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大蛇山


【日時】 2002年6月29日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 五頭山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 大蛇山・おおじゃやま・799m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/出湯
【コース】 下山林道登山口より 登り:化物杉コース 下り:波多野新道
【ガイド】 なし

【時間記録】 7:00 新潟発=(R.49、保田、R.290、宝珠温泉、丸山)=8:15 下山林道終点広場〜8:29 発―8:46 扇の松―9:26 化物杉―9:34 三叉路―9:36 大蛇山〜9:50 発―10:11 波多野新道分岐―10:31 下山林道終点広場=(往路を戻る)=11:50 新潟着

 五頭山塊は、新潟平野に面し、加治川と阿賀野川の間に広がる山塊である。大蛇山は、南端の宝珠山の北に位置するピークである。以前は、宝珠山から菱ヶ岳の間は登山道が無く、積雪期しか歩けなかったものが、昨年の2001年より縦走できるようになり、大蛇山に登るコースも整備されるようになった。大蛇山へは、小朝新道と波多野新道という二つの道が切り開かれていたが、今年になって大蛇山へ直接登る「化物杉コース」が整備されたという記事が新聞に載った。
 なお、このピークは、上村さんの片雲往来では大蛇ノ頭と表記されていたが、地元の看板などの表記に従い大蛇山と現すことにする。
 昼過ぎからの上村さんの出版パーティーに間に合わせるため、短い時間で登れる山を考えた。大蛇山への登山道をまだ歩いていなかったことを思い出して出かけることにした。
 宝珠温泉の前を過ぎて丸山の集落に入ると、十字路に大蛇山下山林道登山口の案内標識がかかっていた。ここの看板は、昨年から目に入って気になっていた。右折すると、すぐに三叉路に出て、ここの看板に従って左の道へ。駐車場まで約3キロとあった。車のすれ違いが困難な狭い林道が続いた。途中からは未舗装な道に変わって、段差にも注意する必要がでてきた。ハンドルの切り返しを行わないと曲がりきれない急カーブを二つやりすごすと、林道終点の広場に到着した。すでに三台の車が停まっていた。小朝新道と波多野新道の標識は目に入ったが、化物杉コースの標識は見あたらなかった。新聞記事には、大蛇山に登る最短コースとして化物杉コースが紹介されていた。地図を見ると、下山川右岸の尾根がそのようであった。沢を渡っていく道があったので、これがそうだろうと推測した。登山道脇には、山頂にお地蔵様を祀るための土台を作るための丸石と砂を運び上げるためのお願いの看板が立てられていた。
 沢を渡って少し沢沿いに登ると堰堤下に出て、ここからじぐざぐの登りが始まった。急登もそう長くなく、大蛇山へと続く尾根の末端部に登り着いた。ここには、横に枝を伸ばした松があり、「扇の松」といった標識が掛けられていた。名前負けしそうな松であったが、尾根沿いには、森林公園といった感じの美しいブナ林が広がっていた。ここからは時折急な登りをまじえながらのだらだら登りが続いた。傾斜が緩んでそろそろ山頂かなと思う頃、数本の杉が並んだところに出て、「化物杉」の標識が掲げられていた。尾根沿いにここだけに生えていることから天然杉のようであったが、わざわざ名前を付けるほどの木ではなかった。その先で縦走路に合わさり、右折すると大蛇山の山頂に到着した。
 大蛇山の山頂といっても、木立に囲まれて展望のない広場であるが、大蛇山の看板と、おきまりのような鐘が吊されていた。木立が切り開かれて、菅名山塊方面の展望が開けているようであった。ひと休みしていると、単独行が登ってきた。到着するなり、靴を脱いで、足の様子を探っているところを見ると、ハイキングを始めたところのようであった。
 下山は、波多野新道に向かうことにした。灌木でトンネル状に囲まれた登山道を下っていくと、崖の縁に出て菅名山塊の展望が広がった。この高さからみると、鳴沢峰の鋭い山頂が背後の菅名岳と重なってしまい目立たなくなっているのが残念であった。ここには、阿倍の廊下というプレートが掲げられていた。このルートを整備したのは、安田山の仲間の会のようであるが、労力には感謝するにしても、この先の長谷川の窓といい、地名に個人名を付けるのはあまり感心できない。
 標識に従い、縦走路から分かれて波多野新道に進んだ。尾根沿いの急降下になった。滑りやすい足元に注意しながら、一気に高度を下げていった。途中で、登ってくる三人連れに出会った。「この山はえらく急ですね」といっていた。登山口には、小朝新道を登り、波多野新道は下りに使うようにと書かれていたはずなのだが。
 足場の悪い土の斜面をロープを頼りに下ると、沢沿いの林道跡に出た。少し下ると堰堤が脇に姿を現した。草に覆われた林道跡を下っていくと、じきに駐車場に戻ることができた。駐車場は満杯状態で、少し下った所に置かれた車を含めると15台に増えていた。これから出発していく登山もいたが、二組からコースを聞かれた。化物杉コースは、入り方が判り辛いし、地図も持たない初心者が多いようでは、登山口に概念図が欲しいところである。
 時間も限られていることから、大蛇山だけの登山になったが、このコースの感想を得るためには、それでよかったと思う。その結果は、やはり大蛇山だけでは、物足りないという感じであった。時間が許すなら、菱ヶ岳までとはいわず、大日山まで足を延ばして展望を楽しむのが良いと思う。波多野新道は、急斜面が続いて、歩いて面白い道ではなかった。今回は歩いていないが、小朝新道を登り、化物杉コースを下りに使うのが、大蛇山をのんびり楽しむには良いのではないだろうか。


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