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三国山


【日時】 2001年11月18日(日) 日帰り
【メンバー】 テクテク会(トントン、ホッキョククマ、エビ太、黒ヒョウ、ヒロタン、風太、サクラ、アキラ、郡山夫妻)
【天候】 曇り

【山域】 谷川連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 三国山・みくにやま・1636.4m・二等三角点・新潟県、群馬県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/四万/三国峠
【ガイド】
【温泉】 法師温泉

【時間記録】
5:10 新潟発=(北陸自動車道 経由)=5:40 三条燕IC〜6:00 発=(関越自動車道、湯沢IC、R..17 経由)=8:09 三国トンネル入口〜8:26 発―9:04 三国峠〜9:14 発―10:02 三国山〜10:37 発―11:36 三国峠〜12:35 発―13:02 三国トンネル入口=(R..17、法師温泉、R.17、湯沢IC、北陸自動車道、三条燕IC 経由)=19:00 新潟着

 三国山は、谷川連峰の西の端に位置する山であり、谷川岳縦走路はこの山より始まる。名前は、上野、越後、信濃の三国に由来するが、実際の三国境には位置していない。関東と越後を結ぶ三国街道の山越えの難所で、三国峠はこの山の南の鞍部にある。
 とんとんホームページの掲示板での温泉の話題から、法師温泉の混浴ツアーという話が持ち上がった。登山の後で法師温泉に入ってみたいと思っていたので、この計画を進めることにした。温泉が後に控えているため、軽い山ということで三国山と組み合わせることにした。三国山は、1996年10月10日に登って以来である。その時は、太源太山まで足を延ばしたが、紅葉に染まった稜線歩きを楽しむことができた。一日の歩きとしては、三国山から太源太山までの往復、あるいは車二台をセットしての平標山までの縦走が良いのかもしれないが、三国山までの軽い歩きで済ますことにした。雪が降り始める頃であるが、歩行時間も短いし、コースも単純なのでなんとかなるはずであった。法師温泉の日帰り入浴は昼過ぎで終わりのため、親戚のコネということで、時間過ぎの入浴をお願いした。総勢10名、うち女性3名の、ほどよい数の参加者が集まった。
 谷川連峰を越して群馬県までとなると、高速代とガソリン代も馬鹿にならないため、新潟方面は二台の車に分乗し、湯沢ICで郡山からの夫妻と落ち合うことにした。集合後、三国トンネルへ向かった。三国山の登山口は、三国トンネルの新潟県側入口となるが、工事のフェンスが張られて少し雰囲気が変わっていたのと、車の中でのお喋りのため、気が付いた時には車はトンネルの中に突入しており、群馬県側に出てからUターンになった。なぜか、このメンバーだと、ちょっとした道の間違えが必ず起きるような気がする。
 雪が降っているはずということで、暖かい格好と、靴は長靴という指示を出してあった。シーズン最初ということで、トントンとエビ太は新しい長靴を履いきていた。長靴履きのシーズンの始まりでもある。トンネル入口の駐車スペースは、いつもだとハイカーの車で賑わっているのだが、山に向かう者は我々のグループだけであった。
 峠までの道は、うっすらと雪に覆われていた。木々の葉は落ち、登山道は木の葉に被われていた。笹原は緑と白のまだら模様に染まっていた。カーブを重ねながら登っていくうちに、汗ばんできた。11月末としては暖かい日であった。そう先を急ぐ山ではないため、お喋りの方も盛り上がっていた。何本かの送電線巡視路を右に分けながら登り続けていくと、第一目標の三国峠に到着した。峠には、鳥居や石碑、石灯籠、お堂が並んでいた。
