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熊堂山・上ノ山
ねずみ薬師・水頭


【日時】 2000年12月9日(土)
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り時々雨

【山域】 加茂丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 熊堂山・くまどうやま・160m・なし・新潟県
 上ノ山・うえのやま・187.9m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/森町
【ガイド】 なし

【山域】 加茂丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 ねずみ薬師・ねずみやくし・285m・なし・新潟県
 水頭・みずがしら・284.8m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/森町
【ガイド】 新潟県ふるさとの散歩道(新潟県観光協会)

【温泉】 下田村八木ヶ鼻温泉 いい湯らてい 850円 タオル・ロッカー付き

【時間記録】 7:30 新潟発=(R.49、亀田、R.403、加茂、黒水、R.290 経由)=9:05 高屋敷登山口〜9:13 発―9:32 稜線分岐―9:51 熊堂山―10:12 稜線分岐―10:19 上ノ山〜10:24 発―10:30 稜線分岐―10:47 高屋敷登山口=(やまなみロード 経由)=11:10 八木前〜11:28 発―11:36 車道終点―11:55 ねずみ薬師―12:10 水頭―12:21 ねずみ薬師―12:33 作業小屋―13:00 高屋敷登山口=(いい湯らてい入浴後往路を戻る)=16:20 新潟着

 新津から見附にかけて南北に丘陵地帯が連なり、新潟平野の東の縁を形作っている。熊堂山と上ノ山は、R.290とR.289の合流地点の五十嵐川左岸にある山である。

 ねずみ薬師は、下田村の代表的景勝地の八木鼻に向かい合う五十嵐川左岸の山である。昔は庭月集落の祭神が奉られ、信仰の山として、近郷近在の参詣者が多く訪れたという。現在ではお堂や祠といった物は失われ、山頂の杉木立が僅かに昔を偲ばせるだけである。ねずみ薬師へは、かつて下越しスキー大会が開かれたこともあるというスキー場を経由するコースと、庭月からの登山道が整備されている。水頭は、ねずみ薬師の南に位置する三角点ピークであるが、登山道は無く、かすかな踏み跡を辿る必要がある。

