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神戸山(神戸城趾)


【日時】 2002年1月14日(月) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴れ

【山域】 白山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 神戸山・かんどやま・400m・なし・新潟県
【コース】 夏針より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/越後白山
【ガイド】 LATERNE vol.4
【温泉】 村松さくらんど温泉 700円 貸しタオル付き

【時間記録】 6:20 新潟発=(R.49、茅野山、R.403、新津、村松、阿弥陀瀬 経由)=7:20 夏針橋〜7:45 発―7:55 尾根取り付き―8:19 尾根上〜8:25 発―9:23 神戸山〜10:21 発―10:57 尾根上―11:07 尾根取り付き―11:17 夏針橋=(村松さくらんど温泉入浴後往路を戻る)=13:50 新潟着

 神戸山は、白山の北端に位置する山である。上村さんの片雲往来によれば、地元で神戸山と呼ぶ山は、地図に書かれている神戸山の南にある656.9m三等三角点ピークであるという。地図にある神戸山は、山城が置かれていたことから神戸城趾が妥当であろうという。神戸城趾は、この一帯を支配していた神戸太郎最重(室町時代初期、応永年間1400年ころ)の要塞であり、雷山や権現山とも関連しているようである。
 連休三日目は、ようやく晴れの日がめぐってくるようであった。遠くない距離にありながら登っていない神戸山に出かけることにした。地図上の神戸山と三角点ピークの神戸山のどちらに登るか迷ったが、まずは低い方の、地図上の神戸山(神戸城址)を目指すことにした。
 村松を通り抜けて阿弥陀瀬付近にさしかかると、前方に白山山塊の眺めが広がった。送電線の鉄塔の上に見えるのが、三角点ピークの神戸山で、一段低い台地状の山頂が神戸城址のようであった。
 夏針橋を過ぎた所に駐車スペースがあったので、車を停めて歩き出した。川沿いの車道を歩いていくと、右に道が分かれたが、この道はすぐ先で除雪が終わっていた。除雪された道を進んでいくと、民家の軒先に出た。放し飼いの犬に出迎えられ、そこの主人に挨拶をすることになった。「神戸城址へ」と言ったが通じず、「この上は白山だ」というので、「そこらまで行ってきます」と返事して先に進んだ。沢沿いに一段登ると、水平に走っている林道に飛び出した。民家の手前で右に分かれた林道に進むのが正解のようであった。帰りには、この林道を戻ることになった。林道の脇には側溝があり、これが地図にも記載されている水線の正体のようであった。沢を渡ることができるのか心配していたのだが、蓋もしてあって、問題は無かった。
 林道脇の切り通しの低くなった所から、杉林の中に這い上がった。雪は少なく、つぼ足で歩ける状態であった。扇形の斜面の真ん中におり、左右どちらかの尾根に取り付く必要があったが、尾根は雪が落ちてやぶがうるさそうであった。真ん中の窪地は、雪がたまっており、急ではあるものの、雪を使って登ることができた。最後は少し急になり、右手に少し逃げて尾根の上にでることができた。左の尾根が合わさる所で、杉の植林地は終わっていた。
 雪も深くなり、スノーシューを履くことにした。地図を見ると、この先は大した急斜面はなさそうで、スノーシュー歩きに好都合なコースのはずであった。雑木林に囲まれた尾根の登りが始まった。夜の間の晴天のおかげで冷え込んだのか、雪の表面は締まっており、スノーシューの爪を利かせながら快調に登ることができた。雑木林の広がる尾根で、小枝が少しうるさかった。枝を避けようとすると、細かく方向を変える必要があったが、スノーシューのために大回りはそれ程気にならなかった。
 谷向こうに、雷山が向かい合い、登るにつれて、その背後の菅名山塊が真っ白な姿を見せ始めた。ただ、木立が切れることはなく、展望が木の枝で邪魔されるのが残念だった。雪の上にはカモシカの足跡が続いていた。
 神戸山の山頂は、平らで、雑木林が広がっていた。山頂というよりは、城趾といった方が、当たっているような地形であった。高度計の標高と、先に進んで下り坂になることを確かめて、山頂であることを確認した。向かい合う北から延びてくる尾根には送電線の鉄塔が立ち、その背後にまだ高く三角点ピークの神戸山が聳えていた。地図を見ると、尾根を乗り換える所で急斜面が現れるようであった。三角点ピークの神戸山に登るには、桑沢からの尾根を使うのが良さそうであった。
 時間も早かったのだが、ひさしぶりの晴天で、なぜかのんびりしたい気分になってしまった。雪の上に腰を下ろし、湯を沸かしながら、ビールの栓を抜いた。暖かい日差しに誘われてか、小鳥のさえずりも聞こえてきた。木立の陰が、雪の上に青い模様を描いていた。カップラーメンにおにぎり、食後のコーヒーを飲んで、ぼーっとしている間に1時間程が経ってしまった。
 下りは、雪がゆるみはじめ、スノーシューを履いていても踏み抜くような所も現れてきた。それえでも快調に下り、これくらいの時間で下山できるなら、もう少し登りを頑張れば良かったかなと、少々後悔することにもなった。
 下山後、夏針の先の車道を偵察すると、桑沢橋まで除雪されていた。偵察もすませて、さて、三角点ピークの神戸山を目指すチャンスはいつ回ってくるかである。
 村松さくらんど温泉をめざすと、白山や菅名山塊、五頭山塊が、青空をバックに白い姿を浮かべていた。今日は、大勢が入って、トレースも完全にできてしまっており、雪山といった雰囲気ではなかったであろう。山では、十分な眺めが得られなかったのだが、温泉に向かう途中で山の展望を楽しむことができるのはちょっと皮肉なものである。ただ、藪山は、展望は無くとも、登れたことだけでうれしいので、心は満たされていた。


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