 このお堂は御坂三社神社と呼ばれ、上野の赤城大明神、信濃の諏訪大明神、越後の弥彦大明神が祀ってある。坂上田村麻呂が東征の時に、三国の一の宮の加護で賊を征伐できたことを、この峠に祀ったのが三国峠のいわれだという。三国峠を越した人の名前が黒い御影石に彫り込んであったが、坂上田村麻呂が最初に記載されているのもそのためであろうか。実際の三国境は白砂山である。
 三国峠で気になっていたことに、ここから西に延びる稜線のことが挙げられる。峠の西には送電線が通っているので、稜線沿いに巡視路があって県境線を歩けるだろうかと思っていた。峠に立って見ると、稲包山・三国スキー場という標識が立っているのが目に入った。三国スキー場から旧三坂峠を経て稲包山までの道が、慶応大学VWの手によって開かれたということを、平成12年12月11日に歩いた小島氏(ランタン通信228号)の報告によって知っていたが、三国峠まで道が延びているとは思ってもいなかった。一人であったら、さっそく行く先変更になるところであるが、皆と一緒では我慢することにした。
 ひと休みの後、三国山への登りにとりかかった。峠から見える山の頂上は三国山ではなく、本当の山頂はさらに奧にある。木の階段が続くようになった。以前に登った時は、階段が崩れて、登山道の荒廃が目立ったが、今は過剰な程の整備がされている。木の階段の上にうっすらと雪が被っているため、足が滑るのではないかと、少し慎重な歩きになったが、スパイク付き長靴のため、その心配はなかったが、ストックの先が滑って流れるので注意が必要であった。階段から足を踏み外すと、怪我の危険性が高そうであった。
 うっすらとガスがかっていたが、その間から、晴天に恵まれているらしい群馬県側の眺めが開け、法師温泉を見下ろすこともできた。傾斜が緩むと、お花畑に到着した。ロープで仕切られた草原には、ニッコウキスゲの枯れた茎が並んでいた。再び急な階段登りが始まった。山頂下のガレ場あたりで、息が切れてひと休みが必要になった。ガレ場には、土砂崩れ防止のために丸太の柵が上下に並んでおり、やむを得ない工事とはいえ、風景を殺伐なものにしていた。
 階段を登り終え、縦走路を左に分けると、その先で三国山の山頂に到着した。山頂は数センチの雪で覆われ、シーズン最初の雪山になった。山頂到着と同時にビールを飲み出す者もおり、少し寒かったものの、山頂で軽い宴会になった。一同で恒例の記念写真を撮り、山頂標識の上にミニ雪だるまを作ったりして遊んだ。三国山の山頂は、木立に囲まれて見晴らしは良くないが、ガスの切れ間から展望が時折広がった。体が冷えたので、三国峠のお堂の中で昼食にすることにして下山に移ることにした。
 下山は、縦走路を進んで迂回路から戻ることにした。急坂であったが、階段ではないため、木の枝を掴みながら気楽に下ることができた。小ピーク手前の鞍部から左に曲がって、迂回路に入った。北斜面に位置するためか、木立は美しく霧氷に被われていた。ガレ場の下で、メインの登山道に合流し、階段道を注意しながら下った。昼近くになって、登ってくる登山者にも二組出会った。
 峠に戻り、お堂に入ろうとすると、入口が冬囲いの木で被われていた。登りの時は無かったものであった。取り外せるものなので中に入ったが、カビ臭いため、外で食事をすることにした。ワインも開けて、本格的な宴会が始まった。幸い風はなく、それほど寒くはなかった。
 時間を見計らって宴会を打ち切って法師温泉に向かうことにした。法師温泉には、日帰り入浴が終わった時間に到着し、ゆっくりと温泉に入ることができた。女性陣も勇気を持って混浴に入ってくれて、楽しいひと時になった。玄関脇の囲炉裏部屋を使わせてもらって休憩した後、もう一度風呂に入り直してから帰路についた。最近流行の日帰り温泉施設は、登山後に汗を流すのには良いが、風情を楽しむには、やはり古くからの温泉宿の方が上である。また、温泉がメインの山行を企画してみようか。


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