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猿毛岳


【日時】 12月30日(土) 日帰り 【メンバー】 トントン、象、岡本 【天候】 曇り 【山域】 新津丘陵 【山名・よみ・標高・三角点・県名】  猿毛岳・さるけだけ・326.7m・二等三角点・新潟県 【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/加茂 【ガイド】 新津丘陵誌(稿) 【時間記録】 8:00 新潟発=(R.49、亀田、加茂、R.403 経由)=8:00 七谷コミュニティーセンター=10:00 日吉橋登山口―11:26 猿毛岳〜12:23 発―13:08 スキー場跡登山口―13:42 日吉橋登山口=(往路を戻る)=15:00 新潟着
 新潟平野の内陸部の縁に沿って広がる新津丘陵は、加茂川によって南の区切りが付けられている。加茂川右岸の猿毛の集落の背後にある猿毛岳は、新津丘陵の南東の角に位置し、新津丘陵の最高峰にあたる。猿毛岳とR.290を挟んで向かい合うように、最近閉鎖された冬鳥越スキー場があるが、猿毛岳にもかつてスキー場があり、山中にその跡が見られる。少し前までは、「新潟の低山薮山」にも取り上げられているように、薮漕ぎの山であったが、平成10年から11年にかけて登山道が整備され、現在ではハイキングの山になっている。

 98年12月19日に猿毛岳に登り、その際に、薮漕ぎで稜線に上がるとテープの列が尾根沿いに付けられており、下山はそれを辿って下山した。その後、ハイキングコースが整備されたことを聞き、改めて登りに行かなければと思っていた。
 インターネットの知り合いのトントンさんと象さんと一緒に雪山ハイキングに行く約束をした。ワカン歩きの体験が目的のため、雪の積もり具合を見て、登る山を考えていた。年末に強い寒気が入り込んみ、山の方の雪も十分ありそうなため、手頃な歩きの猿毛岳に登ることにした。
 年の暮れにしては驚くような快晴の朝になった。いつも下山後の入浴に利用している七谷コミュニティーセンターの駐車場で待ち合わせをした。前日の偵察では、猿毛岳登山口の駐車場は雪のために入れず、付近の路肩駐車のスペースが少ないため、象さんの車で猿毛に向かった。
 日吉橋を渡ったところに「猿毛岳ハイキングコース9-1」という標識が立てられていた。橋のたもとの空き地に車を停めた。加茂川沿いに林道を進むと、日吉神社へ上がる登山口があり、その先の空き地が駐車場のようであった。段々をひと登りすると、杉木立の中に佇む日吉神社に出た。社殿は雪囲いで覆われており、彫刻の施された横木飾りが上にのぞいていていた。
 緩やかな尾根を進んでいくと、植林地帯に入り、傾斜が増してきた。ハイキングコースとして、急な所は段々に整備されており、滑り落ちる心配はなかったが、息があがってきた。新雪が乗った杉林は、夏の陰気な風情とは異なり、緑と白の美しいコントラストを見せていた。新雪にトレースを付けながらの歩きは楽しかった。
 坪足で初めの急斜面部を登り終えた所で、ワカンを付けることにした。二人ともワカンは始めてのため、練習のために早めの装着であったが、その後杉林を抜けて稜線部に出ると、とたんに雪が深くなってワカンが必要な状態になった。雪もほどほどの軽さで、ワカン歩きもそう苦労をしないですんだ。
 雑木林の間から粟ヶ岳や袴腰岳の展望が開け、写真タイムのためにしばしば足が停まることになった。ワカン歩きを楽しみながら緩やかに登っていくと、猿毛岳の頂上に到着した。山頂にはベンチが置かれ、「猿毛岳ハイキングコース9-9」という標識が立てられていた。コースの番号の9-9とは、全部で9のうちの9番目ということにようやく気がついたが、山頂が10でない理由も含めて分かり難い。
 山頂は、周囲の木立が切り開かれて、素晴らしい展望地になっていた。加茂の町を眼下に見下ろして、新潟平野の向こうには角田山から弥彦山の連なり、さらにその向こうには佐渡島が横に長く広がっていた。向きを変えれば、白山から粟ヶ岳への連なり。その右手には守門岳から浅草岳。あくことのない眺めであった。
 ベンチの上に積もった50セント程の雪を掻き落として、腰を下ろした。暖かいひざしのもとで、ビールを美味しく飲み、湯も沸かしてのんびりと昼食タイムをとった。自称晴れ女のトントンさんであるが、確かに今年一緒に歩いた数回の山行では、晴れに恵まれた。
 下りは、スキー場跡に下降することにした。先回は、薮をかき分けて山頂リフト駅の残骸を見物しにいったのだが、雪の中でもはっきり判る道がつけられていた。山頂では木立に隠されていた飯豊方面の眺めが広がった。菅名山塊と五頭山塊の間に一際白い山稜が続き、中央に高いのは北股岳のようであった。雪は深くなり、コースを見定めるのにも注意が必要になった。左に回り込んでいくと、ベンチの置かれた展望地があって、ここからは飯豊方面の遮る物のない眺めを楽しむことができた。
 この先は杉林の中の歩きになった。山頂方向に戻るようなトラバース道が続いた。所々に現れるハイキングコースの標識とテープが頼りになった。あらかじめ韮澤さんのまとめた「新津丘陵誌(稿)」を読んで、コースを予習しておいたから良かったものの、始めてでは、辿るのに苦労しそうな道であった。最後に杉林の中を真っ直ぐに下っていくと、畑に飛び出し、二十三夜塔脇の登山口に出た。日天沢沿いに下っていく途中で雪は少なくなり、ワカンをはずした。猿毛林道から猿毛集落に出て、車に戻った。
 七谷コミュニティーセンターに戻り、いつものように入浴と思ったら、年末で休みになっていた。年の暮れの挨拶を交わして解散とした。
 猿毛岳は、雪山ハイキングとして適当な山であった。ただ、このコースは新聞やガイドブックに紹介されたことがないことが惜しまれ、登山口にはコースを記した案内図が必要と思われる。
 
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