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角田山


【日時】 2001年1月4日(木) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 雪

【山域】 角田山
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 角田山・かくたやま・481.7m・二等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 長岡/弥彦/角田山
【ガイド】 新潟の里山(新潟日報事業社)

【時間記録】 8:50 新潟発=(新新バイパス、新潟西バイパス、R.116、県道新潟・寺泊線、角田浜 経由)=10:00 角田岬〜10:06 発―10:29 かったん岩分岐―11:21 稜線分岐―11:26 角田山山頂〜11:32 発―11:36 稜線分岐―12:15 かったん岩分岐―12:34 角田岬=(往路を戻る)=13:40 新潟着

 弥彦山と連なって日本海の波打ち際にたたずむ角田山は、佐渡弥彦国定公園に指定され、新潟市民の日帰り登山の山として最も親しまれている山である。弥彦山が観光、あるいはテレビ等の中継基地のための開発が進んでいるのに対し、角田山は自然が良く保たれている。角田山は、各方面から登山道が開かれており、変化に富んだ山歩きを楽しむことができる。豪雪地の新潟にあって、海岸部にあることから冬でも積雪量はそう多くはなく、四季を通じて登山を楽しむことのできる貴重な山になっている。

 角田山は、もっとも登山回数の多い山であるが、それでも歩いていないコースは多い。「さくら尾根コース」は、公認ともいえる、稲島、五りん石、福井ほたるの里、五ヶ峠、浦浜、小浜、灯台、湯の腰といった8コースに加えて、春の花や灯台コースと結んでの周遊コースで、最近人気の高いコースである。
 元日に角田山の約束をしていたが、天気予報で悪天候が予想されたために、事前に中止にした。果たしてというべきか、強風が吹き荒れる元日になった。2日はみぞれが激しく降って、外を眺めただけで山は諦め。3日は家を出たものの、新津に近づくにつれて吹雪状態になり、県道上の雪も轍が刻まれた状態になった。正月とあって、除雪車も出動していないようで、登山口に到着しても雪で車の置き場所もなさそうであった。諦めて家に戻った。
 新年の登山開始のために4日はなにがなんでも山に行くつもりになった。駐車場とコースを考え、少々の悪天候の中でも登ることのできる山となると、角田山か弥彦山ということになってしまう。幸い、悪天候も峠を越したようで、雪がちらつく程度になった。県道新潟・寺泊線に入ると、路面が凍結しており、ノロノロ運転になった。近づいてきた角田山は全景が現れ、登山のコンディションはそう悪くなさそうであった。当初の予定では、もっとも確実な稲島コースから角田山に登ろうと思っていたのだが、これまで歩いていない「さくら尾根コース」から登ることにした。県道新潟・寺泊線から分かれて角田浜をめざすと、急に雪は少なくなった。
 「さくら尾根コース」の登山口は、シーサイドラインが灯台の立つ角田岬を貫く角田トンネルの手前、角田岬バス停のある小広場である。広場に車は停まっていなかったが、二人連れの足跡が続いていた。地面をうっすらと雪が覆っている程度で、海に面したこのコースは、雪はそう多くないようであった。
 登り始めの山の斜面は、松が枯れて倒木となり、無惨な姿を見せていた。登山道は明瞭なものの、倒木が道を塞いでいるため、またいだり、脇の薮に足を踏み入れたりで、歩きづらかった。風に枯れ木の幹が鳴って、倒れかかってこないか心配になった。いづれは全て切り倒して新たに植林し直さなければならないだろうが、春のカタクリや雪割草の植生が影響されなければ良いのだが。ひとしきり急斜面を登り終えると笹の下生えとなり、小ピークに出て、右手にかったん岩への踏み跡が分かれた。
 小ピークの下りからは、角田山の山頂が、前方に高く姿を現した。右に沿って走る灯台コースの尾根は、小さな起伏を連ね、木々は真っ白に染まっていた。僅かに下った後は、緩急の繰り返しのある尾根道になった。高さが上がるに連れて、雪も膝上までになってきた。風は思ったよりも弱く、日本海からの西風は、灯台コースのある尾根によって遮られているようであった。
 灯台・浦浜・五ヶ峠コースの合わさる稜線に上がると、とたんに雪は多くなった。五ヶ峠方面からの踏み跡もつけれていた。風が強くて小雪庇ができ、踏み跡は雪に埋もれかかっていた。登山道に木道が整備されたようだが、それを踏み外すと雪におっこちてはまり、かえって歩き辛かった。
 山頂は、一面の雪原になり、静まり返っていた。山頂小屋からは煙があがり、登山者で賑わっているようであった。三角点は頭をのぞかせており、雪の量は多くはないようであった。稲島、湯ノ腰方面からのトレースは付いていたが、五リン石方面は雪に閉ざされていた。雲の切れ目から青空がのぞき始めたが、時折の突風で雪煙が舞った。
 小屋の中に入るのがおっくうになって、そのまま山を下ることにした。天候が回復してきたためか、下りでは、二名の登山者に出会った。トレースが付いて安心したものの、途中で、右手の宮ノ沢に下るトレースに引き込まれそうになった。角田山といえども、油断は禁物である。日本海に打ち寄せる白波が近づき、潮騒が大きくなると、登山口に下り立った。

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