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重平山


【日時】 2001年2月2日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 五頭連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 重平山・しげひらやま・236.7m・四等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/出湯
【温泉】 出湯温泉・元湯 150円 石鹸・シャンプー無し

【時間記録】 9:30 新潟発=(R.49、安田、R.290、村杉温泉 経由)=10:30 山びこ通り入口〜10:55 発―11:35 重平山取り付き〜11:40 発―11:54 重平山〜12:05 発―12:14 重平山取り付き―12:45 山びこ通り入口=(村杉温泉、R.290、出湯温泉、水原、R.49 経由)=14:40 新潟着

 五頭連峰の西山麓に広がる五頭温泉郷の出湯と村杉温泉は、R.290によって結ばれているが、それと平行して山間を走る林道の五頭山麓線がある。全長約5kmの五頭山麓線は、山びこ通りとも呼ばれ、林道脇に歌碑が置かれて、「笹神やまびこの道」として中部北陸自然歩道の一部にもなっている。重平山は、この五頭山麓線脇にある山で、村杉温泉から安野川沿いの道を菱ヶ岳登山に向かうとき、川向こうに見ることができる。
 今年の冬は、久しぶりに寒さの厳しい冬になった。おかげで、どこの山に登りたいというより、この天気でも登ることのできる山を考えるのに追われている。金曜日の晩も、山の計画を練って、さて寝ようかと思って窓の外を見ると、雪が道路に積もっていた。土曜日は、あきらめモードでゆっくりと起き出すと、雪も止んで青空が広がっていた。15センチ程の雪が積もったようであるが、気温も上がって凍結の心配はなくなっていた。ということで、軽い山歩きに出かけることにした。
 五頭連峰前衛の重平山は、山びこ通り脇の小山である。94年5月7日に菱ヶ岳から松平山への縦走を行った時、中間の五頭山登山口に車を置き、朝一番の仕事としてこの山びこ通りを歩いて菱ヶ岳登山口を目指したが、山間の曲がりくねった道で距離があり、これならば直線の国道を歩いた方が早かったと後悔した覚えがある。その時は、林道脇にある重平山のことなど、地図を見ても頭の片隅にも入らなかった。
 重平山は、今板温泉背後の山であるが、山びこ通りの村杉温泉側入口からが近い。比標高は、林道からだと30m程であるが、1.2.km程の雪道の歩きが一番の難関である。今回、新しいスノーシューを買ったので、その試用に丁度良さそうであった。
 五頭山麓のR.290に入ると、除雪された雪の壁が続くようになった。村杉温泉から菱ヶ岳登山口へ通じる林道は、除雪されて圧雪状態になっていた。20セント程の新雪があったようなので、除雪された後の遅出で正解のようであった。除雪は、菱ヶ岳登山口の駐車場までされていたが、その手前のやまびこ通り入口の路肩に車を停めた。現在は、五頭高原スキー場は営業を行っていないが、駐車場までは冬でも除雪されているようである。登山者の為か、スキー場跡での雪遊びの便のためであろうか。これに対し、山びこ通りはすっぽりと雪に覆われていた。
 今回買ったスノーシューは二台目になる。エキスパートジャパンのスノーラケット黒龍であるが、漢字の命名は、暴走族風で、アウトドア用品としては異色である。一台目は、タブスのアドヴェンチャーであった。湯力は大きく、平地を歩くには威力を発揮したが、ビンディングがやわでルーズフィットのため、トラバースなどで靴が横にずり落ちてしまうとことや、爪が浅いために登攀や下りの能力に劣るといた欠点があった。今回の黒龍は、ひと周り大きなワカンにデッキを取り付けたようなもので、靴にしっかり取り付けられるビンディングが付いており、登攀能力もありそうであった。
 林道に足を踏み入れると、沈み込みは、30センチ程の膝下であった。足を前に出す際にも、雪に引っかからないでスムーズに出てきた。雪に埋もれた林道を快調にといっても、実際にはノロノロとした歩みで進んだ。林道は、安野川に沿って、長く続いた。林道脇には、雪に半ば埋もれた歌碑が並んでいた。薄曇りの空が広がり、まずまずの雪山ハイキング日和になった。林道歩きだけで汗が吹き出てきた。ワカンだとかなり大変そうな雪道であった。振り返ると、雪の上に足跡が長く続いていた。
 ようやく重平山の取り付き点に到着してひと休みした。切り通し部分の出湯側から登ることにした。木の枝に掴まりながら登る急斜面であったが、今回のスノーシューは、足場を切りやすく、灌木をかき分けての歩きでも小回りが利き、ワカンとそう変わらない感じであった。杉の木に雪がのっており、くぐる時に頭の上から降り注いできて冷たい思いをした。降雪直後の薮こぎは、好んでやりたいものではない。
 重平山の山頂は、切り開かれた小広場になっていたが、木立に囲まれて展望はあまり良くなかった。むしろ、少し手前に木立の切れた所があり、菱ヶ岳方面の眺めが広がっていた。山頂には三角点が埋められているはずであったが、2m程の雪の下では探せるはずもなかった。ザックをおろして、山頂の木立の間を探索していると、今板温泉側に石碑が置かれていた。石碑に付いた雪を落としてみると、寒念佛講と書かれていた。昭和四十四年のもので、昔のものではないようであった。となると、このピークには、夏道があるのであろうか。点の記にも歩道状況小道とあり、概念図にも林道と今板温泉の両方向へと破線が記されている。
 下りも、今回のスノーシューは、ヒールでのステップも利いて、歩き易かった。帰りの林道は、自分で付けたトレースを辿り、40分が30分に縮まった。ほぼ水平の道なので、ラッセルの先頭と二番手とは、これだけの差が付くもののようである。
 帰り際に登山口の駐車場に寄ってみると、6台程の車が停まっていた。菱ヶ岳方面にはトレースはなく、スキー場に向かって続いているのみであった。村杉温泉の公衆浴場の駐車場は満杯であったため、出湯温泉の公衆浴場に入ってから帰宅した。


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