信は無かったため、例年にない早い雪のために、土曜日にスキー場がオープンする奥只見丸山スキー場に出かけて、スキーの練習をすることにした。
 銀山平までは登山のためにしばしばやってきているものの、その先のダムサイトへは、30年近く前、渋沢温泉経由で尾瀬に入るために、奧只見湖の船に乗りに来て以来ということになる。奥只見スキー場の駐車場は、ゲレンデ脇は1000円の有料のために、下の駐車場に停めた。1000円という金額を考えれば、ちょっと歩いてでも無料の方が良いと思うのだが。オープン初日にしては、大勢のスキーヤーで賑わっているようであった。マウンテンジャケットにゴアの雨具のズボンといった山の服装をして、スキーの準備を整えた。最近はスキーの服装も、ボーダーが多くなってストリート風の地味なファションが流行っているため、さほどの違和感もなかった。下の駐車場からゲレンデまではちょっとして登りになるが、プラブーツのために、歩くのは問題ではなかった。
 ゲレンデに出てさっそくフリートレックをつけた。スケートほどではないが、足裏がつるつるした感じで、立っているだけでも転びそうな感じがした。ゲレンデ下部のお子さまゲレンデで、ちょっとした坂を滑る練習をした。斜面を少し滑っては、歩いて登り、平地をスケーティングしているうちに、スキーに乗る感じも掴めてきた。どうなるか不安もあったが、回数券を買ってリフトに乗ることにした。
 第一リフトから滑り降りてみると、思ったよりもスキーは曲げやすかったが、直滑降の時にトップが内外にバラつくのが気になった。三回目くらいになると、エッジの引っかけも少なくなって、大きなパラレルターンで回れるようになってきた。練習にもあきてきたので、リフトを乗り継いで丸山の頂上に登ってみることにした。
 今年の五月に会津丸山岳に登った時、現在の秘境ともいえる山から見える人工物といえば、この丸山スキー場であった。ダムサイトへ通じるシルバーラインが無ければ、丸山も積雪期には容易に入山できない位置にあるが、リフトのおかげで、なんなく山頂に立つことができる。
 リフト三本を乗り継ぐと、山小屋の建つ丸山山頂に到着した。さっそく頂上から滑降の開始。といっても、一気の下りは無理で、休み休みの下りになった。とくに、二本目のリフトの迂回路は、堅く圧雪してあり、スキーのエッジをたてるのに足が痛くなって、辛い下りになった。フリートレックは回転しやすいため、中級くらいの斜面で少し傾斜がある方が滑りやすいようである。
 途中のロッジで、休むついでにビールを飲んだら、スキーも充分という気分になってしまった。以前であったら、リフトの待ち時間がないことを喜んで、一日中滑り続けるところなのだが。ゲレンデでの滑りの感触は掴めたので、あとは山で慣れるしかない。ゲレンデの下まで下りたところで、スキーは終わりにした。
 時間も早いため、気に掛かっていた奥只見周辺の偵察を行っていくことにした。まずは、銀山平に出来た日帰り温泉施設の「白銀の湯」をのぞいていくことにした。トンネルから銀山平に向かって出て、T字路を右折。荒沢岳登山口の前を通り過ぎてそのまま直進すると、新しくできた森林公園なるものがあり、その中に温泉施設があった。11月下旬まで営業とのことであったが、早い雪のためにすでに休業していた。この温泉の開設によって、以前からあった丸太沢の無料温泉は閉鎖になったようであるが、残念なことである。
 次に、シルバーラインを下り、湯之谷健保センターから桑原山に至る遊歩道があるのかどうか確認することにした。一般の2万5千分の1地図には載っていないが、「越後三山・只見集成図」には、桑原山の名前とこの遊歩道が記載されている。
 山に近づいていくと、尾根沿いに白い線が続いているのが見えて、道があることが判った。湯之谷健保センター前の林道をそのまま進むと、左手にテニスコートとトイレがある前に、桑原山登山遊歩道の案内板が置かれていた。登山口は、ここと湯之谷健保センター前の二ヶ所にあるようであった。桑原山までは、1時間ほどの登りのようなので、これから登っても大丈夫そうであった。スキーの練習だけでは、足は疲れていたものの、不完全燃焼のような感じがしていた。急な細尾根が続いているようであったため、長靴を履いて、わかんを背負っていくことにした。
 「越後三山・只見集成図」では、登山道は、小滝ノ沢沿いに進んでから枝沢沿いに登るように書かれていたが、すぐに尾根沿いの登りになった。下りに使った湯之谷健保センターへの登山道も尾根沿いであり、地図の記載とは異なっていた。
 登り僅かで尾根上の山神様に出ると、展望が広がった。前方には、桑原山の山頂が見えていたが、ひと頑張りする必要がありそうであった。尾根沿いは幅広の登山道が開かれていた。この付近の山の特長で、丈の低い灌木帯となっており、周囲の見晴らしが開けていた。尾根を雪が覆うようになり、わかんは必要ではないものの、一歩ずつ足が取られるようになった。緩やかな登りを続けていくと、鳥目当に到着した。登山道を示す白いベルトが右上方に向かって続いていた。
 登りを続けていくと、四合目段切とか六合目段切という標識が現れた。右手の尾根の間に杉の植林地が広がっており、その間にトラバース道が開かれており、これを段切と呼んでいるようであった。右手の尾根が近づいてきた所で、トラバース道に進んだ。
 右手の尾根に乗って、桑原山の山頂を目指した。急斜面で尾根が痩せている所もあり、足元に注意する必要があったが、ロープが張られているので助かった。スキーの疲労が足に来ており、辛い登りになった。急斜面を登り切って、山頂到着かと思ったものの、白い道がさらに高みに向かって続いていた。雪も膝ほどの深さになったが、なんとかつぼ足で歩き続けることができた。
 傾斜が緩んでから、左に曲がる感じで稜線を僅かに辿ったところが桑原山の山頂であった。この山には三角点は無いが、山頂標識のようなものも見あたらなかった。山頂は雪原となり、広場が設けられているような感じであった。ガスが流れて、周囲の展望は閉ざされていたが、目の前に涸沢山がピラミッド型の山頂を見せていた。この先の尾根の藪もそう濃くはなさそうであった。往復2時間はかからなそうに思えたが、今日のところは時間切れであった。
 下山は、雪の下になって足場が判りにくく、ロープ頼りの下りになった。雪が薄くて不安定で、雪ごと滑り落ちる危険性があった。分岐からは、そのまま直進して、尾根を下った。高度を一気に下げていくと、雪はみるみる無くなって、落ち葉を踏みしめながらの下りになった。むじな平の標識を過ぎると、湯之谷健保センターの駐車場脇に下り立った。ここには、むじな平登山口の標柱が立てられていた。
 桑原山は、展望のよさそうな山で、登山道が充分整備されているにもかかわらず知られていないのは不思議なことである。トヤの頭と涸沢山を登るためにも、桑原山をもう一度訪れる必要がある。

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