0255

湯の平温泉


【日時】 2002年9月8日(日) 日帰り
【メンバー】 グループ(キム、社長、岡本)
【天候】 曇り時々雨

【山域】 飯豊連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
湯の平温泉・ゆのひらおんせん・490m・なし・新潟県
【コース】 加治川ダム掛留沢駐車場より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/飯豊山/二王子岳
【ガイド】 新潟ぶらり日帰り立ち寄り湯(新潟日報事業社)、山と高原地図「飯豊山」(昭文社)
【温泉】 湯の平温泉 無料

【時間記録】 5:30 新潟発=(R.7、新発田、赤谷、加治川治水ダム 経由)=7:18 掛留沢駐車場〜7:23 発―7:52 岩越平―8:41 湯の平山荘〜8:46 発―8:52 湯の平温泉〜10:54 発―11:04 発―11:47 岩越平―12:18 掛留沢駐車場=(往路を戻る)=14:00 新潟着
 湯の平温泉は、飯豊の北股岳に直接突き上げるおういんの尾根の登山基地である。野趣満点の露天風呂があることから、この温泉だけを目当てに訪れる者も多い。林道終点の掛留沢駐車場から渓谷沿いの登山道を3.4km、おそそ1時間30分歩く必要があり、温泉入浴が目当てといっても、ハイキングの覚悟が必要である。
 この週末は、夏山シーズンも終わり、静かな北アルプスを楽しもうということで、キムの希望で、立山山行を計画していた。あいにくの雨の天気予報が出て、日曜日に近場の蒜場山に登ることにした。日曜日の朝は、家を出る時に雨が降り出し、阿賀野川を渡るあたりで、豪雨状態。しかし、待ち合わせの豊栄の道の駅では、地面は乾いていた。かなり局地的な雨が降っているようであった。長丁場の蒜場山は、途中で雨に見舞われる可能性が高いということで中止にすることにした。
 代わりの山として、湯の平温泉ハイキングを思いついた。しばらく湯の平温泉には行っていないし、湯の平山荘が昨年建て替えられたというので、新しい建物を見ておきたかった。雨が降っても、ブナ林の中の道なので、傘をさして歩くことができる。社長は10年ほど前、キムは行ったことがないとのことであった。新発田のコンビニで、温泉ハイク用に、酒と食料を補充した。
 加治川治水ダムのトイレに入ると、そこの駐車場で、沢登りの準備をしているヒロタン一行に出会った。蒜場山や焼峰山への登山者はいないようであった。昨年は、加治川治水ダムから先の林道は、土砂崩れの危険性があるということで、長い期間閉鎖になっていた。道幅は狭く、崖っぷちに沿っており、対向車が来ないことを祈るような林道である。山奥深く分け入っていくと、ようやく掛留沢の駐車場に到着した。
 湯の平温泉には、1997年7月25日の医局旅行の際の温泉ハイクと1998年7月18日〜19日のオンベ松尾根から大日岳へ登り北股岳からおういんの尾根を下った時の二回、過去に訪問している。新潟からは近いのだが、この林道のため、なかなか来る機会がない。
 広い駐車場には、朝早くにもかかわらず、すでに10台以上の車が停められていた。おういんの尾根を登る登山者は、そう多くはないことから、湯の平山荘泊まり客がけっこういるようであった。温泉に入る際に、靴を脱いだり履いたりするのが面倒なため、長靴で歩くことにした。
 入口の案内図には、湯の平温泉まで1時間30分というコースタイムが書かれていた。途中の標識を見ると、3.4kmの距離があるようであった。ハイキングとしては適当ではあるが、タオル片手の入浴は無理な距離である。渓谷沿いの登山道は、ブナ林に囲まれ、深い渓谷を時折見下ろすことができる。8月は、県外の山ばかりを歩いており、ひさしぶりの地元の山ということになる。北アルプスは刺激に富んではいるものの、飯豊の麓のブナ林の方が心安らぐ感じがする。まだ暑く、汗が噴き出してきた。
 ほぼ平坦な道が続くが、途中の北股川に掛かる吊り橋前後の北股登りと、湯の平温泉手前の水天狗坂で、急坂が現れる。岩場になって、鎖やてすりが整備されているが、過去に事故が何件も起きているので、注意する必要がある。飯豊の登山道としては、特に問題の無い道であるが、山に慣れていない温泉客が入山することや、温泉で飲み過ぎた酔っぱらいによって、事故が起きているようである。
 渓谷脇に立てられた女性用風呂の屋根が見えてくると、湯の平温泉に到着である。この周辺の崖からは、暖かい温泉が湧き出ている。湯の平山荘は、半側が切り落とされた二階建ての建物に生まれ変わっていた。以前は、露天風呂には、小屋の中を通過する必要があったが、今度は、小屋の左右を通過できるようになっていた。小屋の裏手の水場や炊事場は、以前通りであった。
 露天風呂には、川原沿いに少し遡る必要がある。カメラマンが露天風呂の撮影を行っている他は、二名の先客がいるだけであった。さっそく、服を脱いで温泉に入り、ビールで乾杯した。源泉は背後の岩陰のようで、パイプを通して湯が流れ込んでいた。温度の低い水も流れ込んでおり、程良い湯加減であった。最近の日帰り温泉施設のような、循環させて塩素消毒するといったようないんちき温泉とは違った、源泉100%の温泉であった。熱くなると、岩の上に這い上がり、涼しくなると温泉に入ることの繰り返しであった。女性を含めたグループが何組も到着し、前の川原で宴会を始めていた。紅葉の季節は、さぞ美しいと思われる渓谷であったが、その頃は混雑もひどいであろう。
 女性が入りたがっていると頼み込んできたので、引き上げることにした。この露天風呂は混浴であるから、ここにくるにはそれなりの覚悟をする必要があり、それがいやなら女性専用風呂もあると、一言いいたかったが、2時間も裸でぐだぐだしており、そろそろ引き上げ時かと思っていた。本降りの雨も降り出し、急いで服を着込んで傘をさした。一時は、青空もさす天気で、山に登ればよかったかなと思うほどであったのだが、天気の急変には驚かされた。
 雨の中を帰る途中、多くのハイカーに出会った。ゴアの雨具上下を着込んだ者や、ビニール合羽と様々であった。汗やら雨やらで、歩いているうちに濡れきってしまった。途中で雨は止み、到着した駐車場の地面は乾いていた。駐車場の車は、40数台に増えていた。濡れた衣類を全て着替えてさっぱりした。
 予定した山は登れなかったが、湯の平温泉でのんびりと温泉とビールを楽しむことができたので、これはこれで満足であった。


山行目次に戻る
表紙に戻る