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角田山


【日時】 2002年1月5日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 弥彦・角田山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
角田山・かくだやま・481.2m・二等三角点・新潟県
【コース】 宮ノ平コース
【地形図 20万/5万/2.5万】 長岡/弥彦/角田山
【ガイド】 LATERNE vol.1

【時間記録】 9:00 新潟発=(新新バイパス、新潟西バイパス、R.116、県道新潟・寺泊線 経由)=10:10 角田浜尾根取り付き〜10:31 発―10:53 越前浜部落発祥の地標識〜11:00 発―11:53 三角点―12:43 角田山〜12:57 発―13:35 三角点〜13:42 発―14:10 越前浜部落発祥の地標識―14:30 尾根取り付き=(往路を戻る)=15:40 新潟着

 弥彦山と連なって日本海の波打ち際にたたずむ角田山は、佐渡弥彦国定公園に指定され、新潟市民の日帰り登山の山として最も親しまれている山である。各方面から登山道が開かれており、変化に富んだ山歩きを楽しむことができる。豪雪地の新潟にあって、海岸部にあることから冬でも積雪量はそう多くはなく、四季を通じて登山を楽しむことのできる貴重な山になっている。
 1泊2日の飯豊冬山合宿から戻り、さすがに翌日はぼうっとして休養になったが、個人的な歩きはじめを行うことにした。新潟周辺の平野部も大雪となり、出かける山も考える必要があった。このような大雪の状態では、確実に登ることのできる山としては、弥彦か角田山あたりということになる。弥彦は、1月20日に登る予定が入っているので、角田山に出かけることにした。
 角田山の登山コースは、公式、非公式に、どの尾根や谷にあるといっても良いほどに、開拓されている。そのひとつに、北東部の角田浜近くから延びる尾根を辿る宮ノ平コースがある。登山道として正式に整備されている訳ではなく、道標は完備していないため、歩く者は少ないようである。まだ歩いていないこの宮ノ平コースを歩いてみることにした。
 新潟市内は、雪が積もってノロノロ運転状態であったが、角田浜に近づくと、田圃に積もった雪もめっきり少なくなった。宮ノ平コースの登り口は知らなかったので、地図を見ながら探す必要があった。食堂の道路を挟んだ向かいの尾根の末端部をのぞくと、かすかな踏み跡が続いていた。国道から尾根の海側に沿って走る車道に進んでみると、ダンプカーの停まった空き地、さらにその奥に雉の養殖場があった。登山口の標識のようなものは無いようなので、尾根の末端部から歩き出すことにして、国道脇の空き地に車を停めた。
 雪はほとんどなかったが、標高が上がれば雪も出てくるはずなのでわかんを持ち、長靴で歩き出した。尾根末端部は、立ち枯れのめだつ赤松の林が広がっていた。尾根の頂稜部から海側に一段下がった所に踏み跡が続いていた。篠竹の藪に行き当たり、道が少しわかり難くなった。これをくぐり抜けると山の斜面に行き当たり、右に斜上するように、しっかりした山道が続いていた。
 尾根の上に出ると、右に曲がって、台地上の緩やかな登りになった。雪の上に、下山者のものらしい、足跡が続いていた。「越前浜部落発祥の地」という標識が立てられているのに出会った。ペンキがかすれていたが、「慶長年間に越前の国坂井郡三里浜より28名で国乱を避け来たる」というのが越前浜部落の謂われのようである。確かに、ここだったら越後浜で、越前浜というのは、なにかの謂われが無ければならない。この一帯が宮ノ平ということで、ここまでの山道も古くからのものかもしれない。
 方向を決めることが難しい台地の歩きであったが、山道は溝状にえぐれており、コースを見極めるのに問題は無かった。下山者の足跡が左の杉林に急に曲がっていったので不思議に思いながらさらに進んでいくと、尾根に乗ったところで、尾根通しに足跡が下っているのに出会った。振り返ると、そのまま尾根を下って行きやすいところであった。往復ならよいが、片道の下山だけだと、宮ノ平に入った所でルートを間違えないように注意が必要そうであった。
 ここからは、尾根沿いの登りが続いた。下生えの少ない雑木林が広がり、春は花を楽しめそうであった。尾根の海側は、枯れ草に被われた地面が露出していたが、内陸側は雪の吹きだまりになっていた。三角点の置かれた347.0mへの登りになると、股まで雪に埋まる状態になり、わかんを付けることにした。
 宮ノ平山とも呼ばれるようである347.0mのピークに登り着いたところで、三角点を探すと、山道の真ん中に置かれていた。この四等三角点の点名は、「角田浜」である。何度も登っている角田山であるが、三角点を全て確認したわけでない。到達困難といった地点にあるわけでないのだから、一度きちんと確認する必要がある。
 347.0mのピークからは、一旦下りになり、角田山の山頂はまだ高く聳えて見えた。鞍部への下りは、わかんを使っても潜る状態で、倒れ込んだ木を巻くのに苦労した。角田山への登りにかかると、痩せ尾根の急登になった。ロープが固定されていたので、それに頼りながらの登りになった。雪も少なく、わかんが邪魔になったので、つぼ足で登り続けた。湯ノ腰温泉方面からの尾根沿いに踏み跡が続いており、歩くのに潜る心配は無くなった。
 角田山のトイレ脇を過ぎると、山頂広場に到着した。外には人影はなかったが、小屋の中では賑やかな話し声がしていた。どうもこの小屋は常連が多くて入りにくい感じがする。とりあえず山頂標識まで進んで登頂とした。幸い日が差し込んできたので、雪の上に腰を下ろしてひと休みした。休んでいる間にも、三々五々、登る人、下る人が行き交っていた。わかんを持っているような者はおらず、傘を杖代わりにという者が多かった。ストックを持っていないのか、登山にストックをという習慣がないのか。
 下りにかかると、ロープの掛かった急坂で、三名グループとすれ違った。このグループもわかんを持っておらず、つぼ足で登ってきていた。トレースもしっかりできて、帰りはわかんを付ける必要はなくなった。
 宮ノ平コースは、角田山の登山コースのうちでは、距離も長く、ピークの乗越がある健脚向きコースであるが、その分静かな山歩きを楽しむことができるであろう。

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