0230

角田山


【日時】 2002年4月20日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 弥彦・角田山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
角田山・かくだやま・481.2m・二等三角点・新潟県
【コース】 登り:宮ノ沢コース 下り:小浜コース
【地形図 20万/5万/2.5万】 長岡/弥彦/角田山
【ガイド】 なし
【温泉】 ウェルサンピア新潟 500円

【時間記録】 10:20 新潟発=(R.402 経由)=11:00 宮ノ沢林道入口〜11:09 発―11:36 林道終点―11:46 尾根取り付き―12:07 宮ノ平コース分岐―12:16 湯ノ腰コース分岐―12:20 角田山〜12:40 発―13:00 灯台コース分岐―13:05 小浜コース分岐―13:20 小浜三角点―13:51 小浜コース登山口―14:11 宮ノ沢林道入口=(県道新潟・寺泊線、R.116、新潟西バイパス、新新バイパス 経由)=16:00 新潟着

 弥彦山と連なって日本海の波打ち際にたたずむ角田山は、佐渡弥彦国定公園に指定され、新潟市民の日帰り登山の山として最も親しまれている山である。各方面から登山道が開かれており、変化に富んだ山歩きを楽しむことができる。春の訪れを告げる雪割草やカタクリの群落は、関東方面までも知られるようになり、この季節は県外からの登山者も多く訪れるようになっている。
 先週末は、東京への学会出張で山はお休み。今日も、朝方に仕事が入った。出発の時間も遅いことから、近場の山ということで、角田山へ出かけることにした。先月の弥彦角田山塊縦走で、宮ノ平コースから分かれる登山道に引きずり込まれて、登り返しになったが、この登山道がどこに続いているのか、確かめたいと思っていた。地図を見ると、宮ノ平山とさくら尾根の間を流れる宮ノ沢上流部から立ち上がる尾根に続いているように思えた。
 山に行かなければ後悔するような晴天の日になった。昼近くということもあり、登山口の角田浜に到着した時は、新緑がまぶしい初夏のような陽気になっていた。さくら尾根の登り口手前の、角田浜の駐車場入り口と反対側に、林道が山に向かって分かれていた。ここが登り口のはずであった。林道の奥まで車を進めることはできそうであったが、下山はまだ歩いていない小浜コースを使おうと思っていたので、入り口脇の広場に車を停めた。
 林道入り口から少し進んだ付近には、分譲別荘地なのか、会社の寮のようなものが並んでいたが、さらに進んでいくと、沢沿いの静かな道になった。ニリンソウ、ヤマエンゴグサ、シロボウエンゴグサの花が登山道脇に咲いて目を楽しませてくれた。雪割草やカタクリの花が終わっても、別の花を楽しむことができ、角田山は自然が豊富な山であることを再認識した。この林道には、さくら尾根の途中から下りる道が続いているはずであった。それらしい道があったので、別な貴会に歩いて確認すしてみよう。堰堤に行き当たると、林道は終点になった。ここまでは30分ほどかかり、思ったよりも長い林道歩きであった。ただ、ここまで車で入って登り始めるよりは、林道脇の野草を眺めながら歩く方がお勧めである。
 堰堤の先には、しっかりした山道が続いていたが、この入り口には登山標識は無かった。ニリンソウの群落が周囲に広がる中を登っていくと、沢を渡って左岸沿いの道になった。周囲には杉林が広がり、この山道はもともとは植林のためのものだったのかもしれない。尾根の取り付き部を気にしながら歩いていくと、山道が続いているとはいえ、急にはっきりしなくなった。良く見ると、沢を左に渡ったところに道が続いていた。ここは少し判り難く、迷った人が直進するような道を付けてしまったようである。
 沢が合流する所から立ち上がる尾根の急な登りが始まった。一気に高度を上げ、周囲には雑木林が広がるようになった。先回の縦走の際に迷い込んで引き返しになった見覚えのある地形が現れてきた。雪割草は姿を消して、イカリソウやナガハシスミレ、ヒトリシズカに交代していた。宮ノ平山との分岐に出て振り返ると、登ってきた沢への道の方がしっかりしていた。
 木の枝を足がかりにするような急登を終えると湯の腰コースとの分岐に出て、その少し先で角田山の山頂に到着した。あいかわらず大勢の登山者がいたものの、昼食を終えて、昼寝をしている者も多く、広い山頂はのんびりとした風情が広がっていた。松枯れのためにすっかり風通しの良い山頂になったのは良いとして、木陰も少なく、昼食の間はサングラスをかけている必要があった。
 ビールを飲み干し、ほろ酔いかげんで下山にうつった。宮ノ沢コースを登ってきた場合には、さくら尾根か灯台コースを下山するのが一般的であろうが、まだ歩いていないという理由で小浜コースを使うことにした。五ヶ峠への道に進み、三望平園地の先で灯台コースへの道に入った。尾根道を下っていくと、左に踏み跡が分かれた。分岐には朽ちた木の案内板がかかっていたが、字はまったく読めなくなっていた。小浜コースに入ると、左右から笹がはみ出し気味で、一般コースとしては、あまり歩かれていないようであった。踏み跡が分かれるので、地図を確認しながら歩く必要があった。しっかりした道が続いているのだが、道が多く分かれるのので、うっかりすると思ってもいない所に下山しかねない。角田山は、どの尾根にも踏み跡がついているような状態なので、知らないコースに迷い込む可能性も高い。地図読みを練習するには、良い山域である。
 小浜コースは、登山道上を木立が被さっており、同じく日本海に向かって下山する灯台コースに比べると、展望はあまり良くなかった。しかし、登山道脇には、チゴユリの群落が広がっており、思わぬ出会いになった。山野草見物としては、なかなか良いコースであった。右手には、灯台コースの尾根が平行に走り、その上を行く登山者も眺めることができた。海岸線が近づくと、一気に高度を落とし、最後は右手の沢に下ると、シーサイドライン沿いの駐車場に出た。ここにも登山標識はないので、初めてだと、少し判りにくいかもしれない。
 日本海の青さと白い波を眺めなら、宮ノ沢コース入口に置いた車に戻った。このコースの周遊では、山頂部を除けば、小浜コースで二人連れに出会っただけであった。帰りに、佐潟近くのウェルサンピア新潟で風呂に入った。弥彦や角田あたりの日帰り温泉は、山の帰りに寄るには高いのと混んでいるので、ここの風呂は利用価値は高い。
 今日は誕生日であった。誕生日の記念になるような、登ることが難しいような山とも思わないでもないが、花を楽しみながら気楽に歩く角田山は近くて良き山であった。高く困難な山に登って感動することはたやすいが、低山を楽しむには、花などの知識を必要とする。○才に相応しい山としては、この角田山で良かったのかもしれない。

山行目次に戻る
表紙に戻る