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宝珠山、菱ヶ岳、五頭山縦走


【日時】 2001年6月2日(土) 日帰り
【メンバー】 えび太、岡本明
【天候】 晴

【山域】 五頭山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 宝珠山・ほうしゅさん・559m・なし・新潟県
 大蛇の頭・だいじゃのかしら・799m・なし・新潟県
 野須張山・のすばりみね・902.8m・三等三角点・新潟県
 大日山・だいにちやま・924m・なし・新潟県
 菱ヶ岳・ひしがたけ・973.5m・二等三角点・新潟県
 中ノ岳・なかのだけ・915m・なし・新潟県
 五頭山・ごずさん・912.5m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/出湯
【ガイド】 なし
【温泉】 宝珠温泉赤松荘 500円 タオル類付き

【時間記録】
515 新潟発=(R.49、水原、出湯、R.290 経由)=6:10 菱ヶ岳登山口=(R.290)=6:30 赤松山森林公園〜6:36 発―6:48 送電線鉄塔―7:02 赤松城山―7:12 赤松山―7:25 虚空蔵山―7:52 八咫柄山―8:03 宝珠山〜8:07 発―8:38 小朝新道―8:45 水場―8:49 波多野新道―9:20 大蛇の頭〜9:32 発―10:02 野須張山〜10:05 発―10:25 大日山〜10:35 発―11:05 菱ヶ岳〜11:45 発―12:06 与平峰―12:29 中ノ岳―13:03 水場―13:10 三叉路―13:18 五頭山〜13:35 発―13:40 三叉路―13:50 一ノ峰―14:00 三ン峰避難小屋―14:24 長助清水〜14:30 発―14:44 五合目―14:59 どんぐりの森―15:12 菱ヶ岳登山口=(R.290、赤松山森林公園、宝珠温泉、安田、R.49 経由)=18 :10 新潟着

