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笠峰


【日時】 2000年11月26日(日)
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 白山粟ヶ岳山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 笠峰・かさみね・483.8m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/越後白山
【ガイド】 なし
【温泉】 七谷コミュニティーセンター 100円 備品無し(沸かし湯)

【時間記録】 6:40 新潟発=(R.49、亀田、R.403、加茂、上高柳、林道幸谷線 経由)=7:55 松平橋〜8:02 発―8:12 巡視路分岐―8:18 鉄塔(No.121)―8:36 稜線上―9:10 刈り払い道分岐―9:20 笠峰―9:56 小乙・高柳分岐―10:33 笠峰〜10:53 発―10:58 刈り払い道分岐―11:20 巡視路分岐―11:27 松平橋=(上高柳、七谷コミュニティーセンター、加茂、R.403、亀田、R.49 経由)=14:00 新潟着

 新潟平野の縁に沿ってひろがる白山粟ヶ岳山塊は、白山から宝蔵山、さらに鞍部の橋立を経て、権ノ神岳から粟ヶ岳に続いている。橋立への麓からの登山道としては、上高柳と小乙からの道が利用されているが、橋立から西に延びる稜線が二つの集落を隔てている。この稜線上にある三角点ピークが笠峰である。
 23日の勤労感謝の日に、尼池山から宝蔵山経由で白山まで登り、途中で現れた送電線鉄塔への管理道の入り口を確認するために、下山後、上高柳登山口に回った。その際、笠峰登山口という標識が立っているのを発見し、地図を見ると、名前は記載されていないが、その標高から、白山から粟ヶ岳に至る縦走路の途中の橋立から西に延びる稜線の途中にあるピークであることを知った。どのような登山道が続いているのか興味を持って出かけることにした。
 笠峰登山口は、上高柳から延びる林道幸谷線が、高柳川を右岸から左岸に渡る松平橋の上流部脇にある。鎖のかかった送電線への巡視路を左に分けたら、直に橋に到着するので、車を注意して進め、橋の手前の路肩に車を停める。
 笠峰登山口には、中越幹線の巡視路標識があり、山に向かってはNo.121という番号が記されていた。杉林の中に山道が続き、川の下流部に進むと山の斜面に行き着いて、ジグザグの登りが始まった。送電線の巡視路でお馴染みの、横板を埋め込んだ階段も現れた。ひと登りした所で、道が二つに分かれた。左は、トラバース気味に杉林の中に、右は、階段が付けられた登りになっていた。標識や赤布のようなものを探したが見つからなかった。笠峰への登山コースは、送電線の巡視路を利用して稜線部まで上がり、後は稜線伝いに山頂へ続いているだろうと推測していたので、まずは送電線の巡視路を辿ってみることにした。
 分岐からひと登りで、尾根の途中にある送電線の鉄塔に到着した。さらに高みに向かって踏み跡が続き、No.122という標識が立てられていた。この先僅かで、突然に、幅広い林道跡に飛び出した。麓に続く部分は薮に埋もれているが、巡視路に利用されている部分は、雑草も刈り取られて、きれいに整備されていた。右手に広がる谷を巻きながらの、ほぼ水平な道が続いた。林道終点からは、稜線に向かっての急な登りになった。
 稜線上に立つ鉄塔より、東に僅かに高い所に登り着いた。稜線沿いには、はっきりした道は見あたらず、稜線の南側に広がる伐採地との縁の踏み跡を辿っていくと、すぐに薮に行き当たってしまった。登山口と書いてあったわりには、山頂まで道が無いのはおかしいと思った。歩くのにはそう支障は無い薮なので進んでいくと、テープが頻繁に現れるようになった。これから道を切り開くのだろうかと思いながら、薮漕ぎを続けた。木々の葉もすっかり落ちて、薮漕ぎには良い季節である。左から尾根が合わさると、突然、幅広の刈り払い道に飛び出した。最近刈り払いが行われたようで、道の両脇には、小枝が積まれていた。
 この刈り払い道を進んでいくと、難なく山頂の標識が立てられた笠峰に到着した。整備された登山道が続いているようで、無駄な薮漕ぎであったかと、少々がっかりしたが、残置テープはなんだったのだろうと疑問は残った。
 笠峰の山頂からは、宝蔵山や粟ヶ岳の展望が広がっていた。刈り払い道は、さらに続いているので、先をうかがうことにした。山頂の縁まで進むと、遮るもののない展望が広がった。三角点の置かれている所よりも、少し高いようで、笠峰に登ったならば、ここまでは足を延ばす必要があろう。
 この先の稜線は、一旦大きく下った後に、橋立方面の高みに続いていた。稜線には、はっきりした刈り払い道が付けられているのを目で追うことができた。地図を見ると、古くからの登山道が通じている小乙・高柳分岐まで続いているように思えた。この先は80m程のアップダウンがあるので躊躇したが、興味心に促されるままに先に進んだ。
 急な下りの後には、急な登りになった。振り返ると、笠峰は美しいピラミッド型の山頂を見せていた。この姿を見ることができただけでも、上り下りに苦労をする甲斐がある。501mの小ピークを越すと、小乙・高柳分岐に到着した。
 新しく稜線上に道を開いたことによって、この分岐は十字路になっている。稜線通しの新しい刈り払い道への標識はまだ無いことから、橋立方面から下ってきた場合には、そのまま直進しないように注意が必要である。
 このまま旧道を辿って林道終点の登山口に下りて、後は林道歩きで車に戻ろうかという気にもなったが、笠峰へ続く登山道の謎を明らかにする必要があった。笠峰に戻ることにして、再び、上り下りに汗を流すことになった。
 笠峰の山頂に戻って、大休止にした。勤労感謝の木曜日、土曜、日曜日と11月下旬とは思えない暖かい日が続き、日溜まりの山を楽しむことができた。もしかすると、これが20世紀最後の日溜まりの山になるかもしれないと思いながら、ビールを飲んだ。
 下りは、刈り払い道を辿ることにした。急な尾根を下ると、左手に向かってのトラバース気味の下りが続くようになった。はっきりした刈り払いは、最初の尾根の部分だけで、通常の山道に変わり、道を外さないようにそれなりの注意が必要になった。杉林を抜けていくと、最初に迷った鉄塔下の分岐に出た。
 結局、最初に道の判断を誤ったのだが、巡視路から稜線伝いのルートも、軽い薮漕ぎルートで、サブルートとしては面白いと思う。笠峰は、展望の良いピークで、小乙・高柳分岐まで歩いた後に旧道から林道を下ってくれば、変化に富んだ山歩きを楽しむことができる。
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