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石高城山、高城


【日時】 2001年2月18日(日) 日帰り
【メンバー】 トントン、北極クマ、岡本
【天候】 曇り

【山域】 白山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 石高城山・いしたかじょうやま・168.5m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/加茂
【ガイド】 なし

【山域】 下田周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 高城・たかじょう・370m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/粟ヶ岳、森町
【ガイド】 新潟花の山旅(新潟日報事業社)、新潟の里山(新潟日報事業社)
【温泉】 下田村八木ヶ鼻温泉 いい湯らてい 750円(割引券100円を使用) タオル・ロッカー付き

【時間記録】 7:20 新潟発=(R.49、亀田、R.403、加茂、黒水、R.290 経由)=8:20 七谷コニュニティーセンター〜9:00 発―9:10 林道終点―9:22 稜線分岐―9:30 石高城山〜9:45 発―9:50 稜線分岐―9:54 林道終点―10:09 七谷コニュニティーセンター=(R.290、田屋 経由)=10:40 長禅寺〜10:48 発―11:00 林道―12:00 高城〜13:26 発―14:06 林道―14:10 長禅寺=(いい湯らてい入浴後、往路を戻る)=18:05 新潟着

 石高城山は、加茂川右岸にあり、黒水の薬師山と向かい合う山である。この山の麓には、粟ヶ岳登山の帰りの入浴場としてファンも多い七谷コミュニティセンターがあり、その駐車場から奥の谷間に石高城山が顔をのぞかせている。
 袴腰山は、川内山塊の最高峰である粟ヶ岳の前山である。五十嵐川のほとりから袴腰山に至る稜線上には高城と呼ばれる山城の跡が残されている。「高城は戦国時代に下田郷を支配し、森町を根拠地としていた在地豪族下田長尾氏の保有していた最も重要な要塞であった。」と登山口の長禅寺の門前の案内板には書かれている。上杉一門の長尾藤景は、川中島合戦で上杉謙信の軍略を批判したがために謀殺され、遺臣らがこの山城にこもって蜂起したものの数カ月で落城したという歴史を秘めた山城である。現在、袴腰山への尾根には、ヒメサユリが大切に育成され、「ひめさゆりの小径」として登山道が整備されている。

 冬山ハイキングとして、トントンさん達とどこかの山に登ろうということになった。天気予報は、曇り時々雨ということで、登る山に迷った。とりあえず、七谷コミュニティセンターに集まって、空模様を見てから考えることにした。
 週の半ばに新潟の海岸平野部にまとまった雪が降ったために、七谷コミュニティセンターの駐車場は、2m程の雪の壁に囲まれていた。雨も時折落ちてきたため、軽く登って後は温泉かなと思い、駐車場の背後にたたずむ石高城山に登ることにした。
 まずは、雪の壁に上がるため、スコップで足場を削りだした。雪の上に立つと、田圃は埋まって一面の雪原が広がっていた。私はスノーシュー、他の二人はワカンを履いた。雪に潜る深さは、足首程で、雪も締まってきたようである。雪原の中には用水路が横に走っているのだが、雪に隠されてそこを渡る橋があることが判り難くなっていた。橋の上には2m程の雪が積もり、用水路に落ちないように注意深く渡った。
 コミュニティセンターの背後からは、谷の奥に向かって林道が通じている。雪は重く、スノーシューのために歩きやすいものの、汗はたちまち吹き出てきた。後に続くワカン組もかなり潜るようで、歩くのに苦労をしていた。先回は、正面の尾根を登ったのだが、今回は左手の鞍部から登ることにした。山にぶつかって二手に分かれる道の左に進んだ。
 林道をしばらく進むと杉林の広がる谷間に出るので、ここは右寄りに進むようにしながら高みをめざす。杉林の中を登っていくと、稜線の鞍部が目に入ってくる。傾斜は増してくるが、雪の状態もほどほどに柔らかく、スノーシューでも足場を切りながら登ることができた。稜線に上がって、ひと息ついた。
 ここからは、雑木林の広がる稜線通しのコースになる。所々急な所もあり、木の枝を掴んだりしながら、体を引き上げた。鞍部からは、そう長くはない歩きで石高城山の山頂に到着した。白山方面の眺めは開けているのだが、雲に隠されていた。先日登った猿毛岳を木立の間から眺めることができた。先回は、地図を見ながらあれこれ考えながら登ってきたのだが、二回目でコースも判っているとなると、あっさりと登ってしまったという感じが強い。
 天気はもっているようなので、続いてもう一山登ろうかということで、休みもそこそこにして山を下ることにした。
 駐車場に戻ってスノーシューを脱いでいると、おばあさんが通りかかって声をかけてきた。石高城山に登ってきたというと、何も無かっただろうというので、物好きなのでと答えると、山の杉林は私のものだという。遊ばせてもらいましたとお礼を言った。
 お昼の休憩のために小屋のある山が良いということで高城をめざすことにした。登山口の長禅寺の駐車場は、登山者のものと思われる車でいっぱいで、一台しか停められず、二台は路上駐車になった。お寺の裏手から登山道を進むと一旦林道に飛び出し、その先で尾根通しの登山道に入る。一応ワカンは持ったものの、トレースが続いており、坪足で歩くことができた。下山してくる登山者を見ると、ワカンを持っている者はいなかった。雪の上はワカン無しには歩けない状態なので、トレースの上しか歩けないというのも不安にはならないのだろうか。
 曇り空にもかかわらず、三条方面の丘陵地帯の眺めが広がっていた。小さなピークを越していくのだが、石高城山への登りで草臥れて、足が重かった。前の週の三連休の疲れが抜けていないようである。それよりも、週の半ばに降った雪のために、雪道の通勤になったことが足の疲労度を増したようである。進むに連れて、右手には、ねずみ薬師を前景に守門岳の裾野の眺めが広がるようになった。
 少し長めの登りを終えると、高城の山頂に到着した。袴腰山の山頂まではあと1時間以上かかるということで、歩きはここまでになった。記念写真を撮って、山小屋に入った。中は暗く、手探り状態で中に入って、雨戸を開けた。知らないこととて土足で上がり込んでしまったが、入口から板張りになっており、まずはモップで拭き掃除をした。他の登山者は下山してしまったか袴腰山へ向かってしまったかで、貸し切り状態の小屋になった。火を起こして暖まりながら、ビール片手のおしゃべりタイムになった。雪山では、小屋があるのは本当に有り難い。
 ゆっくり休んで外に出ると、空模様はますます怪しくなってきた。下山の足を早め、車に戻って温泉に向かう途中から本降りの雨になった。

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