0240

二王子岳


【日時】 2002年6月2日(日) 日帰り
【メンバー】 子田、木村、岡本
【天候】 曇り

【山域】 飯豊連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 二王子岳・にのうじだけ・1420.3m・二等三角点・新潟県 
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/飯豊山、新発田/二王子岳、上赤谷
【コース】 二王子神社より
【ガイド】 アルペンガイド「上信越の山」(山と渓谷社)、山と高原地図「飯豊山」(昭文社)

【時間記録】 6:00 新潟発=(R.7、三日市、R.290、中倉、田貝 経由)=7:10 二王子神社〜7:20 発―8:02 三合目水場〜8:09 発―8:22 四合目―8:55 五合目定高山―9:47 七合目油こぼし―10:31 二王子岳〜11:02 発―11:35 七合目油こぼし―12:13 五合目定高山〜12:18 発―12:44 四合目―12:55 三合目水場―13:24 二王子神社=(往路を戻る)=15:00 新潟着

 二王子岳は、日本海側に位置する飯豊連峰前衛の山である。二王子岳から始まる稜線は、ここまでは登山道のある二本木山を経て、赤津山に至り、その先は藤十郎山、二の峰から主稜線上の門内岳へと続いている。二王子岳は、信仰の山として登山道も良く整備され、新潟周辺でも人気の高い山となり、日本200名山にも選ばれている。この山の一番の魅力は、山頂からの飯豊連峰の大展望である。
 山を始めて夢中になっているキムに二王子岳に行こうと、強引に誘われた。二王子岳には、これまで四回登っているが、秋から初冬にかけてで、春に登ったことがなかった。新緑と残雪の眺めを楽しみに出かけることにした。
 豊栄の道の駅で待ち合わせたが、他にも多くの登山グループが到着しては出発していった。キムの車に乗り合わせて登山口に向かった。近づいてきた二王子岳の稜線は厚い雲に覆われていた。山頂からの飯豊の展望は期待できそうになく、個人的な山行であったら、目的地をあっさりと変更してしまうところであった。キムはこれが始めてなので、登頂できればそれなりの目的は果たせるといことで、計画通りに二王子岳に向かった。二王子岳は、新潟市内からも良く眺めることのできる山なので、二王子岳や飯豊が眺められることを確認した上で出かけるのが一番良い。
 登山口までの運転をまかせていたら、案の定、迷子になりかけた。二王子岳は、登山口に辿り着くのが、少々難しい。南俣の集落からは、前を行く車の後を追いかける形になった。二王子岳は、混み合っているかなと予想したが、駐車場に入ると、八分ほど埋まっている状態であった。最近は二王子神社の境内も駐車場と化しているが、以前は車止めがあったはずである。こんな山奥にと驚くような立派な神社が杉林の中にひっそりとたたずんでいる風情が好きであったので、神社前の駐車は少々残念である。
 二王子岳へは、始めは杉林の中の登りで始まる。つづら折りの登りを続けていくうちに汗も噴き出てきた。6月に入って初夏の陽気といっても良くなってきた。先を行く登山者を追い越しながら、順調な登りを続けた。神子石を過ぎてすぐの三合目の水場で一息入れた。
 周囲にブナ林が広がるようになると、つづら折りの急な登りが続く。二王子岳へのコース中で、一番辛いところかもしれない。傾斜が緩むと、杉林の生えた一王子神社の三合目に到着した。休んでいる登山者も多かった。ここからは、傾斜もゆるみ、周りを見渡す余裕も生まれてくる。ニリンソウ、ホウチャクソウやチゴユリといった、里山ではすでに終わった花にも再会することができた。
 五合目の定高山には、それ程の苦労もなく順調に到着することができた。休んでいると、虫が寄ってきたので、早々に歩き出した。この日は、この五合目あたりで虫に悩まされたが、その他の所では虫はいなかった。
 登るにつれて、沢に残る残雪が目につくようになり、登山道上にも現れるようになった。雪の消えた草地に、サンカヨウやシラネアオイの花が咲いているのに出会った。白花のシラネオイを見つけて写真を撮ることができた。油こぼしの岩場は、右側の樋状の窪地に足場が切られて、以前よりは登りやすくなったような感じがした。夏にはお花畑と呼ばれる草原は、一面の雪原になっていた。
 二王子岳の山頂もガスの間からかろうじて見えるようになって、山頂まであとひと頑張りであることが判った。晴れた日なら飯豊の展望を楽しみながらの歩きになるところであったが、周囲の展望は閉ざされていた。灌木帯の間を抜けていくと、山頂の避難小屋に到着した。休もうかと思って中をのぞくと、満員でしかも酒臭かった。山頂の広場は、風が吹いて寒いため、休んでいる登山者はそう多くはなかった。二王子岳の一番のウリともいえる飯豊の展望はガスによって閉ざされ、灰色の空をバックに山頂の鐘がが揺れていた。
 風当たりの弱い登山道脇を選んで腰をおろした。昼を食べ、ビールを一本飲み干すころには体が冷えてきた。かろうじて飯豊方面の眺めがガスの切れ間から見えたのをきっかけに下山にうつることにした。
 家に帰ってワールドカップのテレビ中継を見ようということで、下りを急いだ。展望は得られなかったが、初夏の花を楽しむことのできた山行であった。

山行目次に戻る
表紙に戻る