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守門岳


【日時】 2002年10月12日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 守門山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
守門岳・すもんだけ・1537.2m・二等三角点・新潟県
【コース】 大池コースより
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/守門岳/穴沢、守門岳
【ガイド】 越後の山旅(富士波出版)

【時間記録】 5:50 新潟発=(北陸道、中之島見附IC、R.8、川崎北、R.351、栃尾、R.290、渋川、R.252)=8:15 大池登山口〜8:24 発―8:33 田小屋分岐―8:52 尾根上―9:10 沢下部横断点―9:42 藤平山―10:25 分岐―10:38 二之芝―11:14 守門岳〜11:41 発―12:11 二之芝―12:18 分岐―12:50 藤平山―13:20 沢下部横断点―13:24 尾根上―13:37 田小屋分岐―13:47 大池登山口=(往路を戻る)=16:45 新潟着

 守門岳は、長岡と会津を結ぶ八十里越の南、現在では同じ役割を果たしている只見線とR.252の北側に、大きく裾野を広げた姿を見せる山である。最高峰の守門岳を中心に、爆裂火口壁に沿って、網張山、大岳、青雲岳、烏帽子山といったピークが連なっている。多くの登山道が開かれており、守門岳に直接登るコースとしては、関越国際大原スキー場からのコースが良く利用されているが、その他に三之芝で大原コースと合わさる田小屋と大池からのコースがある。しかし、これらのコースはガイドブックで紹介されないためか、歩く登山者は極めて少ない。
 インターネットの仲間のえび太が7月に大池コースから守門岳に登ったことを聞いた。守門岳には多くのコースがあるが、二口コース、大原コース、保久礼コースしか歩いていない。守門岳の登山道を一通り歩いてみたいと思っていたので、まずは大池コースを歩こうかと思い、地図でコースを確認したものの、夏の間は北アルプス方面に目がいってしまい、いつの間にか秋になっていた。
 この週末は三連休であるが、後の二日で朝日連峰の以東岳の予定が入っていた。土曜日は、晴の予報も出て、紅葉の山を楽しめそうであった。そう遠くない山を考える必要があったが、紅葉のためには標高の高い山を選ぶ必要があった。守門岳なら1500mの標高があり、頂上付近の紅葉は始まっているはずであった。
 この週末の山のもう一つの目標は、今週届いた一眼レフデジタルカメラのNikon D100の試用であった。マニュアルを見ながらいじってみて、機能はおおよそ判ったが、山で実際に使ってみる必要があった。
 快晴の朝となり、車の進行方向が東に向くと、朝日が眩しい状態になった。高速代の節約のために、中之島ICから長岡、栃尾を回って、入広瀬の寿和温泉から横根に進んだ。横根に到着したものの、大池への林道の入り方が判らなかった。道路地図と2万5千分の1地図を照らし合わせても現在地に確信が持てず、案内標識のようなものもなかった。詳しく聞いておくべきだったかと後悔した。見当をつけて脇道に入ると、舗装道路は、車一台がやっとの道幅となり、未舗装の道に変わった。農道に迷い込んでしまい、方向転換もままならずそのまま進んでいくと、再び舗装道路に飛び出した。この道を登っていくとすぐ先で、林道本沢線起点の標柱があり、偶然にも正しい道に乗っていた。
 今回の山行では、この林道への入り方が一番判りにくかった。下山の際にこの道を下っていくと、何ヶ所かの分岐があり、最後は入広瀬からの道に飛び出した。このコースの案内を書くことは難しい。入広瀬方面からやってきて、烏骨鶏園の看板の前で、右へ分かれる道に入ると右手にゲートボール場があるので、ここを左折。この後に現れる幾つかの分岐は、山の方へ通じる道を選んでもらい、幸運を祈るということになる。正解の道を辿っていけば、途中で林道本沢線起点の標柱が現れるはずである。
 林道は、舗装されているが1車線幅で、待避所も設けられているが、対向車と出会うとちょっと困ることになる。途中、「水と緑のふれあい交流公園」という標識が現れたが、赤い鳥居が立っているだけで、特に面白そうなものは無かった。
 舗装道路の終点が大池登山口であった。手前には、広い駐車スペースもあった。林道は未舗装の道に変わってさらに先に続き、一周して、来る途中に合流しているようであった。登山口の標識の脇に、刈り払いの行われた道が始まっていた。
 歩き出すと、右手の木立を透かして池が見えた。これが地図にある大池のようであった。山腹のトラバース道を進んでいくと、ほどなく田小屋からの道が右から合わさった。地図を見る限りでは、この分岐までは、大池からの方が登りも少なく楽のようである。ここからは、急斜面の一気の登りになった。急斜面なうえに落ち葉が積もり、滑りやすくなっていた。登りはともかく、下りは注意しても尻餅をついてしまった。
 幸い、急登も長くはなく、尾根の上に出て緩やかな登りになった。左手から沢音が近づいてくると、沢に出会った。ここからしばらくは、沢沿いの歩きとなり、飛び石伝いの 徒渉も何ヶ所かで現れた。最近刈り払いが行われたようで、沢岸の道もはっきりしていたが、時期によっては夏草がうるさいかもしれない。沢から離れたと思ったが、また沢に出会った。これは別の枝沢のようであった。
 沢から離れて尾根に乗ってひと登りすると、藤平山に到着した。登山道は、藤平山の最高点の僅か北を通過しているようであるが、目立った高みはなかったので、登山道から藪に入り込むことはしなかった。藤平山からは僅かな下りとなり、緩やかに続く藤平尾根の歩きになった。続く1181m小ピークを越えると、木立が切れて、守門岳の山頂や浅草岳、毛猛山塊の眺めが広がった。この付近から登山道周辺の紅葉も美しくなり、黄色に染まったトンネルを抜けていくようになった。
 緩やかな登りを続けていくと、登山者の声が聞こえてきて、大原スキー場の登山道が合わさる三之芝に到着した。静かな山歩きもここまでとなった。2000年6月17日に大原スキー場コースから登ってきた時は、この付近は一面の残雪の斜面となり、下りはアイゼンが必要になった。夏道がどのように通じているか、ようやく知ることができた。三之芝の草原は黄色に美しく色づいていた。
 草原を抜けて灌木帯をひと登りすると二之芝に出て、小烏帽子岳に到着となる。ここからは、前方に守門岳の遮るもののない展望が広がっていた。期待通りに、守門岳の山頂一帯は、赤や黄の紅葉に彩られていた。しばらくは、足を停めて、写真撮影に専念することになった。尾根沿いに、山頂に向かう登山者の姿を見分けることもできた。快晴にも恵まれて、山頂は賑わっていそうであった。ここから山頂までは急登が続くものの、そう長いわけではない。写真を撮りながらのんびり歩くことにした。
 登り付いた山頂は、混雑していた。山頂からは、中岳や袴腰のピークが目の前に見えていたが、人目が気になって、今回もそこまで足を延ばすことはできなかった。青雲岳方面を眺めると、大勢の登山者が休んでいるのが見えた。広場の片隅に場所を見つけて腰を下ろした。気温も上がって、ビールが美味しいほどに喉が渇いていた。なによりも紅葉の風景がビールの味を格別なものにしていた。
 静かに山に浸りたくなり、続々と登山者の登ってくる山頂を後にした。三之芝の分岐を過ぎれば、他の登山者にも出会うことは無かった。人気の山でも、静かなコースは残されている。機会があったら、また守門岳の別なコースを歩こうと思いながら山を下った。

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