 12月は、天気が悪い事もあるが、それに加えて忘年会疲れがあって、朝起きて山に出かけるのが辛いことが多い。この土曜日もそんな朝になった。空を眺めて当初の頑張る必要のある山を諦め、地図を入れ替えて、加茂の丘陵巡りに出かけることにした。
 熊堂山は、地図では、山頂に鳥居マークがあり、そこに至る破線も記され、気になっていた山である。その南にある上ノ山というピークへの道は記されていないが、稜線通しに僅かな距離で、二つの山を一緒に登ることができそうに思えた。
 加茂から下田に向かい、五十嵐川を渡った所の高屋敷で登山口を探した。三叉路の角から山に向かって延びる、砂利を敷いた林道があり、ここだろうと思って路肩帯に車を置いて歩き出すことにした。すぐに新しい堰堤に出合い、その先からは、草の被った林道跡に変わった。人の歩いた跡もあまり無さそうであった。山頂に神社のお堂かなにかがあるとすると、別に利用されている道が有りそうであったが、窪地状の林道跡は、道型はしっかりしているため、そのまま登り続けた。
 ひと登りで、西の斜面を眺めることのできる峠に到着した。反対側の西の斜面には伐採地が広がり、作業用の林道が近くまで上がってきていた。熊堂山方面への稜線には踏み跡が続いていた。小ピークを巻く所で踏み跡は消えてしまったが、その先に進むと、しっかりした踏み跡が続いていた。この先は、踏み跡が消えたり、突然はっきりしたということを繰り返した。途中で何本か、稜線を横切る道にも出会った。
 空が暗くなってきたと思ったら、雷も鳴って雨が降り出してきた。ズボンの裾を薮の露で濡らしてしまっていたため、いまさら雨具を着ても遅いということで、傘だけで歩き続けた。傘をさしての薮漕ぎは、木の枝にひっかかって、楽ではなかった。
 熊堂山手前で雑木林の薮を抜けていくと、突然、右手からはっきりした道が現れた。みると、白い板に赤で矢印を描いた標識も掲げられていた。標識には、アニメキャラのシールが貼ってあり、学校の遠足コースのような感じがした。その先僅かで熊堂山に到着した。杉木立に囲まれた中に小さな石の祠が置かれ、展望の利かない山頂であった。
 はっきりした道がどこに通じているのか、下って確かめたかったが、上ノ山のために来た道を引き返す必要があった。再び峠まで戻り、上ノ山方面を眺めると、伐採地との縁に踏み跡が続いていた。
 伐採地の中を登っていくと、すぐに、三角点が頭を出している上ノ山の山頂に到着した。周囲の杉の苗木もまだ背が低く、周囲の展望が広がっていた。伐採直後で、風情には乏しい山であったが、スノーハイクとして、手頃に雪原を楽しめそうであった。
 下山後、山頂から下っていたはっきりした道の登り口を探してみることにした。熊堂山の山頂下に、大浦小学校があった。校舎の裏手に回ると、山に向かって新しい道が切り開かれており、傍らの看板には、治水事業に伴い、林間の遊歩道が整備されていることが記載されていた。イラストマップは、おおざっぱ過ぎて、熊堂山の山頂も書かれていないが、ここが起点のように思えた。
 雨も上がって青空が広がってきたため、続いて八木鼻前のねずみ薬師を訪れることにした。今年の6月18日に八木鼻経由で袴腰山に登ったが、八木鼻への登りの途中で、五十嵐川対岸の三角形の山頂を持つ小ピークに目がとまった。山頂下には、牧場風の草原が広がり、そこまで車道が通じているようであった。家に戻って資料を探していくと、新潟県観光協会の出した「新潟県ふるさとの散歩道」に、このピークは、ねずみ薬師と呼ばれ、牧場に見えたのは、スキー場跡であることが記載されていた。遊歩道も整備されているようであった。
 八木鼻の対岸を通る新しい道路と長野方面への県道との交差点部の路肩に車を停めた。少し戻った八木鼻前のバス停の脇に、山に向かって登っていく舗装された林道があったので、この道に進んだ。急坂の林道を進んでいくと、簡易水道かなにかの施設があって、舗装道路はここまでとなった。未舗装に変わった林道を進むと、すぐ先でスキー場に出た。ただ、リフトやロープトーのようなものは無かったが、草地は短く刈られており、今でもファミリーゲレンデとして使われているのかもしれない。ゲレンデの草地の中に踏み跡が続いていた。振り返ると、八木鼻の岩壁と袴腰山を良く眺めることができた。ゲレンデ上部の急坂を登り切ると、痩せ尾根の登りになった。
 ねずみ薬師の頂上は、ベンチが置かれ、ねずみ薬師山頂という標識が置かれていた。山頂広場の周囲は杉の木立が取り囲んでいたが、その切れ目からは、粟ヶ岳や、白根山や烏帽子岳の展望が広がっていた。信仰の山であったということを示すお堂や祠のようなものは何も無かった。
 踏み跡が、山頂を越した先に続いていた。少し下った所で、道は西に向きを変えていた。どうやら庭月の集落からの破線が延びる谷間に向かって下っていくようであった。下山はこの道を下ってみることにしたが、ねずみ薬師の南隣の水頭によっていくことにした。
 登山道のカーブ地点から薮に入った。稜線を外さないように下っていくと、直に鞍部に達した。蔓が絡まって通過に苦労する所もあったが、薮はそれ程濃くはなかった。途中で雨が降りだし、再び傘をさしての薮漕ぎになった。ピークの上に出ると、三角点が薮の中から頭を出しているのを見つけることができた。反対側にも踏み跡は見あたらず、登る者はいないようであった。再び、雨の中の薮漕ぎを続けてねずみ薬師に戻った。
 ねずみ薬師からの下山は、緩やかな尾根道が続いた。周囲の木立の丈も低いために、標高以上に高い山を歩いているような雰囲気があった。尾根道は、最後に谷間に下りて、田圃脇の作業小屋の前に飛び出した。標識のようなものは見あたらず、ここから登るのは難しそうであった。農道を辿っていくと、やまなみロードのカーブ地点手前に飛び出した。
 車に戻ってから、今年できた八木ヶ鼻温泉「いい湯らてい」で温泉に入った。山の帰りに汗を流すだけだと料金的に少しもったいないが、施設も充実した日帰り温泉であった。100円の割引券と10回で1回無料になるというポイントカードも配られ、リピーターの確保に努めているようであった。

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