 五頭山塊は、新潟平野に面し、加治川と阿賀野川の間に広がる山塊である。新潟周辺で登山者に最も親しまれている山域であるにもかかわらず、主脈上で登山道のあるのは、菱ヶ岳から五頭山を経て松平山至る間の中央部のみであった。昨年、石戸から野須張山を経て菱ヶ岳に至る登山道が整備され、さらに今年になって、宝珠山から野須張山の間が整備され、これによって宝珠山から菱ヶ岳の間の登山道がつながった。
 昨年の3月12日に、宝珠山から菱ヶ岳までの縦走を行った。登山道が無いために残雪期を狙って歩いたのだが、その後、宝珠山から先の登山道の整備の話が伝わってきた。登山道があるならば、その道を歩いてみなければならないと思い、雪解けを待った。縦走のために登山口と下山口が異なるため、えび太さんを誘って、車をあらかじめセットすることにした。
 村杉温泉の奥の菱ヶ岳登山口に集合し、えび太さんの車で、宝珠山登山口の赤松森林公園をめざした。宝珠山へは、草水登山口も考えられたが、より近いことと、下山後の宝珠温泉があることから、赤松森林公園から歩き出すことにした。登山口は、尾根の末端部にもあるが、赤松森林公園の奥まで車を進め、少しでも高い所から歩き出すことにした。最高点の駐車場からは、サントピアワールドの遊園地のある本田山を良く眺めることができた。
 赤松森林公園内は、遊歩道が張りめぐされているため、コースを良く確認する必要がある。案内板を見ると、「山伏の道」と名前の付けられたコースを進めば、宝珠山への登山道に出ることができるようであった。沢の右岸沿いの遊歩道を登っていくと、堰堤下の橋で沢を渡り、その後はだらだら登りが続いた。周囲は、森林公園ということで、良く整備された美しい木立が広がっていた。尾根に合わさる手前に宝珠山への標識があり、右手に送電線の巡視路が分かれた。急坂をひと登りすると、鉄塔下で、尾根末端からの登山道に出ることができた。ここまでは、12分の歩きであった。尾根の末端からだと、この鉄塔まで20分ほどかかって、息も切れる頃なので、大分楽をしたことになる。ウォーミングアップ終了ということでTシャツになった。風は冷たく、長時間の歩きには、ほど良い天気であった。
 赤松城山や赤松山、三角点の置かれた虚空蔵山も快調に通過した。丸山小富士の岩場の上に立つと、八咫柄山と宝珠山はすぐ目の前であった。以前は、この岩場は、短い区間であったが、慎重に足を運ぶという感じであったが、今回は、特に問題のない箇所に思えた。岩を少しならしたのだろうか。八咫柄山で、草水からの道に合流した。鞍部への下りにかかるところで、右に下る尾根に荒い刈り払い道があり、石間へと書かれた標識が掲げられていた。どうやら、新しい登山道が開かれたようで、確かめなければならない登山道が増えてしまった。鞍部からの急登は、ロープが張られて、歩きやすくなっていた。
 宝珠山の山頂は、誰もおらず、鐘が揺れているだけであった。岩の上に立つと、吹く風が心地よかった。遠くの展望は利かなかったが、菅名山塊が目の前に大きく広がっていた。休んでいると、単独行が登ってきた。まだ早い時間であるが、宝珠山止まりとのことであった。宝珠山から先の縦走路に進む者は少ないようであった。
 宝珠山から先は、背丈を越える笹原の中の刈り払い道になった。足元で、笹の刈り残しの枝がボキボキと音を立てた。転べば、尖った切り株で怪我をしかねず、歩く速度もそれほど上がらなくなった。次の目標の大蛇の頭までは250m程の標高差があり、長い登りが続いた。
 縦走路途中には、小朝新道や波多野新道といった二本の登山道が、西側から上がってきていた。新聞にも紹介されていたが、登山口の入り方など、紹介の記事からは良く判らなかった。せっかく登山道を開いたというなら、もうちょっと登山道の紹介にも力を入れると良いのだが。登山道の途中には、手塚坂、信田の岡、阿部の廊下、今井の頭、亥野上のツゲの窓といった標識が付けられていた。本来の地名とは関係のなさような、おそらく登山道の整備にたずさわった人の名前のようで、あまり歓迎されるものではない。
 大蛇の頭の山頂は、切り開かれた広場になっていたが、木立に囲まれて展望は無かった。標識には、大蛇山と書かれていた。宝珠山からここまで結構距離があり、草の上に腰をおろしてひと休みした。
 続く野須張山手前で、高原状の台地に出ると、周囲の灌木の背丈も低く、展望が広がった。笠菅山や白髭山、日本平山や御神楽岳を眺めることができた。その先をひと登りすると、石戸からの登山道の合わさる、野須張山の山頂になった。この先は、すでに歩いているので、ようやく夏道の縦走路がつながったことになる。分岐には、各方面の登山道の行き先は書かれていたものの、野須張山という名前は書かれていなかった。このピークには三等三角点が埋設されている。先回石戸から登った時に、藪の中に三角点を探してみたが、見つからなかった。今回は、もう少し刈り払いが広がって、三角点が見つかるかと期待したが、見つからなかった。野須張山には、二人連れが休んでいたが、石戸から菱ヶ岳の往復のようであった。
 次のピークの大日山で休みをとることにした。大日山の頂上は、背の低い灌木帯で、菱ヶ岳南部で一番の展望地になっている。菱ヶ岳が、目の前にせまっていた。菱ヶ岳の山頂は木立に囲まれて展望はないため、昼の大休止にするならば、大日山が良いのだが、ビールを飲んでしまうと、菱ヶ岳への最後の登りが辛くなる。お腹と喉にはもう少し我慢してもらうことにして、菱ヶ岳めざして歩き出した。
 大日岳からは、一旦下りになるのが恨めしい。菱ヶ岳への最後の登りは、時折尾根から外れてトラバースを交えながらの登りになった。登山者の話声が聞こえてきて、山頂が近づいてきたことを知ることができた。菱ヶ岳の山頂には、10数名の登山者が休んでいた。どこから来たかと尋ねられたところをみると、五頭スキー場方面からの登山者ばかりのようであった。
 山頂部に転がる石の上に腰をおろし、昼食とした。ようやくありついたビールは美味しかった。菱ヶ岳まで順調に歩いてきたので、もうひと頑張りして、五頭山まで足を延ばしてから下山することにした。
 菱ヶ岳の最高点は、五頭山方向に僅かに進んだ所にある。三角点が973.5mであるのに対し、最高点は981mの標高になる。菱ヶ岳登頂のために、わざわざこの最高点まで足を運ぶ登山者はいないようである。もっとも、灌木に囲まれて、山頂らしからぬ場所ではあるのだが。その先の与平峰で、中ノ沢への登山道が右に分岐したが、縦走路よりもしっかりした道が付けられていた。
 緩やかに上下する道が続き、遠くに見えていた五頭山が次第に近づいてきた。873mピーク付近からは、前一ノ峰の上に立つ人も目に入ってくるようになった。登りをひと頑張りすると、一ノ峰からの登山道の合わさる三叉路に出ることができた。一ノ峰方面からは、賑やかな声が聞こえていた。五頭山に向かうと、人声は遠ざかっていった。
 五頭山の山頂は、三角点の周りが刈り払われていなければ、それと気づかずに通り過ぎてしまうような、地味な山頂である。それでも、東西に木立が切り開かれて、飯豊方面と越後平野部の眺めが得られるようになっていた。記念写真を撮り、ひと休みした。夫婦連れが歩いてきたが、そのまま通過していった。五頭山の山頂ということは全く意識していないようであった。松平山へは、あと1時間30分ほどの歩きになるが、下山のことも考えて無理はしないことにした。予め、下山口に車をセットしておけば、宝珠山から松平山への縦走も可能であるが、かなり草臥れそうである。
 三叉路に戻り、一ノ峰に進んだ。前一ノ峰からは、菱ヶ岳と松平山両方向の展望が広がった。眺めの良いピークで、ここを山頂と思ってしまう者が多いのかもしれない。一ノ峰では、昼寝の単独行が寝そべっているだけで、他の登山者は下山を開始してしまったようである。三ノ峰のドラム缶の避難小屋の前で、出湯温泉への道と分かれた。
 僅か先の三ノ峰から、下りが始まった。急斜面な上に、登山道がえぐられて、脇を辿る必要があり、歩きにくい道であった。長助清水まで下りた所で、ひと息入れた。ここらで半分かと思ったが、さらに下りを続けていくと、五合目という看板が現れた。しかし、かなり下っているしおかしいと思っていたら、それ程の時間もかからずにどんぐりの森のキャンプ場に下り立った。下りは、冗談ごとで済むが、登りの時は、この五合目の標識に裏切られた感じになるであろう。スキー場まで車を乗り入れておけば、少し楽をできたのだが、あいにくと入り口の駐車場に車を停めていたので、少し車道歩きが必要になった。
 近場の山としては、8時間の歩きで、結構な運動量になった。車を回収し、宝珠温泉で汗を流してから家路についた。


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